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『アメリカ暮らしの素人投資-2: 機会損失を回避する』

素人にしてみれば、投資とは難しくリスクがあるものと思ってしまいますが、海外暮らしならばなおさらです。いずれ日本に帰国する前提で日本の証券会社に口座があるならば別ですが、そうではない現地在住組には不安がつきまとう。

高学歴で英語が達者な人でも、専門家ではない限り投資はよくわからず、不安を抱えていたりします。「お金の話」なので、友達とも突っ込んだ話をしない。日々経済ニュースを英語で追うのも大変です。アメリカ人の投資に強い人、特にプロの投資家のようには、効率よく情報を取れないのです。

じゃあ、どうすればいいのか?

いろいろ調べましたが、必要なのは、まずは日本の仕組みを大雑把に知ること、その上で大きく勝ちはしないが大損もしない
(1)分散投資を
(2)長期にわたって
(3)低コストで

行うことでした。

日本の仕組みとアメリカの仕組みはまったく同じではありませんが、欧米など資本主義が発達した国では、基本的なロジックが類似しています。大雑把に日本での仕組みを頭にいれると、英語で調べたときにも、「あ、これ、こういうことね」と理解が簡単になるので、学習効率がよくなります。

アメリカにおける主な投資商品には
1. 預金とマネーマーケット口座 Savings & Money market accounts
2. 株式 Stocks
3. 債権 Bonds
4. 不動産 Real estates
などがありますが、このnote記事では、主に2と3への投資を取り上げます。

投資には、1. パッシブ運用 2. アクティブ運用があります。

1. パッシブ運用は、投資信託などを運用し、日経平均株価や米S&P500などの株価指標(指標=インデックス)に連動した成果を目指すものです。例えば、S&P500の株価に連動するインデックスファンド(投資信託の一種)を保有しているとして、S&P500が10%上がれば、ファンドのパフォーマンスも10%上がるわけです。運用コストが低く、資産管理にかける時間も最小限で済みます。

インデックスファンドとは、例えばS&P500を構成する株をそのまんま一通り買いたいが、そうすると超高額になってしまうので、それを大勢の人で分担して買えるように、小口にバラして売り出した金融商品と考えればいいかな、と思っています。

つまりピザを1枚まるごと買うお金はないが、1スライスを買うお金はある。そしてそのスライスには全ての材料が含まれてる。ピザ全体の値が上がれば、スライスの値段も比例して上がる。そんなイメージです。


2. アクティブ運用は、日経平均株価や米S&P500 などの指数をベンチマークとし、それを上回る成績を目指します。機関投資家つまりプロの場合は、ファンドマネージャーと運用チームが市場や個別銘柄の調査、分析を行い、銘柄を選定して運用します。

アクティブ運用においては、プロの機関投資家がもうけて、個人の投資家が損をしている実態があります。機関投資家は情報収集、資金管理に優れているため、素人の個人投資家が彼ら以上にもうけるのはそう簡単ではありません。

実際私も、本業をこなしながら、日々企業の情報をコツコツ収集して、機関投資家以上にもうけることができるか?と言えば、出来ないでしょう。仮にできたとしたら、それは「まぐれ当たり」にしかすぎないようです。だから、手を出さない。はじめから大あたりを目指すことはしない(当たらない確率が高いから)。

その一方で、「株はリスクが高いから」と預金に回していても、たいして利子はつきません。アメリカの平均株価は預金の金利より高いリターンで伸びています。預金では元本割れはしないかもしれませんが、株に投資するようなリターンは見込めず、さらにはインフレによって実質の利子は雀の涙になることもあります。つまり「お金の知識がないが故の機会損失」ということになります。

だからこそ、パッシブ運用をしよう、つまり平均株価の伸びと同じだけのリターンを得る投資をしよう、となるのです。幸い、アメリカの株価は長期的には順調に伸びてきていて、20世紀の100年は平均10%、ここ10年の平均はもう少し高くて12%ほどです。

つまり、低金利時代に預金しているだけでは機会損失になり、お金の増え方が少なくなるのです。

私がアメリカで働き始めたのは2000年夏でした。それ以降何年にも渡って稼いだお金を銀行に預けていました。その後リーマンショックで株価が大きく下落しましたが、その時も含めてコツコツと株を買って保持していれば、今頃は結構な額に伸びたのだろうに・・・あーあ、と思います。これは情弱だったからこそ犯した失敗でした。

もちろん、株価は変動するもので、ボラティリティVolatilityがあります(株価は上下に動きますが、その山谷の高低差のこと)。

20世紀の平均では10%以上の下落は5年起きに発生し、20%以上の下落は10年起きに発生してきたそうです。そのために、すべての資産を株につぎ込むことは避け、分散divesificationが必要になります。

繰り返しますが、コストや時間をかけず、長期的にわたって分散した投資をパッシブに行っていくことが負けない投資の基本になります。

このあたりは、勝間和代著の「お金は銀行に預けるな~金融リテラシーの基本と実践~」にわかりやすく書いてあります。

次回以降では、その手法として、投資信託 Mutual Fundsをどうやっていくのか?を書いていきます。ちなみに主な情報源はEric Tyson著のMutual Funds for dummies です。(しょせんワタクシは素人なんで、基本、プロの方が書いた本からの受け売りでございます。が、その方がかえって安心でしょ?)










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