ぬいぐるみ

君のぬいぐるみになりたい
姿は君が決めてくれればいい
細腕に抱かれて涙を吸い込んで
そうして生きていけるだろう

たとえ好きな人ができたって
僕の想いは変わらないよ
戸棚に飾られ埃を被ったって
忘れられったって構わない

くもった硝子を眼鏡にして
僕のボタンでできた瞳で
君の一喜一憂を見ていたい
悲しくなるほど愛しい日々を

部屋にものが増えて
新たな空間が必要になったら
僕が要らなくなったら
本当ささやかな願いだけ許して

ちょっとの記憶掘り起こしながら
僕をゴミ袋へ詰めて
感傷や未練はセルフサービス
いいえ可能ならばふりかけて

きっと悲しくはないよ
引き裂かれても痛くないよ
そんなこと考えているよ
悲しいけれど嫌じゃないよ

せめて僕が君に住み着いている間は
よろしくしてあげてほしい

Writer of Wide Scence