![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50491186/rectangle_large_type_2_ea0f9c1932844ca352ea797f17173335.jpg?width=1200)
【106-107日目】黒髪乙女幻想
高校思い出試験みたいなものがあったら、きっと僕はかなりいい点数を取れるんだと思う。
じゃなきゃ、事あるごとにあの日々を思い出すことはしないし、記憶の引き出しに綺麗にしまっているわけもない。
開け放したまんまの窓から空気が入れ替わっていくように、脳内の記憶だってそのうち消えるもんだろうに、どうしてか消えない。
そんなに恋しいか、と自問してみた。
美化していないか、と自問してみた。
無駄だった。
あまりにも輝いていて、眩しすぎた。
18の夏って、そんなに尊いんだねと納得するしかなかった。
唯一足りなかったのは、黒髪の乙女が隣にいなかったことくらいだ。
でも、もはやそれすら、今では大切な記憶。
じゃあねと言えなかったから、また会える気がしてるんだ。
黒髪乙女幻想。
僕はまだ、どこかであの日々を思い出し続けるんだろう。
2021/4/19-20/23:57 ヒサノエイ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?