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ひるのしじま
2019年3月25日 23:43
ダイニングの椅子で向かい合って小説を読んでいた妻が、パタンという音と共に深いため息をついた。「ダメね。私、不感症になっちゃったんだわ。」俺は手元のミステリ小説から目を離さず、ソファの背もたれ越しに生返事をする。今、ちょうど良いところなんだ。「ねえ、ちゃんと聞いてよ。私が2年前くらいに読んだ小説、あったじゃない。ほら、“蟻がナントカ”っていう。」「“蟻が溺れた日”?」「そう、そ