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『もうひとつ別の外出禁止令 - in USA』

5/30の夕方、突然市中サイレンがなりiPhoneにアラートが来まして。

ん?なんだなんだ?
嵐でも来るのか?
それともアンバーアラート(児童誘拐発生時の警報)?

と思ったら、州都ダウンタウンにてCurfew(夜間外出禁止令)発令でした。
コロナ時の外出禁止令は、Stay-at-home OrderやShelter-in-place Orderで、今回はCurfew。
同じ外出禁止令でも言葉が違えば、意味も違うということで。

州都で起きていたのは抗議デモでした。

つい最近、ミネソタ州ミネアポリス市で黒人男性(George Floydという方)が白人警官に拘束されている最中、死亡する事件があったんですね。
警官が、黒人男性を取り押さえて地面にうつぶせにさせ、
「息ができない(I can't breathe)」
と彼が訴えたにも関わらず、膝で首を押さえ続けました。
You tubeでその状況が拡散され、ミネアポリスでは抗議デモから警察署の放火などの暴動へと発展していきました。

それが全米に飛び火し、あちこちで夜間外出禁止令が出た模様。
私が住む州の州都もその飛び火した市のひとつだったというわけです。

白人警官の黒人に対する態度の悪さは以前から何度も指摘されて、武装していない黒人市民が射殺されたり亡くなったりするのは、珍しくない。
そしてそのたびに抗議デモが起きてきました。

ですが、やはり今、人々はいら立ち、社会が不安定化してるのだと思う。

貧富の格差、人種の格差、右派と左派の分断。
社会格差を測るジニ係数的には、「社会が不安定化する閾値の0.4」前後にアメリカは来ていますし。
ちなみにアメリカは世界で最も豊かな国でありながら、G7中で最も貧富の差が激しい国です。

そして、この暴動についてトランプ大統領がツイートし、それが「暴力を賛美する内容」として、Twitter社が「非表示」措置を取りました。

そこでまた、やんややんや・・・。

もともとSNSメディアがフェイクニュースを野放しにしてると、Facebook社やTwitter社などはずっと批判されてきました。
Facebook社よりももうちょい積極的なTwitter社は、内容によっては「事実確認要マーク」をつけたり「非表示措置」を取るようになりまして、大統領のツイートにも措置が取られはじめたんですね。

それに反発するトランプ氏はSNS社への法的保護の一部を廃止する大統領令に署名。

アメリカって四六時中デモやってますし、訴訟しまくりですし(今回のSNSに対する大統領令に対しても、訴訟が起こされると予測されています)、いろいろと、よくやるわなぁと思う。

政治ってスポーツのように、一種の暇つぶしというかエンターテイメントなんじゃないか?と思うことすらある。
でも、こうやって、喧々諤々と人々が議論し、騒ぐのって嫌いじゃないです(もちろん暴動などの暴力には大反対ですが)。

「政治なんて誰がやっても同じ」「社会なんてどうせ変わりゃーしないよ」と、判で押したような批判コメントばかりで何の行動もとらない社会よりも、ずっと健全。

政治をめぐって熱くなる。大騒ぎをする。
民主主義って、そういうことなんだろうな、と思う。
そうして、そういうことを考えると、なんだか感動して泣けてきたりもするのです。

そして5/31にも再び夜間外出禁止令。
いや、やっぱ、この不安定な雰囲気、しばらく続くかもね・・・。

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