偏屈
判別つかない感情が増殖だけして
後始末が私という頭脳の役目
俗に言う重荷を投げ捨てたくて喚くが
足跡残れど反響残らず苛立つばかり
言葉に価値なし!
食べ物より入れ物に価値があるように
音楽より楽器に入れ込むように
広告塔だけ見つければそれで充足
秋が来たればまた別の平面とまり木探してふらふら
たまの気づきあれどすぐ忘れる
美味い拉麺の数口が全部を熱消毒の如く飲み込んでいく
覚えがあろうが、自称馬鹿の革を羽織った馬鹿よ
訃報も警鐘も歩かず忘れ去るくせして
虚飾まみれのメメント・モリには震え上がる
そんなお前ないし俺は馬鹿である
僕らは皆が包茎の類です
うつけや美麗や怠惰や空虚や善良や悪質や暗黒やああもういや
諸々の皮を着て偏屈に生きています
生まれて此の方
洗濯の行為を経ずどろどろに汚れた皮も
やがてはあなたになるのでしょう
そうやってまた醜悪を個性と言いはっては笑い捨てるんでしょう
偏屈に次ぎ偏屈に成り果てた姿すら
あなたにとっては偏屈とは裏腹な自由の象徴でして
正解を求めぬくせに言い張る正解の極地でしょう
せめてもの抗議としてあたしの否定は殺します
Writer of Wide Scence