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子育て中だからこそ地元議員に挑戦【LDLバディ・インタビュー 三重野さん】

 今回は、私の所属しているまちづくりの実践者コミュニティー「Locally Driven Labs(以下、LDL)」のメンバーの三重野玉江さんを紹介したいと思います。LDLはまちづくりの第一人者木下斉さんが所長を務めます。LDLの説明はメンバーの岡崎さんがまとめている記事をご覧ください。

 これまでのLDLメンバーのnote記事はこちらにございます。

 LDLには様々な地域、分野でまちづくりの活動をしている魅力的なメンバーがいらっしゃいます。現在、定期的にメンバー同士でバディーを組んでお互いに情報交換し、情報交換をしたり、相乗効果を図っていたりします。

 私も三重野さんも、会には所属していますが、家庭や仕事の事情でなかなかオンラインでの全体定例会に参加ができておらず、という状況です(^^;)(LDLはそんな感じでご自身のペースで参加できる場です)…ということでお互いにお話する機会が少なかったのですが、今回バディーとなったことで、じっくりをお話を伺うことができました!

1.議員に挑戦するまで

 まずは、三重野さんのことをご紹介。三重野さんは、大分県中津市の中津駅近くの商店街で呉服店を営みながら、市議会議員としても活動されています。4人のお子さんを育てながら2足のわらじということで、すごいバイタリティー!私にとってはその時点でとても敬意を感じます。今回、どのようにして議員さんになったのか、その経緯をインタビューしていきました。

 三重野さんは元々、保育士さんからキャリアが始まります。中津駅そばの商店街の呉服店がご実家ですが、自営業のお店を継ぐことに前向きでなく、一度保育士になったということでしたが…。しかし、結局は呉服店を継ぐことになったそうです(ちなみに三代目になります)。ちなみにご主人さんはサラリーマン。自営業を夫婦ですると、仕事で意見が対立すると家庭に持ち込んでしまう、とご自身の育った環境から考えたそうです。ご主人がサラリーマンだと、リスクを軽減できるという安心感もあったようです。

 保育士での経験から、子育ての予行演習ができていたということ、さらに自分が実際に子育てをする中でママ友からいろんな市町村の取り組みを聞く中で、「中津にこんな支援があったら良いのに」ということが客観的にいろいろ出てきたそうです。でも役所の人と話してもなかなか思うように伝わらない。そして、おじさん議員達が考える支援は支援になっていないと考えるようになります。

 そして、1番下のお子さんが1歳になったころ、「誰もしないなら自分が子育て支援を充実させたい」と思うようになり、議員になることを考えるようになります。その時はご主人さんから「誰が子どもを見るの?」と心配されて反対され、断念したそうです。その後、4年後にも再度議員になることを相談しますが、またまた断念。さらに4年度、末っ子のお子さんが9歳になった時に、3度目の相談をしたら、OKを得ることができたそうです。8年越しの想いで初挑戦で当選し、お店の仕事とともに議員活動が始まります。

 振り返ると、半ば議員になることを諦めつつも、でも中津のためにがんばりたいという気持ちは持ち続けており、だから3度もご主人さんに議員になりたいと希望し、認めてもらえたと感じています。今思えば、ご主人さんに反対されていた時でなく、今だったから良かったと感じているようです。三重野さんから、「ものごとのタイミングはいつが正しいか分からないけど、うまくいくもの」と言われていたことが印象的でした。

2.議員になって4年間の活動を通じて

 三重野さんの任期は4年、この春再度、市議会議員選挙が待っています。今の時点で議員活動を振り返ってもらいました。

 子育て関係で声を挙げたことは8割方形になり、小さなことが積み重ねることができたと感じています。でも、議員になってみて感じたのは、これまで子育てのことなど相談しやすかった役所の担当者さんが引いていくような感じて寂しかったということです。議員さんが制度の課題や改善点を提案すると、職員さんも検討しなくてはならず、それは職員さんに身構えるようになったのかもしれません。でも、もし2期目に挑戦するなら、もっと職員さんと一緒に手を組んでもっと良くしたいと言います。

 そして、近隣市町村と比較しながら、中津市ならではの強みを伸ばしていけるように提案をしたいと言います。議員になっていろんなところに視察に行けたり、議員さんとのつながりができることは良いことだったそうです。このLDLに入って知ったことやつながったこともたくさんあるそうで、いろんな知見が増えたからこそ、もっとやりたいこともあるということです。特に、駅前を元気にすることや商店街の取り組みに力を入れたいそうです。

 ただ、現実に目を向けると、市長さんの方向性と合致するかで進みやすいかそうでないかもありますし、いわゆる地域代表議員さんが多く、中津全体の議論をするのが難しいと感じる場面もあるようです。

 また、三重野さんの立場はお店の経営と議員の活動との両立ということになります。民間ならではの目線で提案できることは良いことですが、どちらかが中途半端になると感じることもあるそうです。

3.原動力について

 お話の中で、三重野さんにとって、議員活動についてもご自身のお店についても、根底にあるのは生まれ育った【中津愛】という強いメッセージが伝わってきました。商店街を元気にして、駅前を元気にする。子育て世代が暮らしやすく、若い世代が住みたいと思えるまちにする。中津市にはそのポテンシャルがあると言います。そのために、民間の立場、議員の立場、いろんな立場で挑戦されていることを感じました。

 三重野さんにとって、目的が明確だからこそ、お店も議員も手段なのかなと感じました。議員活動を続けられたらやりたいことがあるし、例えもし今期で議員が終了になっても、民間100%に戻ったからこそのやりたいこともあるということで、選挙を前にしても気負わない自然体な感じが伝わってきました。

4.今回のインタビューで感じたこと

 今回のバディーインタビュー、LDLメンバーで議員さんにインタビューするのは初めてだったのと、これまであまりお話した機会がなかったので、どんな方だろうとドキドキしていました。でも、ご自身のまちへの想いを持つ市民のひとりであり、子育てと仕事の両立をがんばっている人ということが伝わってきて、親近感を感じました。

 私も子どもが小さいので、忙しいと思うことはあっても、これまで行政に対して「こうしてほしい」と思うことはあまりなく、議員さんの活動についてイメージが湧きませんでした。でも、三重野さんは保育士の経験もあって具体的な改善案をいろいろお持ちで、それを実現しようと手段として議員になったと聞くと、「こうなったら良いのに」という小さな願望を持つことから地元議員さんに関心を持つのも良いのかと感じました。

 私もいち住民として、「今の自分の課題が、自分だけの課題ではなく他に困っている人がいるかもしれない」と考えて、「自分の住む・働く地域の環境がどうにか良くなる方法があればよいのに」と考えることができれば、「自分事として情報収集しよう」と思いますし、「良い案があれば議員さんと話して提案してもらおうかな」、と思うかもしれません。その時に三重野さんのような共感してもらえる議員さんがいればと思います。4月には統一地方選挙があるので、私の住む周りの地域でも少し関心を持ってみようと思いました。

5.公民連携議員プロジェクト

 そして、LDLではちょうど春の統一地方選を前に、「公民連携議員を増やそう」プロジェクトがスタートしました!LDL所長の木下斉さんの経営的な視点に共感した議員さんが集まっています。三重野さんもそのお一人です。議員さんの輪が広がるのが楽しみです。

 今回の報告は以上です。今後も、LDLでどんな方とお話できるのか楽しみです。お読みいただきまして、ありがとうございました!

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