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【会いたい人を、撮りに行く。#003】スタイリスト・安野ともこさん

1月某日、目黒の安野商店にて


憧れのスタイリスト、安野ともこさんに会いに行ってきました!

すんごい久しぶりの連絡で、
「カクカクシカジカで、安野さんの所に伺って、写真を撮らせて頂きたい。安野さんの思い出話と共に、noteに掲載したい!」
という突然の特殊なご相談にもかかわらず、即快諾頂いて、相談した翌日に、目黒の安野商店に伺い、店内で写真を撮らせて頂きました!

実は4年くらい前に、安野さんの個展を見に行ってお会いして話ができて、以下の文章をFacebookに書いていたのですが、あまりにも「中学生が好きな先生に書いたラブレター」みたいで恥ずかしくて公開していませんでした。
恥ずかしいけど、これを機に公開しようと思います♪


-----2019年1月に書いた文章-----

1990年代半ば、CM制作会社のプロダクションマネージャー(PM)として一本立ちしてまだ間もない頃、とある新商品チョコCMを担当することになった。

売出し中の新人女優が主演だったが、事務所からスタイリストとヘアメイクの指名が入った。
「スタイリストは安野ともこさんにお願いしたい」
とのことだったので、パワーページ(業界電話帳のことね!)で調べて安野さんの事務所に連絡し相談したところ、快諾頂き仕事をお願いすることができた。

電話のやり取りを聞いていた近くの席の先輩が、話しかけてきた。

先輩A: スタイリスト、安野さんなの? やったじゃん!
中川: え、安野さんにお願いできるのって、いいことなんですか?
先輩A: えー知らないの? 安野さんって、めちゃカワイイんだよ!
中川: ええ!?
先輩B: もとアイドル歌手なんだよ!!
中川: えええ!? アイドル歌手だった人なんですか?
先輩C: あとめっちゃ優しくていい人なんだよ♪

…なんだか制作部先輩たちが色めき立っている。なんなら「オレ撮影の手伝い行くよ」とか勝手に言っている。普段は頼んでもなかなか来てくれないのに!

衣装打合せで初めてお会いした安野さんは、やっぱり優しい人で、衣装の発注のことやらスケジュールのことやら予算のことやらロケ地での控室のことやら、色々と相談に乗ってくれて、新米PMとしてはたいへん助けて頂いた。もちろん他のスタッフの皆さんにも助けてもらいながら、ロケ撮影をなんとか順調に進めることができた。

「ちょっと気難しいかも」という噂を聞いていた新人女優さんも、和やかな雰囲気でリラックスして撮影に臨んでもらえたように思う。
詳しくは分からないが、控室などで安野さんやヘアメイクさんが、彼女がリラックスできる雰囲気を作ってくれていたのかなと思う。

俺が撮影の朝タレントさんに初めて会って挨拶した時も、
「こちらが制作会社の中川さん。今日一日の撮影の進行は、中川さんがいろいろ仕切って、次なに撮るかとか教えてくれるのよ。」
と言って、彼女に紹介してくれた。

「そうなんですか、分からないことあったら聞きますね。一日よろしくお願いします!」
「こちらこそよろしくお願いします! 撮影が順調に行くようガンバリマス。なんかあったら言ってください!」

みたいな感じで、朝イチから和やかに会話ができたので、この日一日なにかと話しやすく、たいへん助かった。こういう一つの仕事や一日の中で、「滑り出し」の印象ってとても大きいから、ほんとうにこういうのはありがたいのです。


そんな安野さんが、映画やCMなどで製作した衣装を展示する
「安野ともこのコスチューム展 "Thanks a million"」
最終日に行ってまいりました。

様々な映画・ドラマ・CMで製作した衣装や、舞台『キャバレー』の衣装、ソチオリンピックの浅田真央選手の衣装、ザキトワ選手・メドベージェワ選手の衣装などなど、圧巻の衣装たちがが展示されている。

「安野ともこのコスチューム展 "Thanks a million"」


優しかったり、タレントさんと監督との間で働きやすい雰囲気を作ってくれたり、そしてカワイかったりすることもとても素晴らしいことだと思います。

でも、スタイリストとしてご活躍されている方を語るとき、その用意してくれた衣装のクオリティをもって評価しないのは、やはり失礼なことだと感じました。
ひとつひとつの衣装に、衣装に対する前向きさと貪欲さと技術と根性を感じます。

素晴らしい仕事の数々を直で見せて頂きました。ありがとうございました。
今後とも、その技術と経験と人柄で、制作会社やスタッフや出演者の皆をサポートされつつ、更にいい衣装を提供し続けてください♪

憧れの安野さんと(2019年1月)

-----2019年1月に書いた文章、以上-----

あと2ヶ月で閉店となる安野商店にて

久々にお会いした安野さんは、やっぱり前向きで、チャーミングでした!
「このビル、あと2ヶ月で取り壊しが決まって、安野商店は閉店になるの。閉店前にここで撮って頂いて記念になるわ♪」
と言って頂きました。

このシリーズ『会いたい人を、撮りに行く。』のことも、
「とてもいい企画ですね。会いたい人には、本当に会いに行かなきゃダメ。そういう意味で、とてもいいシリーズになると思うわ!」
と言って頂き、とても嬉しかったです。

安野さん、ありがとうございました!
どんどんと会いたい人を撮りに行って、いいシリーズを作っていけるようガンバリマスので、楽しみにしていてください♪

ヒキも撮らせて頂きましたが、若干フォーカスが甘かったかな?