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若いうちに海外クラブに行け!でも、クラブの大きさよりも「厳しい環境」を選んで行け!

海外クラブに移籍する最適なタイミングは?

海外クラブで活躍する日本人選手が増え、プロ入団前から「海外クラブ」を強く意識している選手が多くなったな、と感じる。
自分もJリーグを経てスペインのクラブに移籍した経験があるが、必ず日本で活躍して、海外クラブに行く道だけが正解ではない、ということを伝えられるのではないかと思っている。

例えば、浦和レッズの同僚・長澤和輝選手は、Jリーグを経ずにドイツ・ブンデスリーガ「1.FCケルン」に移籍したが「すごい決断をしたな…」と、とても尊敬している。

もちろん個々の選手の性格によるとは思うが、僕の思うところを言語化していきたい。

Jリーグクラブは世界的に見ても恵まれている

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当時スペインで所属していた「ヒムナスティック・タラゴナ」は、3部から昇格したばかりの2部チーム。特にお金を持っているクラブというわけではなく、最初に施設を見たときには、正直、日本の高校サッカーの方がいい施設を持っているな…と思った。選手も、ぎりぎりバイトをしなくていいぐらいの給料だ。
彼らはそれをネタにすることはあったが、文句も言わずに当たり前のようにその環境でプレーしていた。だが、めちゃくちゃレベルは高い

最初の半年間は、日本の環境とつい比較してしまう自分に気付き、恥じたことを覚えている。今まで、どれだけ恵まれてきたのか、を痛感した。

選手は何も考えなくても、チームに言われた通りに動けば何のストレスなくプレーできる。給料の心配をすることなく、試合時の移動・食事、アウェーのホテルの快適さ、クラブハウスの施設…。挙げたらきりがないほど、今まで当たり前だと思っていた環境が、海外では当たり前ではなかった
Jリーグの多くのクラブは、世界的に見ても恵まれている方に入るのではないだろうか。

メディアを通じてよく目にするヨーロッパのビッグクラブは、確かに世界最高峰の環境が整っている。だが、その環境は本当にごく一握りだ。
そこでプレーする選手の多くが、若い時に2部リーグや他国リーグで厳しい環境を経験している。

若い選手が何より得るべきもの

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日本では、多くの選手が「自分は恵まれた環境にいる」という自覚がないままプレーしていると思う。

厳しい環境でプレーした方がいい選手になれる、と言いたい訳ではない。
だが、厳しい環境を知るのと知らないのとでは、選手としての深みが全然違ってくるのではないかと思う。激しい競争やタフな環境をくぐり抜けてきた経験は、後に精神的な落ち着きや感謝の気持ちを与えてくれる。

それは、選手生活の中で必ずやってくる、乗り越えなければいけない壁や困難な状況にも必ず役に立つ。もっと言うと、人生にも必ず活きる経験になるだろう。

ベテラン選手がいつでも実力を発揮できるのは、様々な困難を乗り越えてきた成功体験が多いからだと思う。若い選手でも、厳しい環境に身を置くことで、選手としても、人としても多くの成功体験を味わえるはずだ。

技術的なことやサッカー観はもちろんだが、ブレないメンタルを作り上げるという意味で、若い選手には厳しいリーグへの挑戦をお勧めしたい。

鈴木大輔

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