見出し画像

お寿司のルーツを探る

一昨日も昨日もお寿司を食べた。回っていないお寿司。
月に何度も食べるほどお寿司が好き。それに費やされた僕の時間とお金はそれなりのものだろう。
それほどの存在であるのにお寿司としっかりと向き合ったことがないことに気付いた。寝ても覚めてもあの娘のことを考えるほど好きなのに、そういえば名前も住んでいる場所も知らない・・・!みたいな。

ちなみに僕はイカがいちばん好き。

なんで僕はお寿司が好きなんだろう・・・。


魚が入手困難な山に住む人たちが、魚肉類を長期保存するためにあみだした技が寿司の起源になっている。しかもそれは日本じゃなくて海外の話だそう。
日本では、奈良時代からその存在が確認されていて、魚を塩と飯で発酵させた“なれずし”がその起源だとか。もっと古くから存在していたんじゃないかっていう説もある。そんななれずしは、現在主流の江戸前寿司とはまったく違った形のものだった。なれずしは一般的に滋賀県の“ふなずし”を代表とし、十分な発酵をさせず、かつ食べるのは魚肉のみで飯は食さないものである。

ふなずしは、琵琶湖の固有種である“ニゴロブナ”を使用していて、その奥深い味は一度味わったら病みつきになるそう。僕はきちんとそういった知識を持って食したことはないので、今度買って食べてみようと思う。でもお高いんですって。
最近は環境の変化もあり、ニゴロブナの漁獲も減ってきているため、その生態系の保護にも注目されている。
そんな中、滋賀県のとある会社がニゴロブナの養殖に成功したー!という少し古めの記事をネットで発見。成功されたのはずいぶん前のことだけど、養殖の経験もなかった女性が、家業である農業を両親から継いだ上、ニゴロブナの養殖を試行錯誤の末に成功させ、起業までしてしまうというストーリー。

絶対ここのふなずしを食べたい!僕が好きなお寿司の話からずいぶんと離れてしまったけど、僕はここのふなずしを絶対食べる!

ということで、ちょうどAmazonでこの会社のふなずしが販売されていたため、少々買うのをためらう金額ではあったが、思い切って購入したわけである。


画像1

前から気になっていたオレンジの部分は卵だった。

保存されていたパックからふなずしを取り出し、手についた飯(いい)をおもむろに臭ってみた。思ってるよりクセが強い匂いかもしれない!かなり醗酵している気がする。ペロリと飯(いい)をなめ食べてみると、酸味の強いなんとも言いようのない味がした。

失敗したかもっ・・・!

だいたいクセが強い食べ物も好んで食べる僕でも、さすがに弱気になってきた。
そんな僕の周りをふなずし独特の匂いが包み込んでいた。
あぁ、これから食べるふなずし本体は、どれほどの絶望感を与えてくるのだろうか。

気分を盛り上げるためにも、普段から宅飲み時には愛聴している「太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選」の録画分の再生を開始し、お土産でいただいた美味そうな酒をお気に入りの酒器に注いで準備万端だ。

セルフ演出による多幸感に包まれながら、いざ食べてみると、拍子抜けするほどクセのないあっさりした上品な味わい。でもあとから来る「一年以上漬かってますよ!」感のある酸味がアクセントとなって良い塩梅。
単体で食べるのもいいけど、お茶漬けなんかの上に乗せて食べるとより味が引き立つかもしれない。
難点を一つ挙げるとすれば、皮が硬いので噛み切れず、一切れを少しずつ食べるといった貧乏くさい食べ方はできない。まああらかじめ包丁で切ればいいのだけれど。

そんな感じでふなずしを堪能したわけだけど、食べている最中は現代のお寿司とのつながりなど一切思い起こさせないほど、全くの別物だった。ふなずしからお寿司へ転換されていくポイントがどこだったのか、すごく知りたい気持ちでいっぱいだが、今はふなずしを食べた余韻で心が満たされているため、しばらく調べることはないだろう。

でも、日本人が大好きな魚と米を、いつでも美味しく食べられるようにしたいという思いから作られたふなずしとお寿司は、やっぱりつながっているんだと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?