映画

街が布団へ入る
体を深夜に浸して
手についた映画を
そっと再生する

虚構と現実の境界線
失われるほどの傑作が
電気に乗って
画面を飛び越える

こいつを観ている人間は今
俺だけだと自意識が毛穴から
溢れてやまなくなる
夜明けと共に尽きる恋

Writer of Wide Scence