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「管理野球」という言葉がある。
広岡達朗さんの方針の
代名詞とも言われる。

1981年に西武の監督に就任した
広岡さんは、選手の食生活など
ふだんの生活から厳しく管理した。

◆禁酒、禁煙、禁麻雀
◆白米よりも玄米
◆肉の食べ過ぎ禁止
◆冷蔵庫の中身チェック …

うげげ…、と思いますか?

広岡監督の狙いは、
次のようなものだったと言われる。

「能力のある選手は揃っている。
あとは彼らをうまく
ベストコンディションで試合に
臨ませればいい。

しかし選手に任せきりでは
暴飲暴食、遅寝遅起きなど、
体調不良になる。
ならば、生活から管理する」

そう、広岡監督の管理野球は、
あくまで選手をグラウンド場で
活躍させるためのものだったのだ。

これに対して、
「のびのび野球」という
言葉がある。

仰木彬監督は、
野茂選手やイチロー選手を
育てたことでも知られる。
彼らは「管理野球」の下では
伸びていかなかっただろう。
のびのびと個性を発揮できてこそ、
彼らはメジャーでも活躍できた。

もちろん、これは彼らが
自分で自分のコンディションを管理する
「セルフ管理野球」が
すでにできていたからだ。

それを見越した上での、
「のびのび野球」だったのだろう。

…さて、ここまで読まれた方は、
「管理野球」「のびのび野球」
どちらが上か、どちらが良いか、
そういう話ではない、ということに
お気づきかと思う。

あくまで、チームの現状、
個々の性格などを踏まえた上での
マネジメントが必要
、ということだ。

選手のパフォーマンスを
最大限に発揮してもらうためには、
何が必要か、何が足りないのか?

管理すべきなのか、
のびのびとさせるべきなのか?
どこまで管理して、
どこからのびのびさせるべきなのか?

それは、チームや個人によって異なる。
管理し過ぎると萎縮する選手もいる。
のびのびさせ過ぎてやらかす選手もいる。
キーパーソンに方針を伝えて
自発的に行わせるやり方もあれば、
監督権限で強制的に行うやり方もある。

…読者の皆さんの組織や
マネジメントはいかがだろう?

「管理野球」的なもので
うんざりしてないですか?
「のびのび野球」的なもので
たがが外れてないですか?

「大人なんだから」と言われるところを
あえて強制的に管理
したことで
広岡監督は結果を出させた。
その代わり、批判も多かった。

「大人なんだから」と
あえてのびのびさせる
ことで
仰木監督は結果を出させた。
その代わり、結果が出ない選手もいた。

チームの統一方針とするか、
個別の方針にするかでも違う。
あまりに「個別対応」すると
不平不満が出やすくなるだろう。

そう考えると、
「監督」が方針を決めやすいように
自分はどちらが向いているのか、
どの範囲まで「管理」され
どの範囲から「のびのび」したいか、
それを己に問い、開示することが
大事なのかもしれない。

管理と、のびのび。
この問題は組織のマネジメントの
問題であると同時に、
個人のマネジメントの問題でも、ある。

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