浅漬けなら無限に食べられる

ケーキ食べ放題に行った時のことです。街のケーキ屋さんが定期的に行っている食べ放題なので、僅かな喫茶スペースで黙々とケーキを食べる、見た目的にも食べ放題な食べ放題。胃が若干弱めなので、食べ放題と呼ばれる物にはほとんど行ったことがなかったけれど、最近の疲れで偏食になり「ケーキなら無限に食べれそう」と思ったので行ってみました。

様々なケーキが小さめに切り分けられているのではなく、ワンホールがドーンと出てきて、口頭で要求するとお店の方がそれぞれを切り分けてくれます。「ワンホールがドーン」は見ているだけでも素敵な気分になれます。

生クリームたっぷりにいちごがのったショートケーキ、甘酸っぱいカシスのムース系のケーキ、ドーム型のモンブラン、ふわふわのシフォンケーキに、表面がパリパリのクレームブリュレのように焦がされたクリーミーなケーキ、抹茶と小豆の上品な甘さが際立つケーキに、シュークリーム、ティラミス、時々キッシュにピザ……。

美味しい、と思って食べていたケーキは、次第に、生クリーム系、甘酸っぱい系、スポンジ系、でしか味を感知しなくなり、最終的に、甘い、でしかなくなりました。全て美味しかったはずなのですが、食べ終わって何が一番美味しかったか?と問うてみますと、「美しいワンホールケーキの脇に山盛り盛られたキャベツの浅漬け」でした。

自分は本当にケーキが好きだったのだろうか?キャベツの浅漬けを食べにきたのではないのか?浅漬けなら無限に食べられる。浅漬けの食べ放題はないのか?浅漬けバンザーイ!浅漬けバンザーイ!脳が混乱するのでありました。

もうしばらくケーキは大丈夫そうだ。と、家でも浅漬けを食べていたのですが、一週間後には何事もなかったようにケーキを食べていました。人間とは変な生き物です。