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『アメリカ暮らしの素人投資-9: アセットアロケーションをどう決めるか(その2)』

資産運用をする上で大切なのは、自分の資産にどれぐらいリターンがあるか・・・ではなく、どんなリスクがあるかを考えることです。そして同じリスクを持つ資産をグループ分けすることです。そうすればリスク分散がわかりやすくなります。

アセットアロケーションを語る本やウェブ読むと、資産全体つまりタンス預金から始まって株や不動産まで含める広義のものと、株と債券など有価証券の比率に焦点を絞っている狭義のものがあり、素人的に混乱します。

アメリカですと、3つのグループに分けてアセットアロケーションを語ることが多いようです。

- Cash: 現金か預金、CD、マネーマーケットなどの現金相当品。流動性資産
- Stocks: 株式。さらに国内株式、外国株式に分かれます。
- Bonds: 債券。さらに国内債券、外国債券に分かれます。

政府サイトも3分類。

現実的には、

1. 現金などの流動性資産
2. 国内株式
3. 外国株式
4. 国内債券
5. 外国債券
6. その他。不動産(REIT含む。ただし自分が居住している住宅は対象外)など

この6つのグループ分けをしておけばいいかなと思います。

投資を考えた場合、株と債券に話が集中しがちですが、数年後に使う予定がある場合は、株はボラティリティ、つまり変動リスクが高すぎて不向きになります。以下のおすすめはMutual Funds for dummiesの本より。

- 2年未満に使う予定: マネーマーケットファンド
- 2年以上3年未満に使う予定: マネーマーケットと短期債券ファンドの両方
- 3年以上7年未満に使う予定: 短期債券
- 7年以上先に使う予定: 株および長期債券

また、今現在使う予定がなくても突然レイオフされたり、急病になったりすることはありますから、ある程度の現金(あるいはすぐ解約できる金融商品)は必要です。日本だと毎月の生活費の6か月分という記事をよく見ますがね。

使う予定が7年以上ないとなれば、株、債券、人によっては不動産などその他に投資となります。不動産は敷居が高めで万人が簡単に買う金融商品ではないので、だいたい株と債券でアセットアロケーションを語ることが多いですね。

では株と債券の比率をどう決めるか?

The rule of 110という有名なルールがあります。

110-自分の年齢=株式の比率

つまり、40才の人ならば、110-40=70%を株、残りの30%を債券に投資となります。

ただし、個人には異なるリスク許容度があります。これはアメリカ暮らしの素人投資-9でも書きましたが、ローリターンでもローリスクで安心したいか、あるいはハイリスクでもハイリターンを狙いたいかで決まってきますね。ちなみに、

リスクを避けたい人は、「100-自分の年齢」
リスクを取りたい人は「120-自分の年齢」

とるべしとも言われます。

さらに、国内株と外国株の比率はどう決めるか?再びMutual Funds for dummiesより

リスクを避けたい人は、外国株比率を20%
普通は、外国株比率を33%
リスクを取りたい人は、外国株比率を40~50%

つまり、40才の人で中道狙いならば、110-40=70%を株、残りの30%を債券に投資となります。その70%のうち、国内株は67%、外国株は33%ですから、70%X67%=47%が全投資に占める国内株の比率、70%X33%=23%が全投資に占める国外株、30%が債券となります。

ちなみにリスクを取るとリターンが高くなる可能性も上がります。逆を言えばリスクを避けることはリターンも少なくなります。機会損失が増えると言うことですね。若くて投資期間が長い人は、一時株価が暴落することがあってもリカバリーする期間が長いのでリスクを多く取れます。

また日本ですと、債券も国内・外国債券できっちりグループ分けしてるのをよく見ますが、アメリカではそれほど区別されないみたいです。これ、なんで?と思うので、そのうち調べてみようと思います。

ただ、アセットアロケーションってほーんとにいろんなパターンがあるのですよ。ケースバイケースすぎて正解なし。そのためウェブで質問に答えて、自分向けにテーラーメイドした判断をしてもらうのが簡単。

もし、すでにFidelityやVanguardなどの証券会社に口座を持っているならば、ウェブにアセットアロケーション診断があるかと思いますので、それを使うことをお勧めします。個人のリスク許容度に基づく質問をされ、それに基づいたアセットアロケーションの比率を教えてもらえるはずです。

それ以外にも診断してくれるウェブはありますが、収入や投資金額などの個人情報を入力しなければならないこと、それから後でセールスコールがかかってくることもあります。

アセットアロケーションのリンクが貼られたサイトを下に添付します。リンクの一部は最新ではないようですね。Vanguardのリンクをクリックしてみましたが、IFA.comに飛びました・・・。

いずれにせよ証券口座を開かねば投資を始められないわけですから、まずは口座を開いてしまって、そこでアセットアロケーション診断のテストを受けてみてはどうでしょうか。そうすれば必要以上に個人情報を開示しなくて済みますからね!

ちなみに、日本よりもアメリカのほうがリスクをとる傾向があるようです。つまり、日本でおすすめされるアセットアロケーションは保守的だということですね。まあ、アメリカ株がすごい勢いで上がってきましたし、債券よりも株を買っていたほうがずっとリターンが高かったことを考えると当然だとは思いますが!

また日本人は株投資に対して猜疑心が強く、日本株は(アメリカ株ほど)上がらないからあまり株を買わない方がよいという考えの方もいるとは思いますが、ちょっと違うと私は思っています。外国株の比率を上げて新興国の株を買うという手もあるわけですし。

結局は、リスク配分をどう考えるか?です。株と債券のように相反する動きをするもの、先進国と新興国のように安定と成長があるものをどう組み合わせるかが大切ということですね。

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