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「支える」ってなに②

私たちは、バランス感覚を持っています。「頑張りすぎて疲れたらちょっと休もう」「怒ってしまって後悔してるから謝ろう」とか、、、不登校のケースだと、ご両親が「絶対に行かせるー」と思ったり「休ませてあげよー」と思ったりして心が揺れ動くのもバランス感覚だと思います。

揺れ動く気持ちを落ち着かせるために、お父さんだったら、仲間と酒を飲みに行くとか!お母さんだったら、ママ友に旦那の愚痴を聞いてもらうとか!そうやってバランスとっています。

毎日いろんなことが起こりますから、気分が良かったり、悪かったり、、、でも、時間とともに平常心(真ん中)に戻るように自分自身で調整しているんだね。

このバランス感覚って、そばにいる人の心の在りようが相手の精神的バランスに影響を与えています。

昔、仕事で学校の庭木の剪定作業をしていたときの話です。ハシゴの一番上に登ってチョキチョキしていると、どうしても不安定で怖くなってしまいますが、体の近くに細い木の枝があるだけで体が安定して怖さが消えるのです。(どーん)

まったく支えにも何にもならない、細い若葉が体の近くにあるだけなんです!これって、物理的に支えになるとかいうことではなくて、精神的にバランスをとるための目印になっているからだと思っています。

教育相談員をしているときの話です。朝、登校すると必ず相談室にやってくる生徒がいました。お昼休みも、放課後も、、、その生徒は、お母さんと二人暮らしでしたが、お母さんが仕事でいつも家にいないので、ほとんど一人で生活しているような生徒でした。

不安になったり、嫌なことがあったり、嬉しいことがあったり、悲しいことがあったり毎日不安定な生徒でしたが、相談室に来ることで振り切れそうな気持のメーターを落ち着かせているんだなーって思っていました。その生徒は1人では不安だから、一所懸命にバランスをとるために相談室にやってくるのです。

私は、教育相談員でありながら、相談室で腰を据えてカウンセリングをすることはほとんどなかったかな。でも、生徒にとっては、ハシゴの上でふらふらしているときの葉っぱぐらいの存在にはなれていたような気がしています。

自分が平常心で楽しく過ごしているだけで、いつもだれかのバランスの目印になっているのかも知れませんね。


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