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うちのことどこまで知ってますか?

"うちのことどこまで調べてきました?"

これは、私がソリューションエンジニアリングに携わりはじめて間もない頃、お客様から言われた言葉で、15年以上たった今でも覚えています。

そのときは答えに屈して明確に答えることができませんでした。

理由は簡単で、そのお客様のことを打ち合わせの前にほとんど調べていなかったからです。多分会社概要と訪問先の住所程度。信じられませんね。


相手に対して何らかのビジネスの打ち合わせを打診する場合、打診された相手は"何のために?"と感じるかと思います。

相手は複数の取引先や相手と日々何らかのコミュニケーションを取っていて、いつ何時も何らかの予定が入っているかと。

猫の手も借りたいぐらい多忙な相手からの"何のために?"に端的に答えることができなければ、打ち合わせの約束を取り付けることは困難です。


そのパートナー様とははじめての打ち合わせで、事前に打ち合わせの目的と主題を明確に伝えて、打ち合わせの約束を取り付けることができました。

できることは全て準備して望んだつもりでした。時間は30分です。詳細は割愛しますが、目的と主題は以下です。

目的
〇〇(パートナー様)のセキュリティサービスにおける現状と課題を理解して適切な次のステップを決定する

主題
1. 〇〇(現在私が所属している企業)のサービス紹介(20分)
2. 〇〇様(パートナー様)の現状と課題(20分)


打ち合わせの目的は、パートナー様の現状と課題を理解して次につなげることです。主題の1はそのために場を温めることで、主眼は2です。

1が完了して2にテーマが切り替わってから、同席者の1人からこんなことを聞かれました。"うちのことどこまで知ってますか?"と。

その方はカメラをオフにしていて顔色が見えなかったため、詳細は把握できていませんでしたが、声色から質問の本質的な狙いは"うちのこと何も知らずにとりあえず内情を教えてもらおうって魂胆じゃないよね?"

これは15年前にお客様から受けた質問とほぼ同意かと。


今回は、パートナー様の会社概要と住所(そもそもZoomだったから住所は知る必要はなかったか)だけでなく、最新の有価証券報告書をさっと確認していて、流動比率とキャッシュフローの状況と得意としている業種を事前に把握していたため、画面共有で有価証券報告書を投影しながら、"ご状況一通り調査しているつもりです。まだ不勉強につき可能は範囲でご状況をお伺いできれば幸いです。"と答えました。

答えが、パートナー様の期待に達していたようで、その後、パートナー様は状況と課題を細かに説明してくれました。事なきを得て良かったです。


"うちのことどこまでしっていますか?"この質問に端的に答えることができない人は、相手の内情について質問できる資格がありませんね。

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