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今飲むべき新ジャンルとは何か?と、わかりにくい種類と税率の仕組み

お財布に優しくて、味も格段に良くなって、とても身近な存在になった「新ジャンル」ですが、みなさんは新ジャンルの正体をご存じでしょうか? 日本ビール検定(びあけん)を紹介している身でありながら大変恥ずかしいのですが、実は私も新ジャンルの正体をよく分かってません💦

というのも、ビールメーカーも製法を明らかにしてないからと考えていますが、ここでは美味しいお勧め新ジャンルのご紹介と、発泡酒や新ジャンルの違いをご紹介していきながら、新ジャンルへの理解を深めたいと思います。

1.美味しいと思う新ジャンル3点の紹介

個人的に美味しいと考える新ジャンルの銘柄をご紹介します。写真に写っている銘柄なのですが、

の3銘柄です。これらは味や風味の違いは多少ありますが、どれも味が似ていてライトな味わいのアメリカンラガーに似た美味しさです。例えばバドワイザーみたいな美味しさです。他に共通してるのは、発泡酒や新ジャンルが持つ独特なまずさである、嫌なもわっとした風味やアルコール感(≒ 焼酎っぽさ)が感じられないこと。

私はこの3銘柄をローテーションして、お財布に優しくビールをたくさん楽しませてもらっています。経済的に、常に本物ビールを浴びるように飲めるほど稼いでいないので。。。

2.なんとなく分かってる…ビール/発泡酒/新ジャンルの違い

みなさんも、これらの違いは「なんとなく分かってる」のだと思います。これから明らかにしていきますが、2種類の分け方で理解が深まると思います。1つは原料や製法(作り方)。2つ目が税額です。

通常はこれらの差が曖昧で混ざっているので、ビール/発泡酒/新ジャンルを価格中心に見てしまって、あまり明確になってないのでは?と思います。

ビール/発泡酒/新ジャンルの違い ①原料と製法

原料と製法(作り方)の違いで分けると

  1. ビールと発泡酒は、大体同じ原料と製法

  2. 新ジャンルは、ビールと異なる原料と製法

の2種類に分けられます。
同じ1番のグループに入っているビールと発泡酒の違いは、原料の麦芽や副原料(米ほか多数)の重量比率によって分けられます。麦芽が少なくて副原料が多いと発泡酒となる、とザックリ考えてよいと思います(さらに詳しく見ると、2018年4月の酒税法改正で副原料は2種類に分けられますが、ここでは省略します)。

海外ではビールに扱われているのに、日本に輸入されると発泡酒へ扱いが変わることもあり、ビールと発泡酒は原料比率が異なるけど同じ土台に乗っているお酒です。しかし、新ジャンルはビールや発泡酒とは原料や製法が異なるお酒で、特に製法は非公開です。

新ジャンルは、

  • 麦や麦芽を使ってないタイプ(例 ドラフトワン/のどごし生)

  • 発泡酒に麦由来のスピリッツ(蒸留酒)を加えたタイプ

のどちらかに該当しています。前者の銘柄は限定されているので、新ジャンルのほとんどが後者です。サッポロ ドラフトワンはエンドウたんぱく、キリン のどごし生は大豆たんぱくを原料に発酵させて作られています。

ビール/発泡酒/新ジャンルの違い ②税額

歴史的にも、この3種類が生まれた原因は販売価格の差別化です。とりわけ酒税対策と考えてよいと思います。各種類の売れ行きも考慮されながら酒税法が度々、改正されてきましたし今後も変わっていくことでしょう。

ビール/発泡酒/新ジャンルの税額一覧表

税額一覧表を画像で貼り付けました。クリックして拡大して表示してください。新ジャンルの比較参考用としてチューハイなどの項目も追加しました(この記事の公開時点での税額を赤枠で囲っています)。

酒税法の品目として、新ジャンルは以前はチューハイなどと同じ「その他の発泡性酒類」でしたが、2020年10月から「発泡酒」となっています。今度は、発泡酒と新ジャンルが同じ区分になってしまいました。。。

麦芽比率や原料/製法によって税額は異なりますが、2026年10年に向けて税額が一本化されるので、この違いは消滅することが決まっています。2024年4月からは表示も「発泡酒」になるので「新ジャンル」は近い将来、消滅しそうです。(参考資料:税務署資料「酒税法等の改正のあらまし」)

ビールと発泡酒と新ジャンル。本当にややこしいですねー😓

ビールの酒税額と費用のバランス

こちらの図は、税額と販売価格から費用バランスを示しています。実際は様々な条件により変わりますので、目安として見てください。

グラフにして見るとビールの酒税の高さに驚きます。販売価格の 1/3を酒税が占めていますね。コンビニだとビール 350ml缶の販売価格が 255円(消費税別)なので、メーカーや店舗の利益がもっと増えることにはなりますが。気持ち的にはコンビニで買ってあげたいです!

おもしろいのが 2023年10月以降で、メーカー卸値と店舗利益が変わらないとした場合、発泡酒と新ジャンルの販売価格が逆転します! こうなるのでは新ジャンルが発泡酒扱いされるのも納得です。

3.まとめ結論 ビール/発泡酒/新ジャンルの違い

①原料と製法(作り方)で見ると、ビールと発泡酒はかなり近いお酒です。原料の重量比率によって分けられます。作り方が不明な新ジャンルはビールとは別物と言ってよいかと思います。

②税額面で見ると、新ジャンルは発泡酒扱いされています。麦芽比率や原料/製法によって4段階の税額がある状態ですが、2026年に統一されて違いが無くなりつつあります。

以上、この2点でまとめさせてもらいたいと思います。ここまでで新ジャンルへの理解が少しイメージできていれば嬉しいです。

税額面での違いが無くなった4年後の未来ですが、ちょっと想像ができないんですよね。。。「ビールが安くなったぜぇぇぇ! Yeaaaaah!! 🤩」とシンプルに大喜びしている状態なのか?と考えると、ちょっと違いそうだなと思いました。

発泡酒や新ジャンルは、約5000年のビールの歴史から生まれてきたビールの派生であり、今後さらにどんな進化をしていくのか? 今からワクワクが止まらないです!

まだまだサポートしてもらえるような実績はありませんが、ご期待に応えられるよう頑張ります!