家族写真という「祈り」
海の前に立つひとりの男と笑みを浮かべた子供。写真は傾いている。タテで撮ろうとしたのか、ヨコで撮ろうとしたのか、他の理由があったのか、写真を撮影した母親が亡くなってしまった今となってはその意図はわからない。仲睦まじい2人が写るこの写真、親子のようだが本当の親子ではない。当時、母親が付き合っていた男性である。私はこの男性が本当にすきだった。海釣りなど、一緒によく遊んでくれたし、彼もまた私を受け入れてくれた。そうした関係性は満面の微笑みをたたえた私の表情からもわかるだろう。お風呂