2023/12/3のディズニーランドレポート
ディズニーランドに行ってきました。
今回の自分の中の目標は、「世界史&地理(&あればラテン語)の要素を探そう!」でした。世界史&地理を勉強した後だと、ディズニーを見る目線も変わって新鮮でした。
……が、そんな概念を逐一同伴している友人に話しているとオタク過ぎるので、ここで吐き出します。
ワールドバザール
ディズニーランドに入るとき、出るときに必ず通る場所です。
今はクリスマスムード&40周年アニバーサリーで賑やかな雰囲気でした。
海外のディズニーパークにおけるワールドバザールの場所に当たるエリアには、屋根がないそうです。では、なぜ東京ディズニーランド(以下、TDL)にだけ屋根があるのか?
それは、東京が温暖湿潤気候だからです。雨の中でも通過できるよう、屋根があるのです。
世界で初めて開園したディズニーランドはカリフォルニアですが、こちらは地中海性気候なので同じく雨は降ります。しかし、東京とは異なり台風や雪などの災害に見舞われることは少ないです。
よって、ワールドバザールを通りながら「東京は温暖湿潤気候だなあ、だから雨がたくさん降って、それで日本は米を育てられて……」などと考えることができます。地理ですね。
世界史や地理とは関係なく、TDLに紛れ込む外の世界のものを見つけるのも好きです。
アドベンチャーランド
ビッグサンダー・マウンテンを目指しながら、アドベンチャーランドを通過しました。
途中でこんなものを見つけました。
「POCAHONTAS REMEDIES GOOD FOR MAN OR BEAST」と書かれています。
「POCAHONTAS」と言えば、実際に存在したネイティブアメリカンの女性ポカホンタス、そしてそれを基にしたディズニー映画「ポカホンタス」が浮かびます。
それ以下の文章は、そのまま訳すと「救済 人間にも獣にも良い」。調べてみると、どうやら薬の宣伝のようです。
ディズニープリンセス「ポカホンタス」とは関係ないのでしょうか……?
しかし、人間にも獣にも効く薬とは何なのでしょう……?このように、TDL内にはじっくり読んでみると面白い看板や表示などがたくさんあります。
写真は撮れなかったのですが、途中で「New Orleans(ニューオリンズ)」という文字を見かけました。
ラテン語に浸っている私は、「ニューオルレアン」と読んでしまい、「どこだっけそれ……?」と思っていました。オルレアンと言えば、ジャンヌ=
ダルクが活躍した戦場があった場所です。
しかし、そこが「ニューオリンズ」と読むことに気付き、「オリンズ=オルレアン」であるということに気付きました!!アメリカの地名は、移民たちの元の出身地の名前から取っているものも多いです(例:ニューヨークはイギリスの「ヨーク」から)。
個人的に、かつて開拓民が集まった北海道に他県の名前が地名として使われている現象と似ているなあ、と思っています(例:北広島)。
ウエスタンランド
西部開拓時代をモチーフにしたエリアです。世界史ですね~。
西部開拓時代とは、1848年にカリフォルニアで金鉱が見つかったことにより始まったゴールドラッシュをきっかけに、アメリカ西部を開拓していった時代のことです。
これを「金ぴか時代」と例えた人物が小説家のマーク=トウェインです。彼はウォルトが幼少期に親しんだ小説家であり、TDLにある蒸気船の名前にもなっています。
西部開拓時代は、西部劇などのイメージが一般的には強いのでしょうか……?私は逆張り世界史オタクなので、こんなことを考えていました。
・この繁栄の裏でアイルランド人と中国人が酷使されたんだよなあ……
・上記の人たちによって大陸横断鉄道ができたんだよなあ、その時に歌われた曲が「線路は続くよどこまでも」……。
・アメリカが西へと開拓していく過程で殺されたり強制移住されたりしたのがインディアンなんだよなあ……。
キラキラしたイメージのTDLの裏側をどうしても見たくなります。逆張りオタクなので。
ビッグサンダー・マウンテンに着きました。並んでいる時に、サボテンがたくさん生えていることに気付きました。こうした植生からもTDLの地理的な雰囲気作りを垣間見ることができるのですが、植生はまだまだ勉強中です。植物の名前が全く分からん。
ビッグサンダー・マウンテンの象徴的な突き出た部分は、地理的用語では「ビュート」と言います。ざっくり言うと、浸食により生まれた孤立した岩山のことです。
日本にも一応ありますが、やはりアメリカのものが有名です。
余談ですが、ビッグサンダー・マウンテンは何度も乗っているので、普段とは別の楽しみ方をしてみようと思いました。
それが、「外の世界が見える場所があるのか?」チャレンジ!
結果:見えました!
