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ある業界が日本でいつ生まれて、
いつ盛り上がってきたのかを知ることは、
とても大事だと思います。

人に歴史あり、会社にも歴史あり。
ならば『業界にも歴史あり』
と考えるのが、妥当だからです。
凸凹的な個性があるもの。

本記事では、そのような
業界のカラーを、歴史的に考えてみます。
戦後から現在に至るまで、
時期区分を3つくらいに分けてみましょうか。

①「戦後間もなく」前後
②「高度経済成長~バブル経済」前後
③「バブル崩壊後」以後

①に盛り上がった業界は、老舗。
②に盛り上がった業界は、昭和的。
③に盛り上がった業界は、今風。
あくまで、傾向として、ですが。

各時期で、代表的な業界を挙げてみましょう。

①重厚長大産業(インフラ、鉄鋼、造船、化学など)
②軽薄短小産業(車、家電、半導体、製薬など)
③IT系(ネット、スマホ、アプリ、情報処理など)

ちなみに公官庁は、①です。
明治維新、近代国家形成から続く
歴史ある老舗中の老舗です。

キャリア相談やコンサル系、
SNS関連のサービスは、③ですね。
まだまだこれから、の業界。

…さて、あなたが属する業界はどうでしょう?
どんな業界に関わることが多いでしょうか?

もちろん会社によっても違いますし、
①②の間、②③のハイブリッド、
なんて業界も多いものです。
本記事は厳密に分類するのが目的ではありません。
それぞれの業界を覆う、
全体的な傾向、カルチャーを見たいのです。

以下は、その例。

《①の老舗の業界》

現在まで業界が残っていること、
会社が残っていることが、まず凄いですよね。
創業者の時代を超えて、
次世代にバトンを渡せるだけでも凄い。

ゆえに、現在にまで
生き残っているということは、
何らかの「スクラップアンドビルド」の
経験があるように思います。

不祥事が起きて、再発を防ぐために
ルールが積み重なっているとか、
利害調整のための業界団体が
設立されているとか。

理屈でない何か、そんな独特なカラー、
そこから生じた「暗黙の了解・しきたり」。
そういうものが残っていることが多い
業界なのではないでしょうか?

《②の昭和的な業界》

まさに今が過渡期の業界です。

平成時代には、業界全体を揺るがす
いくつかのビジネス的な転機がありました。
バブル崩壊、IT革命、震災、リーマンショック。
アナログからデジタルへ…。

そこを「変化しないままで」やり過ごし、
高度経済成長期的な枠組みでもって
我慢してここまでやってきた
会社も、まだ多くあるように思います。

しかしさすがにそのカルチャーのままで、
令和までも乗り越えるのはキツいもの。
変わるか、やめるか?
悩んでいる会社も多い、そんな業界です。

《③の今風の業界》

長くてもまだまだ20年以内程度、
創業者が現役の会社も多い業界でしょう。
勃興期、試行錯誤期、思春期。
まだ共通のルールすら固まっていない
ジグソーパズル状態の業界。
「これまでの常識」から考えると、
何をやっているのかよくわからない人も
たくさんいるような業界だと思います。

拡大も縮小も、胸先三寸ひとつです。
こんな業界では、①②ではできないような
フットワークと柔軟性を発揮して
足元を固められるかどうかが、大事。

業界全体の方向性として、
いいベクトルへと向かうかどうか?
業界そのものが盛り上がるか沈むか?
まだわからない、未知数な業界です。

以上、次期別に、三つの業界を
概観してみました。

個人が、業界に関わる時、すなわち、
ある業界に飛び込む、就職・転職する時。
ある業界への売り込みを図っていく時。

そのような時には、上記の違いを踏まえてから、
さまざまな業界の情報に触れたほうが
選択肢が広がり、ストレスを回避できます。

なぜならば、フットワークが軽い柔軟な人、
軽やかに組み替えるジグソー的な人が
①②の業界に関わったり、

フットワークが慎重で伝統を重んじる人、
ピラミッド的な積み重ねを大事にする人が
③の業界に関わったりすると、

それこそストレスフル、ミスマッチの
原因になるでしょうから…。


会社や部署、上司によっても違いますが、
仕入先、取引先も含めた
『業界の空気、不文律』という
全体的なカラーは、どんな業界にもあるもの。

そのあたりまで含めて考えて、
自分はどのような業界向きなのかを見極めて、

だけど個人的には何がやりたいのかも考えて
業界を調べたほうがいい、と思うのです。

ちなみに私が経験してきた業界はどうか?
②の昭和的な業界が多かったように思います
(地方では③の業界・会社は
あまりなかった、というのもありますが)。

教育産業・塾などは、
②の時期に盛り上がってきましたが、
いままさに、過渡期を迎えています。
倒産も多い一方、DXを踏まえた
新しい形での創業も多い業界です。

広告・出版印刷・自動車業界なども同じ。
②の時期に盛り上がってはきましたが、
ペーパーレスや車離れの影響で
「変われないものは淘汰される」業界。

なお、①老舗の公官庁相手に仕事を
することもあった(ある)のですが、
民間では考えられないような
「暗黙の了解」「独特なしきたり」が
多くて、ちょっと驚くことも多いです。

さて、読者の皆様の
属する業界では、どうでしょうか?
また、取引先には
どんな業界の会社が多いですか?


過去に盛り上がって発展してきた業界ですか?
…これから発展しそうな業界でしょうか?

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