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地域活性化人材育成のオンライン研修を主催して感じたこと

 この記事では、地域活性化人材育成のオンライン研修を主催して感じたことを整理したいと思います。私は岡山県勝央町(しょうおうちょう)で一般社団法人しょうおう志援協会に所属し「地方のカチを高めるオンライン発信塾」を開催しています。研修は8月~2月まで、全9回の長丁場ですので、4回目が終了したこの辺りで振り返りをしてみます。

 この研修の目的や経緯はこちらの記事をご覧ください。

1.オンライン広報

 今回広報にいくらか予算があったので、facebook、peatix、SMOUTの3つで広報を行いました。オンライン上の呼びかけで意外と反響がありました(…が、実際の参加は少数ではあります)

①facebook
 一番反響が大きかったのがfacebookで、「参加」にクリックをしてくれた方が18名で、ここには北海道、宮城県、神奈川県など、かなり遠方の方もいらっしゃいました。ただしこれらの方に決済ページをお伝えした上で、実際に参加してくれた方は3名で、継続して参加してくれている方は1名のみでした。「興味あり」は150名を超えましたが、これは「いいね」と同じようなニュアンスでしょうか。特別「興味あり」が多くても参加と関係があるとは限らないように感じました。

②peatix
 決済サービスとしてはとても便利で、今回この決済の使い方を知れて良かったと感じています。ただ、広報でいうと、効果は思ったようにはありませんでした。キーワード検索の上位になるように、対象キーワードと対象期間を細かく設定できるのは良いことだと感じましたが、肝心の効果がみられず、もったいなかったように感じました。もちろん、研修の講師や内容などにもよるかもしれませんが、地方で開催するローカルな内容では訴求は難しいかもしれません。

 peatixの活用について、LDL(記事の最後に説明あり)でともに学んでいる岡崎さんの記事が分かりやすいです。

③SMOUT

 今回、一番可能性を感じたのがSMOUT(スマウト)でした。一般ユーザーと田舎でプロジェクトをしている人のマッチング機能があるツールです。このツールの活用方法は次の記事にまとめています。

 一般ユーザーの意識が高く、他県のユーザーさんが参加してくださり、興味を深めていただき会場まで直接来てくださいました。たまたまかもしれませんが、ユーザーさんのプロフィールを見ると、このような意欲と行動力を持っている人もたくさんいることが分かるので、マッチング次第では、コアなファンを作ることも可能だと思います。

 この機会に私が関わる他のプロジェクトも掲載しました。

 ネックは、無料版では3つのプロジェクトまでしか登録できないことです。そして、プロジェクトを増やすには有料版の登録が必要で、この有料版はちょっとハードルが高く感じます。まあ、すべて無料では企業は成り立たないのは分かるのですが、有料版にコスト投入するには、組織としてかなり計画的に運用する必要を感じます。

④コネクション
 最終的に参加者が多かったのがこれです。しょうおう志援協会の役員のコネクションで参加した人が多かったですね。日ごろの人脈や仲間づくりが必要ですし、相手のニーズを知っていれば、その人に提案できますし、自分自身の信頼も大切ですね。私もこの研修を無事に終えることで実績をつくりたいところです。

 今のところ、34名が参加登録し、毎回10数名ずつの参加です。神奈川県や長野県、山口県など他県からも参加があります。約半数が勝央町近隣以外からの参加となっています。

2.研修の内容と反響


 今回、終わっている4回目までを振り返ってみます。

 講師に依頼したのは、私が個人的にコネクションのある方3名です。うち1名は私たちの勝央町の協会の代表者が参加者へのあいさつ代わりに講師になり、うち2名はこの研修を企画することがきっかけに私からネットワークを広げて知り合った(捕まえた?)方に講師を依頼しました。

 4回のうちの3回はそれぞれ講師の取り組みをプレゼンしてもらいながら、最後は質疑応答でディスカッションをしました。自画自賛するようで恐縮ですが、私が依頼した講師の方は皆さん個性的な取り組みをされており、テーマの「地方のカチを高める」という点で多くの気づきと勇気を得ることができました。この辺りの内容も近いうちに記事にまとめたいと思います。

第1回 8月28日(金)「想いを形にするには」
人口約1万人の町に約5000人が来場・勝央工業団地オープンファクトリーの事例

第3回 10月2日(金)「公共空間を公民連携で考える」
町の資産を民間の視点で活用・津山市公民連携事業の事例

第4回 11月6日(金)「協力者を集め、前に進むには」
無人販売で年間約1000万売り上げる農業生産法人のクラウドファンディングの事例

 4回のうちの1回は、参加者同士の取り組みたいテーマを紹介し合う回です(第2回目に行いました)。私個人はこの会が企画者冥利につきる「やって良かった」と感じる回でした。それぞれ面識のなかった人がオンライン上でお互いのやっていることを知り、仲間のようになって盛り上がっていく様子は、オンラインの可能性を感じたところです。

3.オンラインの可能性

 参加者はそれぞれ地域や業種が違えど、「地方のカチ」と「オンライン」、「発信」の3つのテーマのどこかに引っかかってきた人達です。ここからそれぞれの参加者のやりたいことをサポートするネットワークができ、活動につながれば、このしょうおう志援協会の研修の目的「地域活性化人材育成」が達成できると感じます。

 講師は有名でなくても、地方ならではの苦難と立ち向かい活動を実践している人に光を当てることで充実した研修になると感じます。また、参加者相互の交流の仕組みづくり次第で「この研修だけ」の魅力となります。

 ひとつ懸念として「勝央町の中の人材を育成する」という元々の目的に対して達成につながるのかという点があり、運営スタッフとも話をすることがありました。運営スタッフは着実に成長につながりますが、新規参加者は限りを感じています。しかし、これまで4年間この塾を運営してきて、勝央町の中の人で今のタイミングで響きそうな人は一通り参加したのではないかという話になりました。なぜなら、今関心のない人を無理に誘うものでもありません。

 そのため、「今は勝央町がさまざまな地域をつなぐハブになって実績を作れば、地元の人も感じるものがあるのでは」と考えることで落ち着いています。中の人が中の人に呼びかけるより、外から認められて中に伝わった方が効果的のように感じます。町内の人がその人に合ったしかるべきタイミングの時に参加できる入り口を作っていられるようにしていたいところです。

 ただ、町内向けにチラシを作成して町の広報誌に折り込みをして「やっていますよ」アピールはしました。残念ながら、こちら広報効果はほとんどないし期待もしないようにしているのですが、私たちの協会がまだ実績を作っている途中なので、「敵を作らないようにする必要があるのかな」と考えています。

 今回、インターネット上の広報費用やチラシの作成費や講師料を予算組みして開催していますが、もしお金がなくても内容や主催者の人脈で十分研修として成立する可能性を感じました。「地方のカチを高める」という目的で実績を残せれば、地元の人も振り向き、良い事例を一緒に学んで、いろんな立場の人、業種が活性化できるのではと考えています。

お読みいただき、ありがとうございました。

【この記事は、こちらのメンバーと刺激しあって作成しています】
 私は「Locally Driven LABs(LDL)」のプロジェクトの1つ“地方のオンラインの普及と価値の創造“に所属しています。ここでは、参加者同士でオンラインツールの情報共有を記事にしています。地方で実践しているメンバーがオンラインツールの使用感、参考事例などを話しており、資料としても活用できるよう整理しています。

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