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【読書感想】推し、燃ゆを読んで

『推し、燃ゆ』は宇佐見りんさん(著)の長編小説。

推しが炎上した。ファンを殴ったらしい。」の書き出しから始まる、アイドル上野真幸を”解釈”することに心血を注ぐあかりという女子高生の日常をつづった小説です。

第18回の新宿読書会課題本に選ばれ私も読みました。今回は私個人の読後感想をトピックに合わせてかいていきたいと思います。

◆表紙の表しているもの

表紙のカバーは「ダイスケリチャード」さんのイラストと印象的なピンクで表されています。正直「推し、燃ゆ」というタイトルだけだと一体どんなストーリーなのかわかりませんが、読後に表紙をみてみるとこの小説に書かれている「重いテーマ」が表されているのかなと考察できます。

水の中に沈んでいく女の子とか、紐のようなものが体に絡まっている感じとかは、女の子の生きづらさを表しているのかなーとか

◆家族とのしがらみ

上のトピックでも書きましたが「家族のしがらみ」というのはこの小説の持っている「重いテーマ」の一つかなと思いました。

表向きは家族をフォローしてあげたいと思っているのに、他者への無理解・知識不足から傷つけてしまう感じとか。女系家族の呪いとか(祖母から母、母から娘へ、それが良くないことだと思っているのに悪い部分を引き継いでしまっている感じとか)

◆最後の綿棒の描写って?

この小説は最後に「綿棒を拾って終わる」という読んでいない人からすると「え、どういう小説?」という感想になる終わりかたなのですが、その解釈が人によって違うのが面白いと思いました。

綿棒を拾うというのは、直前に出てくる祖母の遺骨を拾うのとかけているのかなと思いますが、じゃあ誰の骨を拾ってるのか?っていうのが人によって違うと思います。

自分(あかり)?推し(上野真幸)?それ以外?

私的にはあかり自身の骨、全部が燃えてしまっても残っている自分の芯みたいなものを表しているのかなーって思いました。

推し続けていたアイドルを失って、推しと同じようにはじめて感情を爆発させてみて、そうしたら未来の私には何もなくなってしまうと燃えてしまう前は思っていたけど、実際骨は残ってそれを拾っている。

「そういえば全部燃えてしまうと思ったのに、自分は片付けやすい綿棒なんて選んでいる。なんだ、私のなかの何かは残っているし、私無意識に面倒は少なくしたいっていう打算的な考えで動いてるじゃない。hahaha」みたいな。

明るい未来も暗い未来も想像できてしまうラストですが、私的には上みたいにちょっと明るい未来なのかなーと想像して読み終えることができました(笑)

◆最後に

皆さんはこの本を読んでどのような感想を持ちましたか?もし、よろしければnoteのコメントで教えてください。

YouTubeでは私以外の考え方も公開していますので、もしよろしければ視聴してみてください。よろしくお願いしまーす(^○^)


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