「おおきなかぶ」を翻作して演じる
小学1年の教材としてしばしば取り上げられる作品に「おおきなかぶ」という民話がある。
その登場人物を学級のメンバーに置きかえて翻作作品を作ることもできる。そうすると、この物語が急に身近に感じられるようになって、楽しさが増し、物語の理解が一層進む。
私はこれまで、英語版の「おおきなかぶ」をいくつか入手したが、その中の1つに、ねずみの次に1番目のかぶとむし(the first beetle)が登場し、次に2番目というように順番に登場して、最後に5番目のかぶとむしが登場し、みんなで協力して引っ張ってやっとかぶ(蕪)が抜けるというものがある。40歳のころ、今から35年ほど前に、サンフランシスコの書店で入手したロシア民話集の中に収録されていた「The Turnip」という作品である。
その発想を参考にして、ほかの虫でも、ほかの生き物でも、何でもよいから、子どもが好きなものを選んで登場させるという形で翻作することもできる。
それを絵本にしてもよいし、劇にして演じてもよい。
このような翻作プロジェクトは他の作品で行ってもよい。幼稚園でも保育園で行ってもよい。中学・高校・大学でおこなってもよい。
首藤著『国語を楽しく—プロジェクト・翻作・同時異学習のすすめ』の第4章「翻作のすすめ」より。
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