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桃太郎が研究発表ポスターをつくったら

見やすく説明もしやすい構成の学会ポスターの作り方を紹介するために、桃太郎が鬼退治の作戦を村会議で発表する、という想定でポスターを作ってみました。どんな工夫を入れているのか、また実際の発表の際にはどんな風に説明するのかを紹介します。

※この記事は、著者のブログ「駆け出し研究者のための研究技術入門」の記事の加筆修正版です。

桃太郎の発表ポスター

下に載せているのが今回作成したポスターです。村の治安回復のために鬼退治に行くぞ、という提案ですね。「今が遠征のチャンスです」という誘い文句から入って、「でも、村の単独遠征だと、そもそも人手が足りないし、恨みも買うし、勝ち目も無いので無理がありますよね」という問題を提起しています。この問題に対して、「途中で動物を登用して人手不足を解消しよう」「動物主体で攻撃して復讐対象を分散させよう」「普通に戦っても勝ち切れないから、奇襲と虚勢で牽制だけして早めに撤収しよう」という方法が提案されます。結構酷い話ではあります。

ポスター見本(村会議での桃太郎の発表ポスター)

緑を基本色として、游ゴシック体のフォントで作成しています。レイアウトだけでなく、フォントの大きさや色、また太字・細字の場所毎の使い分けや、文字数と図の割合、枠線やスペースの使い方に注目してみてください。

ポスターの工夫点

下の図では、上の見本例の中で工夫がなされている点をリストアップしています。これらは全て、分かりやすく、かつ説明もしやすくするための工夫です。汎用的な工夫なので、ポスターを作る際にこれらの工夫を凝らしてみてください。

見本ポスターに入っている工夫点

説明の例

このポスターを発表会場で使う際にどんなふうに説明すればよいかも紹介しておきます。大事なことは、端から端までを一気に説明しないようにする、ということです。相手には時間がないかもしれませんし、「ここだけ聞けたらいいんだけどな…」と思っているかもしれないからです。

まずは下の図の例のように,最初の4~50秒で,目立つように太字で記載した要点文だけをざっと説明するのがよいでしょう。むしろ,このように概要を短く説明できるように,要点文に何を書くかを練っておくと説明しやすいです。

ポスター発表最初の4~50秒の説明の例

概略を説明したら、「どこか詳しくお知りになりたいところはありますか?」のように相手に尋ねて、下の図のように、その質問に答えていく形でポスターの各部詳細の説明を加えていくのがよいでしょう。概略で満足した人はそこで別のポスターに移動しますし、聞きたい人は聞きたい部分を教えてくれます。

各部詳細の説明の例

まとめ

桃太郎のポスター発表を例に挙げて作例見本を紹介し、効果的な工夫の仕方をリストアップしました。参考にしてみてください。ポスター発表本番で成功するための話し方のコツは下の記事で解説しています。

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