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【106-107日目】黒髪乙女幻想

高校思い出試験みたいなものがあったら、きっと僕はかなりいい点数を取れるんだと思う。

じゃなきゃ、事あるごとにあの日々を思い出すことはしないし、記憶の引き出しに綺麗にしまっているわけもない。

開け放したまんまの窓から空気が入れ替わっていくように、脳内の記憶だってそのうち消えるもんだろうに、どうしてか消えない。

そんなに恋しいか、と自問してみた。

美化していないか、と自問してみた。

無駄だった。

あまりにも輝いていて、眩しすぎた。

18の夏って、そんなに尊いんだねと納得するしかなかった。

唯一足りなかったのは、黒髪の乙女が隣にいなかったことくらいだ。

でも、もはやそれすら、今では大切な記憶。

じゃあねと言えなかったから、また会える気がしてるんだ。

黒髪乙女幻想。

僕はまだ、どこかであの日々を思い出し続けるんだろう。

2021/4/19-20/23:57 ヒサノエイ



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