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『まことに小さな国が、開化期を迎えようとしている』
とは、司馬遼太郎さんの小説、
『坂の上の雲』の冒頭の一節です。

明治時代の「日露戦争」を主題にしつつ、
日本のさまざまな「開化」を書いた小説。

この小説になぞらえる形で言いますと、
令和時代の日本は、人事において、色々な形で、
開化期を迎えようとしている…。

私は、そう思うのです。

本記事は、新しい「人事」の在り方、
コミュニティ、そういうものを
紹介してみようと思って、書きました。

①L-Base

最近のリンクトインの記事で、
L-Base というオフライン交流の場を
目にする方も多いのではないでしょうか。

東京と大阪にあります。
イベントも、行われています。
そしてそのイベントに参加しました!的な
投稿もよく見られます。

松本 淳 さん、長嶺 将也 さん、高崎 澄香 さん、
石垣 敦章(nobutaka)さん、吉永 亮 さん、
運営メンバーの方のご尽力により、
オンライン←→オフラインの相乗効果が開化する。
SNSを介して知り合った方が
リアルに会って交流できる、そんな場です。
(L-Base Tokyo のツイートアカウントも
誕生したようですので、そちらもぜひ)

SNSを介して会う、いわゆる「オフ会」は
SNSの誕生期からありますが、
このようにリンクトインにおける
「基地」的な場所は、今まであまり
見られなかったように思います。
対等な立場同士での交流…。
まさに「新しい人事の形」の一つだと思います。

②HRギルド

松本 淳 さん・株式会社アースメディアが
発起人・世話役となり、
2022年4月に立ち上がったコミュニティ。
現役のプロフェッショナル人事が
複業/副業によって高度な人事・採用知見を
成長企業へシェアする
ために、作られました。

運営ボードメンバーは
Mikinori Yamada さん(ジェミニキャリア代表)
吉永 亮 さん(サードプレイス代表)
柾木 秀雄 さん (Roufe代表)
Kanae Akada さん(cepe代表)
坂本 真梨絵 さん(アースメディア広報)。

主に上場企業/スタートアップ企業の
COO、CHRO、コーポレート責任者、
人事部長、人事Mgr、採用などの
各リーダー職から構成されており、

企業の人事課題解決、採用支援のために、
それぞれ「チーム」を組んで
プロジェクトを担うコミュニティ
です。

例えば、ITスタートアップのCHROが
チームリーダーとなり、
マーケティング企業の人事Mgrが
採用ブランディングを担当、
エージェント出身の上場企業採用リーダーが
スカウト業務を担う...
そのような各企業の壁を超えた
チーム編成が続々と生まれているそうです。

人事は「採用」するのではなく
「その状況においてベストな知見を借りる」。
その方がうまくいく場合が、増えている。

確かに、人事は
「各企業専属」というケースが多い中、
「企業を超えたチーム」でしか解決できにくい
課題・問題もまた、多い
ものです。
そういうことを解決していく…。
これまた「新しい人事の形」ではないでしょうか。

③ジソウラボ

ここまで①②で「オンライン~オフライン」、
「企業~個人」の壁
を超える人事の形の
コミュニティを紹介しました。

ただ、リアル地理的に言いますと、
「都会~地方」この壁もまた、高いもの。
都会では石を投げれば人事やコンサルに
当たるかもしれませんが、
地方ではなかなかそういう人や場が
いない可能性も多い。

富山県の南西部にある人口約八千人の
小さなまち「井波」もそうでした。
そこで、有志が集まって
「ジソウラボ」というコミュニティが
形成されています。

このジソウラボのビジョンは
『人材輩出のまち井波をつくること』。

◆未来に残る街とは、人が育つ地域

その考えから
「地域起業家を県外から募集し伴走するプロジェクト」
である「BE THE (MASTER)PIECE」
開始したそうです。
何とわずか半年で、4人もの起業家候補が見つかり、
順調なスタートを切れている、とのこと。

つまり「仕事」や「起業家」を、
地方から発信して全国に募集をかけ、
かつ、集めて終わり、あとは自己責任、ではなく
伴走することで支援する、というコミュニティ。

…「新しい人事の形」ですよね。
地方に人材がいないのなら、
地方が主体となって、
仕事や人材を「目に見える形」つまり可視化して
呼び寄せ、ともに走ってくれる
のです。

④せんのみなと

長嶺 将也 さんと 高崎 澄香 さんが
「古民家でのキャリアツーリズム」事業を
手がけておられる「せんのみなと」。
千葉県の香取市という「地方」を中心に
活動されています。

ここに事業のパートナーとして
Yumiko Murakami さんが加わり、
新たな全国への展開を見せています↓

彼女のミッションは、
せんのみなとの事業の担い手と拠点を
全国に増やし「まちの人事部」
自律的に動く状態を実現することで
「住みたい場所で本当にやりたい仕事ができる
社会の実現を目指すこと」
だそうです。
事実、千葉県とは遠く離れた、
紀伊半島南部をベースに活動されています。

『エージェント・媒体・派遣合わせて
都市部には数百万人の人材業界経験者が
いるはずと推定していて、
そのうちの20人でもこの事業の担い手に
なってくれれば「自律的なまちの人事部」
が加速度的に広がるはず』とのこと。

このような動きもまた、
新しい人事の形だと言える
のではないでしょうか?

まとめます。

本記事では、四つの事例を紹介しました。

①L-Base
②HRギルド
③ジソウラボ
④せんのみなと

もちろんこれだけではない。
世の中には
「新しい人事のカタチ」を模索しつつ
活動している無数の人事の方がおり、
コミュニティがあります。

昭和的な仕事観やキャリア観、
氷塊が氷解していき、壁が崩れ、
自分(たち)なりのストーリーを作り、
ブランディングを行っていく時代…。
まさにいま、開化期です。

ただ、その試みも、
個人的なものに終われば、広がりは弱い。
もちろん、個人で「尖る」のは大事ですが、
チーム、コミュニティの形にすれば
もっと広がりを得ることができる
のでは。

例えて言えば、「栗」です。

栗はそのままでは、イガイガが多い。
刺さる人には刺さるけれども、
すぐには、食べられない。堅い。
そのさまは「個人のみで」尖っていこうとする
事業に、どこか似ています。

これを加工し、モンブランにすると?
口ざわり滑らか、
老若男女、みんなが食べやすくなる。

この四つのコミュニティには、
イガイガの栗をモンブランに加工できる
「人材活用のパティシエ・パティシエール」
集いつつある、のではないでしょうか。

読者の皆様は、いかがですか?
イガイガのままで進みますか?
モンブランにしてみませんか?


本記事で紹介した四つのコミュニティ。
記事内のリンクから、合わせてぜひどうぞ。

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