娘コン13:もしもデジタルマーケティングコンサルの父が受験生の娘をマーケティングしてみたら(13)


好きこそものの上手なれ」ということわざがあります。

下の息子は中学一年ですが、全然勉強しません。でも、ポケモンの名前とタイプはすべて暗記しています。
強制して全部覚えさせたわけではないですが、完璧に覚えています。
ゲームでは、ポケモンのタイプ別に技を繰り出すことで効果を高めることができるのだそうです。
いまは「デュエルマスター」というカードを暗記しています。
ゲームをする上で必要な知識なので、苦もなく覚えてしまったようです。

つまり、よく使う知識は自然に覚えられるのです。
勉強でも、自然に知識が身につくようにすれば、勉強が嫌いではなくなるはずです。
さらには、できる喜びを感じて、好きになってくれるかもしれません。
そのためにゲームを見習ってみます。
ゲーム感覚で楽しく物事を覚えたり、楽しく作業できるように取り組み方を考えてあげるのです。

これをゲーミフィケーションといいます。

ゲームの腕は実践で鍛えられますが、ユーチューブなどで予備知識を得ることもできます。
同様に、受験勉強は入試の点数を競いますが、実践よりも座学での予備知識の詰め込みが大半の時間を占めます。
つまり、勉強とゲームの違いはインプットが多いかアウトプットが多いかの違いです。
知識は実践で鍛錬されます。
ゲームでの実践回数に負けないくらい、勉強でも知識を使う場を設ける必要があります。

そこで、我が家では「抜き打ちクイズ」を実施しています。

朝、娘が「おはよう」と起きてくるなりクイズを出題します。
出題内容はいろいろですが、なるべく最近勉強した範囲を出題します。
娘はリビングで勉強しているので、今どの科目のどの単元を勉強しているかがわかりやすいこともあり、
わざと前日に勉強した内容を出題します。
すると、「あれーきのう勉強したのに何だっけ~」となり、すぐに教科書を開いて確認しようとします。
本人はこの(教科書で確認する)行為を勉強だとは思っていません
クイズに答えたくて、カンニングをしているという認識です。
カンニングして答えた問題は、次の日も出題します。また覚えていなければ、答えられるまで、何度でも出題します。
そうすることで、覚えにくい事柄でも、何度も登場する重要な知識として、自然に身についていきます。

クイズ以外では、日常生活と受験に必要な知識を結びつけて説明しています。
例えば、料理中に
私:「このボウルに入っている牛乳の体積を出す方法って知ってる?このボウルの曲線はy=xの2乗だとするよ」
娘:「積分するってこと?回転体の体積なんてわかんないよ・・・」

ここまで答えてくれればシメたものです。
実際の計算をさせるつもりなど毛頭なく、体積は積分で出せることを思いつくだけで十分です。
そのうち、回転体の体積の問題に出会った時に料理のボウルを思い出して、記憶しやすいきっかけになればいいのです。
数学は概念ばかりで現実味がなく、勉強中に何をやっているのかわからなくなりがちです。
そんなときは現実のものに置き換えて構造を把握しやすくするのがコツです。

このように勉強を好きになってもらう前段階として、勉強をしている意識をなるべくなくしてあげることから始めてみてください。

物事を覚えることは結構疲れることです。
勉強していると、座っているだけなのに全身に倦怠感を感じるのはそのためです。
勉強に限らず、嫌な作業を頼まれたときも、いつもより疲れやすいでしょう。

でも、楽しいことは疲れを忘れて没頭できます。

もし、勉強を好きになれば、いままでとは比べ物にならないくらい、たくさん勉強することができるようになります。
ですので、受験の初期段階でやらなければならないことは、基礎学力を無理やり詰め込むことでも、家庭教師をたくさんつけることでもなく、まずは勉強を好きになってもらうことです。
そうなってからの爆発力は「ビリギャル」などでも表現されているように、ものすごいものがあります。
そうなってしまえば、親の出る幕は殆どありません。本人がしっかりと合格を掴むように自ら動いてくれるでしょう。
親は太陽のように日光を燦々と注いであげるだけでいいのです。

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