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『ブランディングとは、約束である』。
本記事では、とある一つの
ブランディング論を紹介していきます。

トゥモローゲート株式会社の社長、
西崎康平さんが書かれたブログ記事の
ブランディング論です
(下記にリンクを貼りますのでぜひ)↓

西崎さんは、ご自身の会社での経営の流れ、
ブランディングに関する試行錯誤の推移を
踏まえて、ブログ記事を書かれています。

この推移が、とても興味深い。

なぜならブランディングを試みる
多くの企業が、このような試行錯誤の途中、
もしかしたら気付かずに沼にハマっている、
そういう状態だ、と思われるから。

西崎さんも、当初は、
ブランディングを誤解していたとのこと。
ブログ記事本文から、一部、引用していきます。

(ここから引用)

『採用ブランディング事業を
展開していた当時(2014年~2017年)は、
とにかく目立つもの、
カッコいいものをつくることが
ブランディングだと思っていました


オフィスをカッコよく、
営業資料をカッコよく、
ホームページをカッコよく、
それだけで当時社員3名の会社にも関わらず
7000名の学生がエントリーしてくれました。』

(引用終わり)

7000人のエントリー。凄い!
…だけれども、じきに西崎さんは、
この状況が誤りだ、と気付きます。

(ここから引用)

『社員数が10名を超えて迎えた2018年。
これまで大きな問題もなく
経営を続けてきたつもりでしたが、
このあたりからなんとも言えない
微妙な違和感が生まれます。

これまでと同じことを言っている
つもりなのに伝わらない。
「面白いことやろうぜ」って言葉が
社員の面白いとフィットしない。
いま振り返れば社長が感じている以上の
違和感を社員たちは感じていたはずです。

違和感の理由はシンプルでした。
コミュニケーションが減った。
これがすべてです。

それまではすべてのお客さまに
社長である僕も顔をだし、
すべてのプロジェクトを社員と進め、
後ろを振り返れば全員の顔が見える
環境だったので、
「言わんでもわかるやろ」が通じていました。
一人また一人と社員が増えていくなかで
お客さまを任せるようになり、
プロジェクトもメンバーだけで進めることが増え
物理的なコミュニケーションが減った結果、
この「言わんでもわかるやろ」が
通じなくなっていった
のです。』

(引用終わり)

組織が拡大していき、
取り引きが増えていくにつれて、
「言わんでもわかるやろ」が通じなくなる…。
拡大していく組織には、あるあるですよね。
どこまで権限移譲すべきか?
どこまで企業としての考えを共有できるか?
企業としての理念や思想が揺らいでいるのでは?

とても難しい事態に、直面したのです。

そこで、西崎さんの採った方法とは何か?

…読者の皆さんも、ちょっと考えてから
続きをお読みください。





では、引用してみましょう。

(ここから引用)

『「このままではマズい。」
そう感じた僕は役員を集め、
会社を変えるべく本物のブランディングとは
何かを突き詰めていくことになる
わけです。』

(引用終わり)

本物のブランディングとは?
これを、役員で考えて突き詰めて、
認識の共有を図った。
ブログでは当時の西崎さんがTwitterで
つぶやいた内容が引用されています。

(ここから引用)

『小洒落たオフィスを作りましょう
カッコいいパンフに変えましょう
イケてるホームページにしましょう

これをブランディングと言ってる限り
絶対にブランドなんか作れない。

ブランドとは顧客の期待に
破られることのない「約束」
だと
何度も言うてるやろ。』

(引用終わり)

そういう考えに、たどり着きます。
ブランド=約束。
決して「見た目」だけでは、ない。
見た目は手段であり、目的ではない。

記事では、もう少し、詳しく書かれています。

(ここから引用)

『ターゲットに対して
その会社が絶対に裏切らない約束、
つまり信頼や絆こそがブランドであると考えます。

つまり目に見えるデザインはブランドではなく、
そのデザインの根本にある思想や哲学こそが
ブランドである
と認識しています。』

(引用終わり)

…こうして、ブランドでは何かを
考えて突き詰めて社内に共有し、
世の中に日々シェアして、
改めてブランディングサービスを
全社を挙げて売り出していった結果。

トゥモローゲートは、
大きく伸びていきました。

(ここから引用)

『これまではプッシュ型の
営業スタイルがメインでしたが、
自分たちらしさを発信し続けることで
より多くの人にトゥモローゲートを
認知してもらい、新規受注の85%が
接触前に知っていただき指名注文で
仕事をいただけるようになりました。


採用面でも求人広告媒体や
人材紹介会社からの採用ウェイトは下がり、
SNSを経由した直接応募が
主体となっています。

リンクアンドモチベーション社が実施する
モチベーションクラウドのスコアも
80.6と大きく上昇しました。』

(引用終わり)

自社が何を目指す会社なのか?
商品であるブランディングとは何か?


それを突き詰め、社員で共有し、
公開していった結果、
SNS経由での直接応募が増えていった。

実際の西崎さんのブログ記事では、
具体的にどのようなブランディングを
していったのか、していくのか、
実に詳細に書いてあります。
また、発展形として『採用ブランディングについて
企業様からよくいただく質問|成功事例アリ』

というブログ記事もありました↓

では最後に、まとめていきましょう。

企業のブランディングについて、
西崎さんのブログ記事より
いくつか引用して紹介しました。

◆「価値を見出すこと」
◆「だが価値の一部、尖りを綺麗に見せること、
それ自体が目的ではないこと」
◆「思想や哲学をしっかり煮詰めて
関係者と共有すること」
◆「日々、情報を公開してシェアすること」
◆「マッチングした顧客と取引すること」

…この姿勢は、企業だけでなく
「個人」でも大事なのではないでしょうか?

個人のブランディングにおいても、
「外見」と「中身」が乖離していた場合、
顧客は、がっかりしますよね。

『なんだ、見かけだけか』。
『言っていることと、違うじゃん』。
そう思われるのは、ビジネス上、良くない。

ただ、このような情報爆発の時代、
「見かけがしっかりしていないと、
誰も振り向いてくれない…」のも
また事実です。

大事なのは「外見」と「中身」の一致。
「見た目のデザイン」と
「哲学・思想」の一致。
まさに顧客との「約束」…。

両方、必要なんです。

中身を実体化した「外見」も。
外見から入った場合の真の「中身」も。

さて、読者の皆様は、いかがでしょうか?
また皆様の組織では、いかがでしょうか?

見かけだけ、デザインを整えるだけことが、
ブランディングだと思っていませんか?
逆に、思想・哲学、その中身を整えさえすれば、
みんな魅力にいつか気づいてくれる、
見せ方、デザイン、発信などは必要ない、と
思っていないでしょうか?


両方、必要なのです。

「ミスマッチ」を防ぐ。
そういう施策が必要かな、と思います。
その策の一つが、ブランディングなのです。

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