豊島園、ラブドール、岸田――週間ニュース放言ステーション(8/30~9/5)

全くブログというのは始めたときが一番ワクワクするもので、どうしたもんかと考えあぐねた結果、毎週あったニュースやトピックを拾って言いたいことをいうというコーナーを設けることにした。
ただ、始めたときが一番ワクワクするので、いつまで続くかわからない。今回きりで終わる気がしている。


①豊島園、ようかいけむり、安倍首相がこの世から消える

まず今週のヘッドニュースはなんといっても安倍の辞任だろう。8/28に会見を開いて辞意表明したので、厳密には今週ではないが。全く安倍政権の長さというのは驚きだ。1993年に生まれた筆者にとり、総理大臣というのは短期でやめる印象のあった職である。まあ小泉政権というのはあったが、それ以外はみんな短命だったように感じる。

安倍率いる自民党が民主党から政権を奪取したのは2012年の12月だったっけ。このとき筆者は大学1年生。安倍といえば小泉政権の官房長官というイメージが強く、そのあと一瞬ではあるが総理もやってたなあという印象。
ただ当時日米関係に言及していたのか、衆院選後のニュースでやけにそんな印象が残り、「アメリカが怒って核兵器でも打ち込んできたらどうしよう」なんて心配して夜中までくだらないことで青ざめていた記憶がある。それほどまで、自分は政治にも歴史にも無知であった。

まあ、今がそのときより詳しいか、と言われるとそんなことは言えぬのだが、少なくとも当時以上に政治への関心を持てるようになった気がする。

で、その後を追うようにその任期を終えたのが豊島園。8月31日に閉園した。色々ニュースを見ていると惜しまれつつの閉園だったのだなあと思う。

また、9月1日には駄菓子屋でよく目にする、「ようかいけむり」「おばけけむり」なるおもちゃ(といっていいのかわからんが)が販売をやめるとのニュースを目にした。何やらベタベタする物質を指先につけ、指先をこすると煙っぽいのがもくもくたち浮かぶアレだ。このニュースに関しても、「懐かしい~」「なくなっちゃうんだ……」といった意見をよく見る気がする。

●去りゆく者への手向けについて

でも、思うのである。いや、今更か?と。ずいぶん都合がいいなと。豊島園も煙のやつも、要は買い支える人がいないから消滅していくのであろう。であるならば、今更かなしくなってどうするよ、と思ってしまう。筆者の調べ方が悪く、インプット情報が偏向しているからか知らぬが、豊島園という昭和の遺物的なものに対する辛辣な意見や、指をこすって煙を起こすという謎の物質に対する「なんのためのものなんだ」という意見はあまり目にしない。

ただ、ここで注意してほしいのは無意味なものが存在してはならないということではない。去りゆく者へ適正な評価がなされているのか、ということを言いたい。

付言して、安倍政権の徹底検証も避けては通れない道である。安倍は体調不良で退陣するようだが、「体調でかわいそうに」「東京五輪を迎えられずに退任してさぞかし無念だろう」といった哀愁とともに、安倍のしでかした数々の悪行が消え去ることを危惧している。

②ラブドールと小児性愛に対するあれこれ

あと今週はラブドールを巡っての議論も話題になったようだ。
なんでも、小児の形をしたラブドールを買った人がそれを漫画でレポートして、その末尾で「現実で小児に手を出してしまう前に、このラブドールを買おう」みたいな趣旨のコメントが火に油を注いだらしい。

これを巡っては、過激思想の人がヒステリックに反応したり、あるいはそれに対して「フィクションが現実に影響を及ぼすのであれば海賊漫画のブームで大海賊時代になっているはずでは?」的な反論が出たり、またこの反論を大喜利的に社会問題を消費することであると厳しく糾弾する人もいたりした。


一番話題になってたのはこの人かな。この四谷三丁目という人の記事は、まず構文が気恥ずかしいというか、幼稚だなあと思いミイラ取りがミイラになる的な印象を受けたのだが、このラブドール騒動は筆者が思うに、(おそらくウケ狙いだったであろう)レポート漫画末尾の「小児に手を出す前にラブドールを買いましょう」的なコメントが蛇足だったなあと思う。これに尽きる。

