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レポート:オンライン発信塾第1回「想いを形にするには~勝央工業団地オープンファクトリーの事例~」

 この記事では「地方のカチを高めるオンライン発信塾~しょうおう志援塾2020~」第1回「想いを形にするには 勝央工業団地オープンファクトリーの事例」についてまとめたいと思います。8月28日(金)に開催されました。

オンライン発信塾の概要についてはこちらをご覧ください。

1.勝央工業団地オープンファクトリーとは

 勝央工業団地オープンファクトリーとは、岡山県勝央町(しょうおうちょう)にある工業団地の企業が集まって、住民に工場の取り組みをアピールするイベントです。2016年の開始から4年をかけて徐々に成長し、2019年は人口約11000人の勝央町で5000人を集める大きなイベントに成長しました。

 今回はそのオープンファクトリーの立ち上げから運営に関わった株式会社勝央体験ファクトリー本行才泰(ほんぎょうまさひろ)さんにお話を伺いました。本行さんはこのオンライン発信塾を主催する一般社団法人しょうおう志援協会の会長でもあります。今回の塾はオンライン開催で県外の参加者も多いため、初回ということで、勝央町の取り組みの自己紹介も兼ねる形で講師をお願いしました。

2.きっかけは想いを伝えることから

 このイベントのきっかけは勝央町の「しょうおう志援塾」の第1回にさかのぼります。2015年度に開催されたこの研修に、本行さんが参加したことから始まります。(筆者はこのしょうおう志援塾に初参加したのが2018年度なので、初めて聞くことも多かったです)

志援塾第1回

 広告代理店勤務の本行さん、今では「勝央町のまちづくり」の代名詞のように活躍をされていますが、参加のきっかけはチラシ作成を依頼されたことからだそうで、それまでまちづくりにあまり関心はなかったそうです(ちょっと意外でした)。しかし、参加者と勝央町に対する想いを出し合う中、以前から考えていた西日本有数の工業団地「勝央工業団地」を町の魅力として活用するアイデアを語ります。

 イメージは勝央工業団地を「職業体験型のテーマパーク・キッザニア化」すること。「地元の立派な企業の子どもたちが知らずに地元を去っていくことを危惧している。もっと住民とコミュニケーションをとれるはず。」そんな思いを語りました。

 実際に声に出すことで賛同する仲間が集まり、ついに本行さんも自分が会社を立ち上げて開催するという決意をします。そして塾の集大成である「町民の主張プレゼンテーション大会」で発表!結果・見事初代グランプリを獲得したのです☆

プレゼンテーションの様子はこちらでご覧いただけます。

3.立ち上げの苦難・初開催へ

 賛同者がたくさんできたこの企画、しかし実際に進めるには多くの壁にぶつかったそうです。企業に相談をするために役場の職員さん一緒に行ってもらうようお願いしたところ、工業団地担当の産業建設部と、地方創生担当の総務部の縦割りにいわゆるたらい回し状態だったそうです。「このままじゃ進まないかもしれない」とくじけかけた時、当時の副町長が「両方でに行ったらええんや」と一喝!

 その後も企業との調整に苦労します。企業からは「工場のため一般の人に入られたくない」、「業務の邪魔をされたくない」など、散々…。しかし、ここで「突破力」を発揮し半ば強引に実行委員会を組織しました。ここで本行さんの提案により、将来のまちを担う役場の若い職員さんに参加してもらうこととなります。

しかし、その後も企業の協力がなかなか思うように進まず、前のめりになって、視覚化した方が良いと思い、チラシ案まで作成しました。すると、「ここまで企画を考えているのか」とやっと多くの企業に賛同してもらうことができました。そして、ついに第1回が開催されます。

 結果は大成功!来てほしかった子どもたちが多く参加してくれました。その後、企業の方も体験や学びの場を用意していただきました。来場者は3000人にもなりました。

無題

 その後、年々イベントは成長し、体育館のブースでの開催に加え、実際に工場へ見学したり、リクルートを意識した活動も増え地元高校生交流が増えたり、SDGsの視点を取り入れたりして、2019年は参加者5000人となり、発展を続けています。

3.「一歩を踏み出す勇気」×「仲間との出会い」×「巻き込み力をつける」

 今回、本行さんのお話から、想いを形にするために、想いを語ること、共感した仲間と出会うこと、そして巻き込むことの大切さを学びました。私は、本行さんも自分の企画を自分の職場に提案し、今の仕事を続けながら別会社を設立するというリスクを背負ったから周りが応援したのかと思います。

 一歩踏み出す勇気は、受講生にもしっかり伝わったことと思います。今回は、オンライン発信塾の初回ということで地元ケーブルテレビや新聞社も取材に来てくださりました。前向きな想いが多く広がればと感じます。

津山朝日新聞より

津山朝日記事

 ちなみに、2020年度は感染症の影響で勝央工業団地オープンファクトリーは残念ながら中止になりました。しかし、来年度に向けて、新たな企画は動いています。今後も勝央町の企業と住民のつながりが盛り上がっていけばと思います。

 お読みいただき、ありがとうございます。今回の塾を主催している「しょうおう志援協会」の活動はこちらのfacebookページに最新情報がアップされています。塾は2021年2月まで続きます。ぜひ、ご参加いただければと思います。参加させた方には過去のものをアーカイブ動画でご覧いただけます。


【この記事は、こちらのメンバーと刺激しあって作成しています】
 私は「Locally Driven LABs(LDL)」のプロジェクトの1つ“地方のオンラインの普及と価値の創造“にも所属しています。ここでは、参加者同士でオンラインツールの情報共有を記事にしています。地方で実践しているメンバーがオンラインツールの使用感、参考事例などを話しており、資料としても活用できるよう整理しています。

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