カラオケで今年の歌を歌えたい

今年の始めに友人とした約束を未だ果たしていない。「年内に2019年リリースの曲縛りのカラオケをする」というものだ。年の瀬も瀬なので、正直もう忘れてた事にしたい。

何の準備もなしにそれができる人にはどういう事かわからないだろうから、経緯をダラダラ書く。理解されるよりもあわよくば、かわいそがってもらいたい。

始まりは1月。前提として、よく遊ぶメンツの誕生日が10~12月の3ヶ月に集中している。数年前から12月の終わりに誕生日会とクリスマスと忘年会を兼ねた集まりをしているのだが、昨年分が延びに延びて今年の1月にずれ込んだ。仕方ないから新年会も兼ねて飯を食いに行った。

最近は仕事の愚痴もそこそこに、共通の知人の話、家族の話、心身の不調、それなら漢方が良いみんなで漢方薬局行くだけの日を作ろう、10年くらい抱えてたアトピーっぽい肌も便秘も漢方で治った、服も仕事着ばかり買うからオールユニクロだし忙し過ぎて趣味もやれてないし漢方にしか金を使ってない、今日も消化を助けて油の吸収抑える漢方持って来てるから飲もう、この漢方ババア旅行先にもお振る舞い用の漢方持って来るからありがてえよな、YouTuberが化粧品紹介する時みたいな持ち方でプレゼンしてくるし、もうお前から買わせてくれよ

この会話を毎度毎度飽きずにしている。漢方薬局にはまだ連れてってもらえてない。そして締めくくりはいつも「会話がババアっぽくなったよね」「若さ欲しいね」となる。そこから冒頭の話に繋がっていく。

「このごろの流行りがとんとわかんねえ」
「わかった試しが昔から無い」
「どんな歌が今なんだ」
「あいみょんか」
「あいみょんってモデルの名前じゃなかったのかよ」
「この中で一番頑張っている自負があるけどback numberで数年足踏みしてる」
「無理にでも勉強しなきゃ駄目だこれは」
「各々が一番流行ってると判断したアーティストの曲をカラオケで歌えるレベルまで履修しよう」


要旨を抜き出してテキスト化したが、心から寂しくなってしまった。ちなみに私はあいみょんとにこるんの区別が付いてないやつだ。カラオケでその名を見ても、彼女がにこるんの妹分的なタレントで何かの企画で曲を出してそれが話題になってるんだと本気で思っていた。

(そもそもタレントが番組の企画で曲を出してヒットするという発想自体ほのかに90〜00年代の香りがする。ポケビみがある)

そういった次第で交わされた約束だった。あいみょんとにこるんの区別もおぼつかない者にとってはショック療法に近い行為。堪らず尋ねた。

「ねえ、Mステでかかりそうなやつじゃないと駄目?」

「2019年の曲ならアニソンでも何でも良い。寧ろ新しいアニメを追う事も思い出してこう」

リハビリだ。我々がやっているのは「生活のゆとり」のリハビリテーションだ。そりゃ、やらなきゃな。

そして、年の瀬。

約束を交わしてから何度か同じメンツで会って遊んだが、誰もその事は蒸し返さない。全員が全員これだから長い事続いてるんだろうな、と思う。

私はこれを書きながら、もし今からやるとしたら、Lemonならサビ周辺だけ歌えそうだから歌っときゃ良いじゃんと思った。2年連続配信ランキング1位らしいし流行ってる事に間違いは無いと。本気でそう思って「今年は私が自然に今年の曲を覚えて口ずさめる、最後に近い当たり年だったかも知れない。今年の曲縛りカラオケ、やるなら今年やるべきだった」と書いて締めようとした。

だからリリース去年じゃん。Lemon。

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