見出し画像

真のナイチンゲール

看護の母=フローレンス・ナイチンゲール

生涯を看護に捧げ、患者様のためにその身を焦がし、自己犠牲をも厭わない白衣の天使

そんな間違った精神を説いたナイチンゲールなんていない。

歴史と障壁たち

そもそも、ナイチンゲールが臨床に出たのは3年のみで後は研究・データの処理・執筆に勤しんだ。
「自己犠牲やボランティア精神は長く続かない」
と超現実主義者である。

1854年クリミア戦争に参加したイギリスはロシアと泥沼化。負傷した兵士が次々と亡くなっている現状を軍務大臣から聞き、40名の従軍看護師団を結成。
要請を受けた陸軍が運営する病院へ赴く。

しかし病院に勤める軍医のトップとしては、いきなりやってきた女性40人を良く思わなく業務妨害。そしてバタバタと死にゆく兵士たちがいるにも関わらず、本国に「異常はない」と報告書を送る軍医。

さらに衛生状態は最悪で、患者は排泄物にまみれ、鼠が患者の横を走り回っていた。

障壁に対してナイチンゲールはどう動いたか


→問題解決の手段として、人脈をフル活用
邪魔する軍医の対策は軍務大臣に直接手紙を書き、ヴィクトリア女王から直接軍医に、看護業務をさせるよう指示を依頼した。

→的確なトリアージと、掃除の徹底
不衛生な環境の対策は、掃除用具を本国から大量に送ってもらった後に、動ける軽傷者の患者に掃除を依頼した。これにより、40人しかいない従軍看護団の人手不足も解消し、トリアージの概念がない時代に動ける患者を見極める観察力の高さが伺える。

→定義付けと生活の質の改善
兵士の死の原因は「感染」「絶望」であると定義付け、ナイチンゲールに無許可で自殺することを禁止した。同時に質の高い料理を提供できるよう栄養室を作り、清潔なシーツを取り扱えるようリネン管理する部屋を作り、レクリエーション目的で本などを置いた部屋を作った。

→不安解消の取り組みと異常の早期発見
動けない患者の不安解消のために近くにベルを置いた「ナースコールの発明」。
また、夜中にランプを持って患者たちを巡回する有名なエピソードがある。現実主義者・合理的な問題解決能力の高いナイチンゲールの感覚として夜中に見回ることの重要性を理解していたと言われている。

→死亡率42%が2%へ減少。

現代に置き換えてみて

どの職場にも、実態を把握しようとしない上司・解決に取り組もうとしない職員がいる。

もしそれが、直属の上司であれば師長又は部長に相談する等の人脈をフル活用して、問題解決の糸口を掴む精神。

問題を把握して、使えるものは全て使い、システムがないのなら自ら作る精神こそが大事なのだとナイチンゲールは教えている。

つまるところ真のナイチンゲール精神とは

問題の把握、解決方法のために行動する機動力。
使えるものは使い、ないシステムは作る。
結果こそが、患者の利益を生む合理主義。

のことだ。

知れば知るほど、カッコよすぎて男の私からしても惚れるレベル。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?