中盤くらいに、ビル群が遠くに見えました。方向的に、東京だと思います。
ビッグサンダー・マウンテンに来ると、必ずこのあたりの建物の年号を確認してしまいます。「ハングリーベア・レストラン」は、1878年に建てられたようです。世界的には、露土戦争の講和条約、大久保利通の暗殺、パリ万博などが起きていました。
トゥモローランド
ここは世界史要素も地理要素もないのでおとなしく普通のオタクをしていました。
『DUNE 砂の惑星』を読んだ後だったので、「DUNEがどこかに影響を与えているのかなあ」などと考えていました。
昼食は「パン・ギャラクティック・ピザ・ポート」で食べました。
なぜイタリアン……?という疑問は置いておきます。
カルツォーネを頼みました。カルツォーネ(calzone)とは、イタリア語で「ストッキング」「ズボン」などの意味があるそうです。
アメリカ式のカルツォーネは、サラミやハムなど様々な具をつめるそうです。このお店のカルツォーネも具がたくさん入っていたので、アメリカ式なのかもしれません。
ここからは推測ですが、カルツォーネはピザと同様、イタリア系移民によってアメリカに広まったのではないでしょうか。19世紀中盤頃から出稼ぎのために南・東欧系の移民がアメリカへたくさんやって来ました。これにより、彼らの文化もまたアメリカへ流入しました。カルツォーネももしかしたら、その中の一つなのかもしれません。
美女と野獣エリア
ひとまず美女と野獣エリアを見学しました。アトラクションは激混みだったので断念しました……。
このエリアの好きなところは、フランス語がたくさんあるところです!!『美女と野獣』の原作がフランスなので当たり前といえば当たり前なのですが、フランス語をこれだけ多く目にする機会はなかなかないので、楽しかったです。
TDL予習として、『美女と野獣』原作を読みました。想像以上にディズニー版とかなり違いがありました。ざっくり紹介すると、
・ガストンはいない
・家臣たちもいない
・野獣が悲しみのあまり飛び降りようとするシーンがある
など……
そして気付いたことが一つあります。それは、原題についてです。『美女と野獣』の原題は、『La Belle et la Bête』です。ディズニー版ヒロインの「ベル」はここから来ています。
ここからは推測なのですが、『La Belle et la Bête』は言葉遊びなのではないのでしょうか?「Belle」も「Bête」も、Bから始まりeで終わる言葉で、語感も似ています。
これは原題を見ないと気付かなかったです。まあ、推測ですが……。
トゥーンタウン
トゥーンたち(アニメの登場人物たち)が住む町です。
入り口の看板からは、講談社の圧倒的パワーを感じます。
かつて、アトラクションとして走っていた路面電車の跡です。車輪の幅はかなり狭いですね。
鉄オタの友人から「ナローゲージ」について教わったので、つい意識してしまいます(知りたい人は調べてください……)。
ディズニー・クリスマス・ストーリーズ
特に逆張りオタクに要素もなく、平和に純粋にショーを楽しみました。
パレードの度にいつも思うのですが、振り難しくないですか??ゆっくり指導してくれた後、音楽に合わせると想像以上にテンポが速くて毎回ビビります。
ファンタジーランド
リニューアル後の「イッツ・ア・スモール・ワールド」が大好きです。ディズニーキャラクターたちが、舞台となっている各国・地域にいるのです。考察がはかどります。
ここは語りたいことがたくさんあるので、別の記事にします。
とりあえず、「イッツ・ア・スモール・ワールド」強火オタクであることを実感しました。前回来たときに、2022年の世界情勢と「イッツ・ア・スモール・ワールド」を勝手に比較して勝手に怒りを覚えて勝手に泣いた……という話をしたら友人たちに若干引かれました。俺もそう思う。
とりあえず、「なんでドナルドが出てくるの?」という話だけ。↓の記事を読んでください。
次に、「ホーンテッドマンション」へ行きました。出口の墓にラテン語要素があるらしいのですが、暗くて見えませんでした……。
アトラクション自体は、一緒に乗った友人が「ホーンテッドマンション」初見だったので、リアクションが新鮮で楽しかったです。
外に出たら、ちょうどパレードをやっていました。
「『三人の騎士』いるやんけ!!」と一人で興奮していました(理由は前述の記事)。
こちらはスポンサー企業。USBやらかし事件をやった企業として有名になってしまいました……。
アドベンチャーランド(2回目)
「ジャングルクルーズ : ワイルドライフ・エクスペディション」に乗りました(写真なし)。
これって、アフリカから急にアジアに行くんですね。たしかに、どちらにもジャングル(熱帯雨林)はありますが、急に移動していたのでびっくりしました。
遺跡はアンコール=トムなどの東南アジアの遺跡がモデルでしょう。
遺跡の後半部分に、壊れた仏像?がたくさん置いてありました。あれはいいのか??
見た目はガンダーラ様式よりもグプタ様式に近いですね。これ、世界史のテストに出ますよ。
最後は「カリブの海賊」に乗りました。
「カリブの海賊」近くのエリアは、アメリカのフランス植民地をモチーフをモチーフにしています(クレオールというのだとか)。
実はカリブの海賊の周辺をしっかり見たことが無かったので、歴史を感じて感動しました!!
「カリブの海賊」のモデルとなったのは、現実のスペインの海賊たちです。よって、並んでいる途中で見られる地図にもスペイン語が書かれています。
スペイン語も読めるようになりたいなあ……。
最後に
以上、世界史オタクがディズニーをめぐった場合の脳内を紹介しました。
こんな視点でTDLを楽しむのも、また楽しいですよ。
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