「ZBrush on Linux」計画、卒業とします。
久々の「ZBrush on Linux」ネタ。前回の記事(↓)。
「ZBrush on Linux」に時間とエネルギー使うのはもう卒業します。
表題のとおりです。
クリエイティブ系制作環境のメインマシンをLinuxに移行してから4年近くなりました。その間、MacやWindowsで使っていたZbrushをLinuxで動かす試みにも取り組んできました。具体的な活動としては、
・WINEプロジェクトにも動作報告をフィードバック
・PixologicにLinux版リリース嘆願メールやSNSでのメッセージの送信
・Zbrush Centralで同志たちを見つけてスレッドを立てて動作報告や情報のやりとり
などなど。
まぁ、ZBrushでデジタルスカルプトの世界に入り、ZBrushの熱狂的ファンとして、私なりに普及活動と、ZBrushのポテンシャルはLinuxでもさらに引き出せる(Wineを介してでもMacやWindowsと遜色なく快適に動くのだから、ネイティブ版が出れば最も速いパフォーマンスのZBrush環境が構築出来る)という信念でやっていました。
ですが、「ZBrush on Linux」プロジェクトはもう卒業します。
具体的な理由としては、
MAXONへの買収により、ZBrushのライセンスが大きく変わったこと
WineのバージョンアップとZBrushの細かいバージョンアップとの相性調整についていく気力が無くなった
Protonの普及・進化(ZBrushはProtonではライセンス認証が通らず動かない)
私自身が27インチ4Kのデュアルモニター環境に移行したため、Linux環境を4K解像度で使いたい気持ちに変わった。
などなどです。特に一番大きいのは「4」ですかね。
ZBrushはWineでのスケーリングが出来ない
ZBrushは、最新版に至っても、アプリ自体が低解像度のままです。Windowsではあまり気が付きませんが、MacやLinuxで4Kモニターでスケーリングして使うとフォントや描画ビューがジャギーで解像度が低いのがわかります。
Linux上のWineではスケーリング機能もあるのですがこれがZBrushは上手く適用されず、27インチ4Kモニターの「3840x2160」だとこんな感じになります(↓)。
なのでこれまでZBrushのために4Kモニターの解像度を「2560x1440」に落として設定して使っていました。
ただ、これだとせっかくの4Kなのに、他のアプリでは最高解像度での美しいフォント描画が出来ないのですよね。ZBrushのときだけ解像度を変えるのも非常にめんどくさい。
Blenderなどはこの辺対応しているので4K+スケーリングを使うと非常に美しいフォントレンダリングになります(↓)。
フォントの解像度が高く美しい(↓)。
以前から度々書いている「ZBrushは仕様が古いままテコ入れされていない」というのはこういう部分にも現れてます。
ZBrushは今後はMacのみで使うことにする
ライセンスがZBrush 2023.0.8でまだ動いているので、ZBrushはMacのみで使うことにします。ZBrushはCPU依存仕様のためRAMさえ積んであればMac mini 2018のCore i7+32GB RAMでも十分動くので、まぁ特に問題はないです。ただ、ZBrush 2024への移行は今のところ考えていません。まぁ理由としては、単純に、永久ライセンス買ったはずなのに、今更サブスクに移行するのが嫌だからですかね。
来年2024にはZBrush on iPadが出てくるという噂があります。ニュースを知った時は「おおっ」と思いましたが、今の所それほど期待していません。出来が良くて買い切りなら購入も考えてますが・・・MAXONですから、おそらくサブスクでしょうし、Nomad Sculptより高機能で同等のレンダリング機能も搭載ないと高い金出して買う価値はないでしょう。レンダリングやライティングなどの機能は現時点でもNomadに負けてますから、過度な期待は出来ません。ZBrush miniくらいのものかな?と予想してます。
まとめ
数年に渡った私の「ZBrush on Linux」計画ですが、これにて一旦終了、とします。
私自身がフィギュア造形と3Dプリントがデジタルモデリングのメインの目的であったので、ハイポリモデリングに最適化されたZBrushがこれまでずっと「業界標準の最適解」でした。ですが、Blenderでもハイポリモデリングの性能が同等になってきて(マシンの性能に依存はしますが)、さらにそれ以上の事(ZModelerでは出来ない高機能なポリゴンモデリングなど)が出来るようになったのでZBrushに縛られる理由が無くなった、というのも大きいです。
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