【ひすみ短歌365日】182日目～212日目 【まとめ】
◇はじめに
こんにちは。
今年の1月より「1日1題2首以上」お題に沿った短歌を詠むことを習慣に、日々短歌を作っています。
７か月を達成したのでまとめました～。
色々なお題で詠んでいるのでよかったら見てみてください～！
↓↓耳でも楽しめる短歌としてYouTubeもしています♪↓↓
◇短歌
182日目【はさみ】2023.7.24
ブロックは壁というより鋏だろう思いも縁も断ち切られてく
期限切れのクレジットカード切る時の倫理に反すような緊張
183日目【糸】2023.7.25
切り離せ 運命なんて失恋を誤魔化す言葉だ 結びに行けよ
私がもし糸なら斜めに織りなして君に斜めの生き方を課す
184日目【雨】2023.7.26
天候と心の共通点探す没個性的雨を嫌った
紫陽花よあなたの餌が雫なら私と共に暮らしてください
185日目【知恵】2023.7.27
いつの日か恵となって降るだろう 知りたくなかった本当と嘘
幼子は泣くさ生きるだけで知恵の輪を解かされる日々の続いて
186日目【手紙】2023.7.28
途中まであなたに宛てた恋文が私の遺書にかわってしまう
書く時も読む時もただ一人だけ想える手紙が作り出す刻
187日目【扉】2023.7.29
開きさえすればどこかには繋がっている真っ暗な部屋も出口も
壁面にある常識を疑って空を切るドアノブを回す手
188日目【思い出】2023.7.30
落ちてゆく彩度も白と黒だけの短歌のなかで永遠になる
この瞳にカメラがあればと思えたならその一瞬は忘れやしない
189日目【轟く】2023.7.31
雷を食らったような轟音が鳴った私は恋に焼かれた
夕方は今日の最後の生命で、泣き声、鳴き声、街に轟く
190日目【花】2023.8.1
花の音が聞こえる夜もカーテンは開けない音を聞くだけの夏
名前のない花なんてないけど名前がないに等しい花だってある
191日目【悪魔】2023.8.2
カテゴリーに悪魔があれば人間は絶滅危惧種に登録される
悪魔的美味さに含まれる健康寿命の犠牲に成り立つ多幸
192日目【眼鏡】2023.8.3
ぼやけている不安と正しい現実の酷の狭間の天秤にいる
「コンタクトにすればいいのに」可愛いの基準に眼鏡は入りませんか？
君の映す世界が本当と違っても抗いはしない受け入れるだけ
193日目【生】2023.8.4
生にある本来ならばと言いだけな生意気さを買う生おろしわさび
前向きに生きれる人を真似てみても呼吸の仕方が備わっていない
194日目【夏】2023.8.5
夏休みの時間の溶ける感覚が夢を断たれた今と似ている
酷暑では済まぬ日差しに燃え移る業火のアスファルトのぬかるみ
195日目【図書館】2023.8.6
思い出にしておきたくて二回目を控える本が輝いている
我という人が背表紙だけで済む書籍の盾に守られており
迷宮に自ら迷う人生の迷路を抜けるヒント探して
196日目【針】2023.8.7
人生を時計回りに歩む人と十二の針ですれ違うでしょう
布に道を刻むミシンを操るは私で私も標す人あり
197日目【へび】2023.8.8
網戸越しに腹を見せたるカナヘビの小さき足で登りゆく様
ヘビ年のせいにしますしがらみを抱える性分だと思います
198日目【蛍】2023.8.9
朧気に緑の雪が水面の在処を示すように降り散る
重要な取捨選択ができなくて蛍光ペンを上手く引けない
199日目【炎】2023.8.10
線香の小さき火でも燃えていれば炎になれる素質は残る
煙のごとく登る陽炎は曖昧な記憶の鍵でかざす手のひら
200日目【神様】2023.8.11
神様が不幸を願っていたとして我には見えぬ故に幸福
都合よく神の祟りにして神の救いと言えり人間の業
201日目【小学生】2023.8.12
ランドセルが見えると気になる私はもう大人になったと思う夕暮れ
希望しか持たない君が渡りゆく横断歩道が輝いている
202日目【アレルギー】2023.8.13
アレルギー反応のごとデカくなる主語と言葉の流れるネット
これ以上君を求めてしまったら...もう食べられないアボカドになる
203日目【楽しみ】2023.8.14
楽しみにすることによる悲しさを知ってる私は口に出せない
公園に行く程度でもはしゃぐ子の背中は遠く眩しい光
204日目【ゲーム】2023.8.15
マナーとかモラルとかいうローカルなルールの上の人生ゲーム
四択の私の技を考える生きる続ける寝る歌を詠む
205日目【自由題！】2023.8.16
（くじ引きにいれていた「頑張ってて偉い！」を引いたので自由題にしました）
最後には自分だけしか残らない鼓舞しろ自分は頑張れるって
私は日々を短歌に連ねつつ生きた証拠を積み重ねてく
206日目【病院】2023.8.17
待合室の病気啓発ポスターに至る所が気になってくる
実感する我は何かが悪いのだと殺風景の景色に浮いて
子の頃にもらえたシールのボックスをチラチラと見るまじまじと見る
207日目【ライン】2023.8.18
君のライン 棒高跳びの要領で大きく超えてやれば愛情
僕のLINE通知は溜まる公式の使ったことないクーポンの山
アイライン 跳ねあげていけ もう誰にも舐められぬよう虎の目になる
208日目【制服】2023.8.19
制服の列は乱れることもなく坂を下ってはたらき蟻だ
歩くたび紺のスカート揺らめいて確かな白き膝際立たす
209日目【育児】2023.8.20
親をわけに死にたくさせなかったなら育児は成功したのでないか
見返りはないものであり責任と愛を備えた人の強さよ
210日目【秘密】2023.8.21
秘密裏にしていた想いを解き放つ 川の流れに任せるように
どこからが秘密だろうか 一度でも噤んだものなら僕は真っ黒
211日目【宝石】2023.8.22
宝石とは程遠いね 君の目は濁った星に似て愛おしい
美しいだけの価値なら水切りの平たい石になって沈もう
212日目【ニット】2023.8.23
包まれたい愛されたいの戯れにニットワンピに慰められる
骨という骨が浮くから傷つけないようにニットで塞いでいます
◇おわりに
YouTubeに音声付で投稿もしています♪
よかったら耳でも楽しんでみてください～！
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