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〈LDLバディ対談〉町をよくするための『調整力』はあらゆることに求められるスキル(#122)

LDLとは?バディ対談とは?

LDLはLocally Driven Labsの略で、地方創生分野で多方面で活躍され、影響力を持つ木下斉さんが所長を務められる、地域を本気で変える人たちが集まる研究室です。
地域づくり、街づくりの文脈で活躍されたり、プロジェクトを起こしたりする人、議員の方も参加されています。
現在80名以上のメンバーが所属されています。

私は、
・地域創生・街づくりとは直接的には関わっていないものの、お寺に関わる仕事をしている
・クライアントのお寺さんは地方が多く、立地的に・環境的に地域づくり、街づくりとの関連も切り離せない
・所長/木下斉さんのVoicyや様々な発信を通じて、影響を受け学びを深めたいと思った
などの理由から7月にジョインしました。
まだまだ新入りです。

LDLバディ対談は、メンバー同士がペアとなり、「バディ」を組み、オンラインで話をするもよし、可能であれば直接会うもよしで、対談するものです。
事務局さんの方で、3か月ごとにランダムに(もしかしたら意図があるのかもしれないが)バディの振り分けをされます。

私がジョインして記念すべき初のバディとなっていただいたのは、
山口県/周防大島町で町議会議員を務められる白鳥のりこさんです。

【note】

【ホームページ】

周防大島というところ

周防大島(すおうおおしま)は、山口県広島よりに位置する美しい島です。
人口は約13,669人です(2024年8月1日現在 男性6,380人/女性7,289人 8,074世帯)人口は減少傾向にあり、特に高齢世代は女性の割合が高い。

温暖な気候と豊かな自然環境が特徴で、ミカンのような柑橘類の栽培に適しています。島の中央部には山々が連なり、海岸部には美しいビーチが広がっています。

周防大島は、古くから「国産み」の神話に登場する島であり、明治時代には多くの島民がハワイに移住しました。この歴史的背景から「瀬戸内のハワイ」とも呼ばれています。

なんとも、魅力的で、一度足を運んでみたいです。

地元が好きでいつかは帰りたかった

バディ対談では、お題が設定されます。
今回のテーマは「Uターン、Iターンした理由」です。

白鳥さんの今までのキャリアから。

バスと電車で乗り継ぎ、本州まで渡り、1時間の道のりで通われた高校時代までは地元で過ごされ、大学は広島大学に。大学院時代には1年だけ京都大学におられたこともありました。

社会人生活初めてのキャリアは広島県庁に入庁。
水産関連や観光関連の部署に従事されました。
仕事上では、やりたい事がすんなりとできなかったり、先入観や固定観念などで、なかなか話が進まない組織体制に閉塞感を感じたこともあったといいます。

次のキャリアが経験上な大きな転機となったと感じました。

総務省関連の事業で、東京日本橋の(一財)地域活性化センターに研修派遣されたことでした。
そこでは、地域づくり補助金のサポート、全国で街づくりに携わるリーダーの養成、全国事例調査に出張を行かれたりして経験を積まれました。
広島からだとなかなか行けない東北地方の視察には、東京との距離感を活かして積極的に行かれていたとのことでした。
木下さんがされているお取組みと近似な点が多いですね。

広島で勤めている時の閉塞感の反面、自分の判断で物事を動かせる経験は刺激的で楽しかったという雰囲気が話から伝わってきました。
地域づくり・街づくりの礎はそこで築かれたのでしょう。
そして「自分で物事が動かせる」ということも魅力で自営業を始めたそうです。

2年の派遣を経て、広島に戻られました。

さて、周防大島に帰ってくるきっかけは?

もともと、地元が好きで、いつかは帰りたい、という想いは持っておられました。
きっかけは、派遣から戻った2年後ほどに起こった、東日本大震災だったと言います。

「いつ、どこで、なにが起こるかわからない」

という鮮烈な衝撃を受けた出来事で、思えば、あの震災は多くの犠牲と引き換えに、多くの人の心を揺さぶり、多くの人の行動の後押しをしたきっかけとなったのですね。白鳥さんもそのお一人。
そうして、生れ育った、島に帰られることになりました。

対談中では詳しく話題には出ませんでしたが、
ホームページ上の経歴では「周防大島町体験交流型観光推進協議会」とあります。やはりここでも地域活性にご注力を。

きっかけはあったものの、議員になるのはなるべくして?

