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Leitz Summar 50mm f2.0 - フィルムカメラレビュー その1

35mm レンジファインダーカメラ用レンズ Lマウント
1931年発売
レンズ:Summar 50mm f2.0(4群6枚 ガウス型)
シャッター:なし
焦点調節:レンジファインダー方式(1.0m~∞無限遠)
露出計:なし

選んだ基準としては
・憧れのLeitz純正レンズ(2本目)
・賛否両論の写りらしい
・状態良し悪しもあるがおおむね安価

Hisa Fotoです。

前回のエルマーに続き、ドイツのライカ(当時のライツ社)が、1933年に発売したレンズの紹介と作例をご紹介したいと思います。

第二次大戦前のこの頃、技術として一歩先をいっていたカールツァイスのレンズに対抗するために作ったとされるライカスクリューマウント(Lマウント)、4群ガウス型F2.0の大口径レンズ、ズマール。当時の批評としては、写りの悪い「痴玉」、「ボケ玉」と散々な揶揄を受けたそうです。挙げ句の果ては、設計者も失敗作と認めたとか、、、。この時代のライツ社として、レンズ技術に未熟なところがあったのでしょうか、設計に少々無理があったというのが通説のようです。そんな状況でも、次に改良型として発表されるズマールという大口径レンズまで10年以上販売されていたことを思うと、ドイツの戦中の混乱期を支えた頼もしいレンズである事は確か。

さて、詳しい方には語り尽くされた本題かもしれませんが、このレンズの私なりのレビューです。外観は明るいレンズの割に小型。エルマーと同じく小さく収納できる沈胴型。絞り形状が特徴的で絞ると六角形になります。

そして写りは、唯一無二。コンディションの具合によって、かなり差があるようですが、共通する特徴はコントラストが低く、淡い。まるで水彩画のようだと形容される所以です。

全体はフワッとソフトな写りになりますが、仮に敢えて逆光のアングルで撮ったとしても、ピントの合っている部分がとても精密で繊細に描かれるので、単なるぼんやりした写真にならず、芯があるので意外に立体感がでます。レンズを再研磨すると、フワッとが無くなってかなりシャープなレンズに生き返るとか。

私はあまり意識せず使っていますが、コントラストが低いのでモノクロ向けではあります。逆光には極端に弱いので、フードの取付けを強くオススメします。ライカのレンズとしては安価な部類なので、マウントアダプタを使ってデジカメ、或いはフィルムカメラで一度お試しあれ!

それでは作例のご紹介いきます。

白金台にある東京都庭園美術館。細かいディテールの空間と淡い色合いがマッチして独特な雰囲気を醸し出しています。


家の周りを散歩して撮っています。
レンズフードをつけていないので、フレアが凄いですがこれもまた一興。


こちらもご近所写真。露出を絞ってもカリカリになることはありません。


マイフェイバリットプレイス、横浜星野町。
みなとみらいのお隣ですが、自然に緑化していく感じや貨物線路が堪らなく好きです。


青山スパイラルでのシチズンのインスタレーションを今はなきネオパン400で撮ったもの。浮遊するムーブメントの基盤とグルグル玉ボケのコラボレーション。幻想的でお気に入りです。


次回もズマールの作例にお付き合いを。
旅はつづきます。


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