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【ひるぜんツアー参加者インタビューVol.1】蒜山の歴史・文化から培った”力強さ”が、そこで暮らす人たちにも受け継がれていたんです。

2023年10月〜11月をかけて「ひるぜんアクションツーリズム’23」を開催しました。

参加した方々の目線でのツアー体験をインタビュー形式でお届けしていきます!

ツアーの体験レポートはこちら

本ツアーは、スタートアップの経営者やデザイナー、ゲストハウスの運営者、アーティストなど、22組の多様なメンバーが参加しました。それぞれ、同じツアーを体験していますが着目する点は様々。
ひるぜんアクションツーリズムになぜ参加したのか、そしてどんな資源を発掘したのか、参加者の方の独自の視点を通じて蒜山の魅力に触れていただけたら幸いです。

インタビュー第一弾は、天野雄一郎さん(写真左から2人目)、天野愛津紗さん(写真右から二人目)です。
夫婦であるお二人は、現在雄一郎さんのご実家である神戸の宿を継ぎ、運営をされています。そんなお二人ならではの視点で蒜山の魅力を語ってくださいました。


お二人の普段のお仕事や活動を簡単に教えてください。

雄一郎さん:
僕は以前は東京で働いていたのですが、神戸の実家の宿を継ぐことになったことで帰郷をして、今は宿の運営をしながら個人事業でライブ配信エンジニア、アーティストマネジメントなどの仕事を請け負っています。

愛津紗さん:
私も東京で長く働いていて、クラウドファンディング事業やオンラインコミュニティの運営をしてきました。結婚を機に移住をして、宿を一緒に運営しています。

お二人は今回、なぜ参加しようと思ったんですか?

雄一郎さん:
友人から「蒜山の魅力を体験しにいくツアーがあるらしい」と話を聞いたのがきっかけでした。実は、蒜山に移住した知人もいて、「蒜山」というワードを聞く機会が増えていたんです。隣の県ですし、行けない距離ではないと思って、実際に行ってみたいなと興味を持ちました。

あと個人的なタイミングとして、実家の宿を継いだこともあり、他の地域の観光施策やどのように人を呼び込む取り組みをしているのかを見てみたいと思っていた時期でした。蒜山は観光地としても有名な場所なので、示唆のある体験ができるんじゃないかと思って参加を決めました。

愛津紗さん:
私も彼と一緒に宿を運営していく上で、今回の「アクションツーリズム」というキーワードにピンときて、何か今後につながるヒントが得られたらいいなと思いました。

私自身のタイミングとしては、ちょうど仕事を辞めた時だったんです。
宿の運営はもちろん、今後の個人の仕事などもどうするかも含めて模索している中で、インスピレーションになるような出会いや気づきがあったらいいなという期待はありました。

▲蒜山の壮大な草原風景

蒜山の資源のなかで、何が魅力的に映りましたか?

雄一郎さん:
さっき観光文脈で興味を持ったという話をしたんですが、一番印象的だったのは蒜山に根付いている土着的な文化だったんです。

蒜山郷土博物館の館長さんに案内してもらったんですが、マンシンガントークがすごくて(笑)。

お話を聞いていると、館長さん自身が、蒜山が築いてきた文化が途絶えてしまうことや、様々な課題に対する危機感を感じているが故に、ものすごく熱量高く語ってくださっているんだと感じました。
その姿を見た時に、不思議と共感するものがあったんです。
今まで先人が築き上げてきたものを背負っていくことの葛藤を抱えながらも、前向きに活路を見出して行こうとする力強さに感銘を受けました。

▲郷土博物館の館長前原さんの説明を聞いている様子

それは、館長さんだけではなく、ツアーで訪れたニホンミツバチを養蜂されている328農園の遠藤さんや、福王寺和尚の小谷さんなど、蒜山で出会った方々に共通して感じたことです。

僕自身も先代から宿とその想いを受け継いで、よりよくしていこうとしている立場でもあるので、重なる部分があったのも大きいと思います。

愛津紗さん:
自然との共生の歴史の中で生まれたガマ細工シリゲなどの民藝や文化の成り立ちを聞くと、厳しい自然環境の中でも可能性を見出して生業をつくりだし、産業を発展させる蒜山に生きる人々の力強さが蒜山の強みなんだなと。
蒜山で暮らす人たちにもマインドとして受け継がれていて、日々の葛藤や重みに潰されるのではなく、未来に対しての希望の方を強く抱き活動する蒜山の人たちの心持ち・姿勢・取り組みに刺激を受けました。

▲福王寺和尚 小谷さんのお話を聞いている様子

蒜山には今後どのように関わっていきたいですか?

雄一郎さん:
328農園や福王寺さんには、また雪が落ち着いた頃にはいきたいと思ってます。
以前から養蜂に興味があり、今回の訪問を機に養蜂を習いたいなと真面目に検討してます。

あとは、数日行ける時にシェアオフィスひとときをコワーキング利用してみたいです。

愛津紗さん:
今回は蒜山を深く知るきっかけになったので、お隣の県ですし、また行ってみたいなと思っています。

ツアーでは行けなかった新しい場所を見つけていくとか、前から商品を購入している蒜山耕藝さんにも行ってみたいですね。

▲328農園遠藤さんから養蜂のお話を聞いている様子

どんな方に、蒜山を訪れてみて欲しいですか?

雄一郎さん:
都市生活者の人たちですかね。

以前に、夏は小学生の自然体験のサマーキャンプのスタッフをやってたんですが、その時に子どもたちに現地の方が、
「自然の中にいると恐怖感とも隣り合わせで、都市では感じられない感覚に気付けるんだよ」ってよく伝えてたんです。

恐怖が大事というよりは、普段鈍っている感覚が呼び覚まされるというか。
都市生活者が新しい世界を見る・価値観を広げることになるんじゃないかと。

都市で先進的なことに日々触れている方が訪れることで何か新しい創造が生まれる可能性も秘めていると思います。c

愛津紗さん:
癒しを求めて自然豊かな場所に行く人は多いですけど、恐怖というか普段の生活では感じにくい感覚を体験することも実は本能的には求めてる気がするんですよね。
ただただ心地よい、守られた環境にいるだけでは感じられないものを得る体験っていうんですかね。
生きてる手触り感を得られるというか。

日常の忙しなさだったり、物や情報があふれている中で偏っている思考や感覚を調整・解放する体験を通じて、人間の本能を取り戻す機会になるんじゃないかと思います。

自然の中に身を置くのですが、いわゆるリトリートという感じよりも、リセットするとか、観察するとか、没頭するとかが合ってる場所かなと。直感を呼び覚ますのにぴったりな場所だと思います。

2月9日(金)19時30〜 ひるぜんアクションツーリズム報告会開催!

「ひるぜんツアー報告イベント」と題して、現地ツアーで訪れた奥深い蒜山の魅力や現地の方との交流のご紹介とともに、これから「プレイヤー」として活動を始めようする参加者に登壇いただき、パネルディスカッションを開催します!

今回の記事を読んで、蒜山や本プログラムに興味を持ってくださった方は、ぜひイベントにお越しください!(オンライン配信あり)他の参加者や真庭市の方とお会いできる機会となります。

お申し込みはこちらから