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明治時代。
近代化を図った新政府は、
欧米の技術や学問を
積極的に取り入れた。
そのため「海外留学」した者は
箔がつき、ちやほやされたという。
最新の技術、学問、思想を
持つ「新時代の人」として。

その一方で、日本独特の思考と
欧米の思考とのギャップに
さいなまれた人も、いた。
代表は、文豪として名高い
夏目漱石(夏目金之助)である。
彼は英国に留学した。
帰国後には英文学の教師にもなった。
まさに、新時代の人だった。

しかし彼は日本の現状を
「皮相上滑りの開化」つまり
表面だけ欧米のまねっこをした
不十分な近代化だ、と表現した。
欧米に触れれば触れるほど、
日本との違いは、あらわになる。

彼は、精神に異常をきたした。
胃にダメージを蓄積させた。
リアルに血を吐くほどに。
その苦しみの中から、
彼は「創作」に光を見出した。
数々の名作を生み出した。

さて、ひるがえって
現代、令和の日本はどうだろう?

夏目漱石の時代から
変わっているでしょうか?
皮相上滑りのIT革命、
DXになっていませんか?
読者の皆様の会社(組織)は、
いかがでしょうか?

技術は格段に進歩して、
生活は驚くほど便利になった。
だが思考の枠組みは
そうそうは変わらない。
変わらない人が、組織が、
地域が、多すぎる。

しかし私たちは
漱石のように血は吐かない。
かわりにSNSで
愚痴として吐き出す人が、多い。

もし漱石が現代にいたら?
アイコンを猫にして
「吾輩は猫である」なんて
つぶやき始めたかもしれない。

しかし彼は、いたずらに相手を
攻撃するようなツイートは
しなかったに違いない。
そのユーモアと、皮肉のスパイスで
読む人の心を奪っただろう。
そう、漱石にとって、創作は薬だ。
欧米と日本とのギャップの苦悩を
昇華させる精神薬でもあったのだ!

SNS無き明治時代の漱石は、
ツイートの代わりに
小説として世にあらわし、
あまたのリアルフォロワーを
獲得していった。
人呼んで「漱石山脈」である。
その中には、かの文豪、
芥川龍之介もいた。

さて、あなたはどうだろう?
SNSを使っている方の中には、
日々、苦悩を感じる人も多かろう。
なんちゃってDXのやるせなさ、
周囲との軋轢、などなど。

そんな方は、その想いを
もちろん真面目な文章や
愚痴として吐き出しても良いのだが。
時には「創作」風味の文章を
書いてみてはどうだろう?

その薬効は、
漱石の例を見ると明らかだ。
彼は、創作に救われた。
もしその道を歩まなかったら、
彼は気難しい英語教師として
より短い一生を終えたであろう。

漱石には数千億歩も及ばないが、
このいなおも、保証する。
創作の、薬効を。

…なぜかって?
私も長編小説を創作し、
投稿しているからである。
けっこう、楽しい。
もしご興味のある奇特な方は、
ぜひどうぞ↓

最後は宣伝風味になりましたが、
本当に創作には薬効があります。
どうぞ、お試しください。

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