これは逆説的に言えば、小児性愛による犯罪と、小児型のラブドールを等号で結んでしまっている、ということはよく言われる「ゲームが加虐性を亢進してしまう」というロジックに加担してしまっていることになる。

で、なんでこんなことを言ってしまったのかと考えるに、「変態」が一種の「キャラ」と化してしまっているのではないだろうか。

もとより、常軌を逸したもの、あるべき態から外れたものが「変態」のはずである。と考えると、「変態キャラ」というのは存在し得ないはず。なのに、変態というキャラを面白いかのように演じ、承認欲求を満たしている人が一定数いるからあんな放言につながったのではなかろうか。

この変態キャラという自己撞着を考えると、「ロック」という言葉にも同じような感触を覚える。

やれなにか破天荒(ふう)なことや反逆的な人に対して「ロックだなあ」という賛辞(?)はよく聞く。しかし、ロックは同定しうるものなのだろうか。と筆者は思う。少なくとも「ロックだなあ」と言われていい気になるやつはロックではないのではないか。じゃあロックとはなにか。知らん。

あと変態っていう言葉もなんだか軽い言葉になったよね。たとえば、ケツを触られて「キャ~、ヘンタイ!!」なぞというシチュエーションが思い浮かぶが、こんなものは変態ではなくただのセクハラ野郎だろう。あるいは、小さい子供を見て愛らしいと思うことを「ショタコン」「ロリコン」と称して変態ぶる例も見たりする。こんなものは変態ではないのではないか。
一方で変態仮面は、まあギリギリ変態だろう。あんなものがいきなり眼前に現れたら驚く。というかこんなものが映画化する時点で変態の持つ神秘性が薄まり、社会的地位が上がりすぎているのではないか。

これには性の多様性も一つ噛んでいると考えている。さまざまな性的嗜好がオープンに共有・許容されることによって、昔は変態とされたことも変態度が薄まっているのだと思う。とともに先鋭的な、本来的な意味での変態が「自分は認められている!」とつけあがってバランス感覚を失って、ラブドールの話みたいなことが出てきたんじゃないかと思う。

③岸田文雄氏、夫婦ツーショットが炎上

「すごく昭和感」 岸田文雄氏が投稿した夫婦写真への強烈な違和感、理由を考えてみた自民党総裁選に立候補を表明した岸田文雄氏がTwitterに投稿した1枚のプライベート写真。一瞬、言葉にできない違和感を覚えwww.huffingtonpost.jp

総裁選を戦っている岸田文雄氏の、夫婦写真が炎上した。違和感に関して、

「政治家の夫を支える控えめで優しい妻を持つ自分」と「そういう妻に感謝する自分たち夫婦の円満な様子」というイメージを、日本のリーダーになる可能性がある政治家が発信することの意味に対して、あまりに無自覚なように思えるからだ。

と記事中にあるが炎上というか、言いがかりでしょ。これ。この写真で「違和感」というなら、家でマスクしとることだろう。あと割とシンプルな食事なのも笑う。

じゃあどんな写真だったら良かったのか考えてみる。配偶者が一緒に座っていたらよかったのか。その場合どちらが上座に座るべきなのか。
味ポンではなくて昆布ポン酢だったら良かったのか。それとも岸田氏は広島にルーツがあり、食卓にあるハンバーグ様のものにかけるには、ポン酢ではなく広島のオタフクソースだったらよかったのか。飯食ってるときにスマホをいじってるのが気に食わなかったのか。目下総裁選はスガが勝ちそうだが、菅首相って民主党にもいたけど表記はどうなるのか。後世日本史で学ぶときは、いちいち菅義偉首相と菅直人首相とフルネームで書くのか。

いっそのこと、管義偉に解明したらどうか。思い切って、官義偉房長官という名前でもいいかもしれない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?