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週刊少年ジャンプの
看板漫画3つを取り上げて、
時代の変遷を考察する。

週刊少年ジャンプは
1968年に創刊された。
今から約50年強も前のこと。

70年代のジャンプを牽引した
漫画の1つに、本宮ひろ志さんの
『男一匹ガキ大将』がある。

ガキ大将、戸川万吉が
日本中の不良を従えて
総番になる話である。
戦いに勝ち、子分を増やし、
天下一になるストーリー。
日本社会の経済も好調で、
ぐんぐん上を目指せた時代だ。

もっとも本宮ひろ志さんは
日本一のガキ大将になった時点で
連載を終わらせようとしたが、
編集部がそれを許さず
無理やり続けさせたという。
また、石油危機で石油価格が
高騰した時代背景を受け、
万吉が不良を引き連れて
中東に石油を買い付けに行く

描写もあった。

さて、時代は下り、
1984年には鳥山明さんの
『ドラゴンボール』
(DRAGON BALL)が始まる。
1995年の最終回まで
人気作品であり続けたが、
実は連載当初は人気が低迷した
こともあった。そこで、
『強くなりたい』という主人公
孫悟空の思いを元に路線を変更、
亀仙人、クリリンとの修行を
ベースにしたら
人気が回復していったという。

ご存知『天下一武道会』
そんな中で生まれた。
亀仙人、天津飯、マジュニアとの
バトルを通して、人気は爆発。
地球から宇宙に舞台は移り、
ベジータやフリーザまで出てくると
もはや作者ひとりの意向では
連載はやめられなくなった。
強さのインフレも、止まらない。

1995年の連載終了時には
関連企業の株価下落などの影響を
最大限考慮して根回しし、
ようやく連載終了できたという。
時は折りしも、不況。
そんな中でドル箱の
超人気漫画をやめるのも
死活問題だったのである。

…どこかバブルが崩壊したのに
今までの形態に固執する経営に
通じるところはないだろうか?

さらに、時代は下る。
2016~2020年。
吾峠呼世晴さんの
『鬼滅の刃』の連載である。

社会現象にまでなった
映画の大ヒットに加え、
今年2021年には
アニメ『遊郭編』も始まる。
しかしそれよりも特筆すべきは。

ここまでの超人気作品を
作者が望む切りのいいタイミングで
スパッと終わらせたことである。
調整はもちろんあっただろうが
作者個人の意思を、優先した。

…どこかこの『個の時代』
反映してはいないだろうか。
そう言えば主人公の炭治郎も
天下一は目指していない。
ただただ、妹を人間に戻し
平穏に暮らしたいだけだ。

以上、3つの作品を取り上げて
時代の変遷を考察した。
まとめると、こうだ。

◆勢いのまま天下一!
◆天下一→強さのインフレ!
◆天下一ではなく平穏を!

…ここに『ジョジョ』や
『スラムダンク』『ワンピース』
などまで論じ始めると
際限がないのでここでやめたい。

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