見出し画像

関ヶ原の戦い、と言えば1600年。

本記事では、この戦いを描いた
ある漫画を紹介します。

関ヶ原の戦い!
徳川家康が見事に石田三成たちの「西軍」を
打ち破り、江戸時代はじまりの基礎を固めた
歴史的な戦い
、として知られていますよね。

しかしどうしても私たちは
「後世から逆算」して歴史を見がちです。
「結末やあらすじを知っている」。
この戦いが江戸時代の幕開けの
重要な戦いだ、という目で見てしまう。

徳川家康が勝つことを知っているがために、
事実以上に家康を無意識のうちに
過大評価してしまう…。


つまり、関ヶ原の戦い以前から
家康は深慮遠謀をめぐらしており、
自分に天下が転がり込んでくるように
その陰謀を実現していった…。

そのような「陰謀論」的な見方
この関ヶ原の戦いを見がちなんです。

…でもですね、そんなに家康、
用意周到だったんでしょうか?
そんな余裕、あったの?

2023年の大河ドラマ
『どうする家康』でも、家康は
そんなにスーパーマン的な感じでは
描かれていないですよね?

もちろん「陰謀論」的な見方も
歴史の見方の一つです。
完全否定するわけではありません。

また「豊臣家に忠義を尽くす三成
VS豊臣家簒奪を図る家康」
的な、
お家に忠義をはかるかどうか、という
『忠孝論』的な見方もあります。
司馬遼太郎さんの小説『関ケ原』などは
この忠孝論がベースです。

石田三成は、忠義の塊キャラ。

この二つ、『陰謀論』と『忠孝論』。
関ヶ原を語る人は、どうしても
このような見方に囚われてきた。


私も、そうでした。

しかし、ここで
そのどちらにも傾斜しない
新しい『関ヶ原の戦い』を活写する
物語が生まれてきた。


それが宮下英樹さんの漫画、
『大乱関ヶ原』なのです!

(ここから引用)

『何故 全国の大名が静謐を壊してまで
投機的な戦いに突き進んでしまったのか?

筆者は「陰謀論」にも「忠孝論」にも
その答えを求めない。

「天下簒奪の陰謀」「豊臣氏への忠孝」
当事者に左様な夢想に耽るような
余裕があるとは思えない。


何故関ヶ原の戦いが起こったのか。

その舞台裏を描く次第』

(引用終わり)

そう、家康は慎重なはず。
ですが、ギャンブル的な
戦いに臨んでいく…。

この漫画、凄く、面白いです。
おすすめです!

とにかく家康が「人間臭い」んですよ。
等身大。
だんだん年長者になっていき、
実力者でもありますから、
「馬鹿者」と上から目線でモノを言う。

家臣に諫められても、つい言っちゃう。

その姿勢が仇となって
色々とやらかしてしまう…。

とてもスーパーマンでは、ない。

三成も「嫌われ者三成」のプロトタイプ、
典型的な描かれ方ではありません。
現場に積極的に出て、黙って汗をかく
仕事人的なスタイル。
皆にけっこう人気がある…。

その裏で、家康を政権から排除する
策謀も巡らす「切れ者」三成!


完全無欠のスーパーマンではなく、
等身大の人間を描いているからこそ、

これまで気付かなかったさまざまな
教訓や人間ドラマに
満ちている
、とも言えるのです。

おっと、これ以上はネタバレになるので
自重するとしまして。

ぜひ、実際の作品にて、ご一読を!

よろしければサポートいただけますと、とても嬉しいです。クリエイター活動のために使わせていただきます!