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良い意味で倒されない、
喰えないチーム、という
呼び方がある。

2021年の夏の甲子園大会。
茨城県の地区予選で優勝し、
甲子園初出場を決めた
『鹿島学園』
そんなチームだったと言える。

「…鹿島? アントラーズ?
サッカーが強い学校だよね?」

おそらく野球部やその関係者は
悪気のないその一言に
内心で「野球も強いぞ」
奮起していたに違いない。

確かに鹿島学園は、
サッカー部が全国レベルだ。
プロ選手も多数輩出している。
それに比べて野球部は、
県内の強豪の1つではあったが
県外では知名度は低い。

2015年、この鹿島学園に
鈴木博識(すずきひろし)
監督が就任した。

日本大学、日大藤沢などで
指揮を取ってきた大ベテラン監督。
村田修一選手、長野選手など
プロの第一線で活躍する
選手も多数育てた経験がある。

就任以来6年、少しずつ
鹿島学園野球部は鈴木監督の下で
地力をつけてきた。

もちろん、紆余曲折はあった。
監督自身が就任前に
オファーを断っている。
「野球に集中できる環境じゃない」
不祥事、選手や保護者との衝突、
さまざまな困難が、あった。
監督本人も、過去に
スキャンダルに襲われたことがある。

そもそも茨城県は
故 木内監督の常総学院はじめ、
霞ヶ浦高、藤代高など
県南の高校が、強い。もちろん、
水戸商や水城、常磐大高など
水戸の高校も強い。
それに比べて、鹿嶋市などの
県の東南、鹿行地区は
しばらく甲子園から遠ざかっている。

いわば、茨城県野球界の
アウトロー
、であったのだ。

しかし鈴木監督と
野球部はあきらめなかった。
2021夏は着実に勝ち進み、
ついに決勝では常総学院を破って
甲子園へと駒を進めたのだ。
アウトロー集団が、名門を倒した。

試合内容も、相手が点を
与えたくないタイミングで
点を取る「喰えない野球」だった。
決勝でも、先制パンチで
初回に3点をもぎ取り、
常総学院にペースを渡さずに
そのまま3対2で守り勝った。

鈴木監督は、以前に取材で
このように言っている。

『1年生を潰しちゃいけない。
昔は1年は3年の世話中心だった。
でも今はそんな時代じゃない』

時代や子供たちに合った指導を
模索し、実行し続けてきた
監督の下で鹿島学園は
「喰えないチーム」に成長。
強豪に飲み込まれることなく、
地区予選を勝ち抜いた。

さて、読者の皆さんの組織は
いかがですか?
新人を大事に育てて、
簡単には喰われない
強靭な組織になってますか?

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