議員立候補するきっかけもありました。
2018年9月、周防大島と本州をつなぐ唯一の陸の導線である、大島大橋に大型貨物船が衝突。
一時全面通行止め、橋に通っていた送水管が破断し、周防大島は断水状態になったのです。
交通上孤立化しただけでなく、文字通り生命線である水道まで寸断されたことで、地方行政の危うさを目の当たりにしたことが、地方行政に参画するきっかけとなりました。
そして、2020年11月から、周防大島町議会議員に。
この度、10月に白鳥さん2度目となる、町議会選挙も控えておられるお忙しい中で、今回の対談を実施していただきました。

「選挙準備は白髪が増えるほど大変!」とおっしゃっていましたが、是非想いをもった白鳥さんにはがんばってほしい!

議員活動で大事にされている『調整力』

議員活動の意義として一つに「住民」と「行政」の橋渡しがあります。
ところが、住民の意見・声をそのまま行政に伝える、はたまた行政の都合をそのまま住民に押し付けるだけでは単なる「伝書バト」になってしまい、議員を通す意味が薄くなる、ということをおっしゃっていました。

住民の声も、一見単なるクレームや無理難題に感じることもでも、話をよくよく聞いてみると、その裏に課題の本質が隠れていることがあります。また、時には伝わりにくい行政側のことばを工夫して対象者に伝えて意図をわかってもらうことが必要なこともあります。

ここが私が、一番今回の対談の中で、白鳥さんの議員活動のキーワードとして捉えた「調整力」です。
これはなかなか大変なことだと思います。
時には、住民の声に添えられないこともある、色々な制限がある中で町をよくしていく。 

私もお客さん商売をする中で、「顧客の視点に立った」という観点は非常に大切にしないといけない要素ではあります。が、それが過ぎると「きれいごと」になり、ひいては、もう一方で大切にしないといけない作り手さんにしわ寄せが行きかねません。それは本意ではありません。

この「調整力」は白鳥さんの立場でも、私の立場でも、あらゆる立場で必要な資質だと思いました。

選挙期間だけでなく、存在感を示す

驚いたことの一つに、周防大島町の町議会議員選挙の投票率が70%、ということでした。
聞くと、地方の選挙ではまあまああることだそうなのです。
選挙期間は結構盛り上がるみたいです。
一方で、選挙が終われば、忘れられがち、という風に憂いておられました。

そりゃそうですよね。大学も入学・合格が目的ではなくて、何を学ぶか、が肝心。
特に白鳥さんのように、真剣に町を変えたい、よくしたいという想いを持っておられる方にとっては選挙当選よりもその後の議員活動による成果の方が大切。
本来の行政の在り方はそうですが。

そんな中で、様々な活動を精力的にこなされる中で、4半期に1通信回「のりこ丸通信」という議員活動レポートを発刊されるなどして、住民へのアナウンスの一つとされています。

選挙活動を控えられていて、これから大変な時間が続きますが、ぜひぜひ白鳥さんには、同じコミュニティの仲間として頑張ってほしいです!!

あとがき、その他聞いてみたかったこと

時間的制限もあり、盛り上がったことも手伝って、聞きたい事を聞けずになってしまったことがありました。

せとうちつなぐキッチン郷の家のこと

自宅兼店舗の「せとうちつなぐキッチン郷の家」で、宿泊や飲食、食に関わるワークショップなどを実施しておられます。
今回をきっかけに、興味を持った周防大島町。自然も豊かで子ども連れて、一度は行ってみたいな。そうすれば宿泊はここで決まりかな。

ホームページより

出してもらえる、お料理もめっちゃ美味しそうなんですけどーー!

台湾は台南のご出身とのことである夫さんのことについても、聞いてみたかったな。

それはまたの機会に。

議員の方とがっつり対談させていただく機会って、今までありませんでした。
これぞLDLの妙味。醍醐味。
色々な立場の人の話を聴くことはいいですね。

白鳥さんありがとうございました!
また今後ともよろしくお願いします!!

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