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列島解像 ~囲碁将棋と北欧と八溝からのサウナ~

「バレルサウナ」をご存知ですか?

「ばれるサウナ、ですか…!
もしや、外から丸見えのサウナ…!?」

全く、違います。外からは見えません。
むしろ、隠れ家のサウナ。つまり、
「ばれないサウナ」です。

バレル、とは「樽(たる)」の意味。
つまり「丸い樽型のサウナ」のこと。

サウナ発祥地であるフィンランドに
古くから伝わるサウナだそうです。
樽(バレル)の形のサウナルーム!
主に木材を使用して作られており、
少人数で楽しめる小さなサウナです。

コロナ禍もあり、大人数で
一気に入れるような大サウナではなく、
このような自宅などにも設置できる
小サウナも話題になってきている。


特徴は、次の通り!

◆こじんまりしているために、
熱気が室内に回り、温まりやすい。
◆円形の天井に沿って
熱気が自然に降りてくるため、
普通のサウナより熱気を感じやすい。
◆木材の温もりを感じられ、
心地よい木材の香りを楽しめる。
◆丸型のフォルムのため、
スタイリッシュでかっこいい。
◆自宅にも設置できて、
自作もできることが魅力。

本記事は、このバレルサウナに
着目した、とある木工会社の話を
書いてみたいと思います。

茨城県の神栖市(かみすし)と言えば、
おおむね三角形の茨城県の南東の端、
千葉県の銚子市にも近い街です。

ここに「茨城木工」という
会社があります。

碁盤や将棋盤の製造で有名です。
国内シェアは何と八割!
家具やウッドデッキなども
手掛ける、木工製品の会社です。

泉謙二郎社長は、サウナがお好きで、
色んなサウナに通っていたそうです。
しかし、コロナ禍のために
旅館や銭湯が大打撃を受けてしまい、
そこを利用していたお客さんの
足が遠のいている現状を目撃する…。

「自分の家などで
マイサウナに入れないだろうか?」

そこで思い出したのが、
四十年ほど前に関西の焼肉屋さんで
見かけた風景でした。
何とその店では「醤油だる」を
個室に改造して使っていたのです。

醤油だる…。個室…。サウナ…。
たる…。バレル…?
バレルサウナ…!?

こうしてバレルサウナに行きついた
泉社長は、茨城県産の木材を使った
たる型のサウナの開発・生産に着手!

ついに2021年に販売開始をしたのでした。

「茨城県産の木材」と言えば
有名なのが「八溝檜」です。

八溝、やみぞ、とは八溝山を指します。

これは、おおむね三角形の
茨城県の北西の端っこにある
標高1,022メートルの山。
茨城県、福島県、栃木県の
ほぼ県境に位置します。
「八溝知らずの偽坂東」という言葉が
あるほど、険峻な山々が連なります。

ここでは非常に良質の
檜、ヒノキが採れるんですよ。
これを使って、たる型にしていきます。
茨城県の北西の端から南東の端へ!

奥行き1.5メートル(最大人数三人)、
2メートル(同四人)、3メートル(同八人)、
4メートル(同十人)の4種類がある。
高さはいずれも2.1メートル
(室内高は約1.9メートル)。
もちろん、特注ならカスタマイズして
その他のサイズも作ることができます。

断熱材を挟む二重構造になっており、
屋根の部分は加熱乾燥処理した木材。
雨が降っても、腐りにくい。

「グランピング施設にはぴったり!
テレワークの仕事場にも導入できる!
サウナが設置されていない
旅館やホテルにも導入可能です」

泉社長は、このように語っている。

しかし、そう聞くと
気になるのがお値段なのですが…。

(ここから引用)

『設置費込みで220万~400万円。
窓を付ける場合は十数万円程度かかる。
注文から約二カ月で完成する。
小さい物なら三メートル四方、
大きい物でも四メートル×三メートルの
広さがあれば設置できる。
工場で組み立てて
トラックで運ぶので工期は短く、
配送料も関東なら数万円』

(引用終わり)

標準のコストは、このくらいだそうです。
もちろん、時期やコスト費用、設置場所
によって変わりますので、
気になる方はサイトや
直接の問い合わせによりご確認ください。

さて、このバレルサウナ。
様々な活用法が考えられる、
と私は思うんですよね。

例えば廃校や空き家(古民家)での活用!

人口が増えつつある時代、
子どもがいっぱいいた時代、
全国各地の市町村に
「小学校」「中学校」などが
どんどんできていきました。

明治時代の「学制発布」から、
あまねくどんな街にも村にも
小学校と中学校を置く!
戦後の「団塊の世代」や
「ベビーブーム」などの時代にはさぞや
学校もにぎやかだったことでしょう。

…しかし、時代は変わった。

過疎化、少子化、限界集落、人口減少。
どんどん人が減っていく地域があり、
そこに建てられていた
学校や古民家は打ち捨てられがち…。
教育現場では場所にこだわらない
「オンライン授業」なども導入される…。

そう、人口と施設のアンバランスで、
使われなくなっている施設や空き家が
全国各地にはたくさんあるのです。

読者の皆様の近くにも、あるのでは?

昔、アイディアマンの田中角栄さんは
「列島改造」を唱えて
どんどん道路や施設などの
「ハード」「ハコモノ」のインフラを
整備していこうとしましたが、

今、求められているのは
「列島への解像度」を高めて、
その地域に合った適切な「ソフト」や
「コンテンツ」を整えて(サウナだけに)

都会と地方の各々の特色を生かした
「掛け合わせ」「橋渡し」「組み合わせ」
をすること、ではないでしょうか?

言わば『列島解像』…!

最後に、まとめます。

本記事ではバレルサウナについて
書いてみました。

囲碁・将棋盤、北欧、八溝。
たるの個室の関西の焼肉屋!
こういう様々な連想が合わさって、
茨城木工の「バレルサウナ」が
生まれていきました。


掛け合わせ、橋渡し、組み合わせ!

松本 淳 さんの
「廃校活用」の記事を読んで、
私も、発想がリンクしていったので
本記事を書こう、と考えたところです。
(松本さんの廃校活用の記事も
リンクからぜひ)↓

皆様も「列島への解像度」を上げてみて、
色々なアイディアを合わせて
生み出してみてはいかがでしょう?

よろしければサポートいただけますと、とても嬉しいです。クリエイター活動のために使わせていただきます!