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【イジンデン】イジン紹介 ヴラド=ツェペシュ

ダイソーで新しいカードゲームが発売されました。
その名も「イジンデン」。その名前の通り、歴史上の偉人を戦わせるトレーディングカードゲームです。
歴史好きとしては買わねばと思い、スターターデッキ2つと拡張パック5つを購入しました。
今回は、「伝説の武将デッキ」に入っていた世界史上の人物を紹介します。

現在のルーマニアにかつて存在したワラキア公国の公爵、つまり君主です。

黄色に塗られた部分がワラキア地方の範囲

15世紀に生きた人です。
吸血鬼ドラキュラのモデルとして有名な人物です。
「ツェペシュ」とは彼の二つ名「串刺し公」という意味であり、彼の本名ではありません。歴史上の人物して紹介する際はヴラド3世と呼ぶべきでしょう。ただ、このカードゲームは歴史上の有名人を集めたゲームなので、ヴラド3世の有名な側面としてヴラド=ツェペシュを採用したのかもしれませんね。この記事ではヴラド3世の呼び名を使いたいと思います。

さて、なぜ彼は「串刺し公」などというおどろおどろしい名前なのでしょう?それは、ワラキア公国VSオスマン帝国の戦いにあります。
15世紀、アナトリア半島(現トルコ)を中心としてオスマン帝国が勢力を拡大していました。
ヴラド3世がワラキア公国を治めていた時代、オスマン帝国を治めていた皇帝(スルタン)はメフメト2世

メフメト2世

めちゃくちゃ強いです。どれくらい強いかというと、難攻不落と言われたビザンツ帝国(ローマ帝国の後継にあたる国)の首都コンスタンティノープルを占領したくらい強いです。やばい。
そんな時代のオスマン帝国と互角の戦いをした君主がヴラド3世です。
その中でも有名なエピソードがトゥルゴヴィシュテの夜襲。この夜襲で、オスマン帝国軍やブルガリア人(14世紀末~19世紀、ブルガリアはオスマン帝国の支配下にあります)を捕虜にし、串刺し刑ににしました。

このように、身分に関係なく敵を容赦なく串刺し刑にする様が恐れられ、「串刺し公」と呼ばれるようになったそうです。

はじめにこう呼んだのはトルコ人のオスマン帝国兵です。彼はトルコ語で「カズィクル=ベイ」と呼びました。日本語に訳するとそのまま「串刺し公」です。fateシリーズのヴラド3世の宝具名にもなっています。
「カズィクル」はそのまま「串刺し」という意味です。
「ベイ」はトルコ語で「主人」を意味する言葉です。オスマン帝国の初代君主オスマン=ベイの「ベイ」と同じです。

「串刺し公」と呼ばれてはいますが、祖国ルーマニアでは英雄です。当時民族が入り乱れたこの地で中央集権化を進め、オスマン帝国などの外敵を排除した功績は祖国民から畏敬の念を集めるのでしょう。

余談
現イギリス国王のチャールズ3世。皇太子時代に、彼自身がヴラド3世と血のつながりがあると発言したそうです。ほんとー??

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