【ネタバレ有】シン・エヴァンゲリオン劇場版 感想・考察 :破

--------------ネタバレ無し【ここから】--------------

 みなさんこんにちは、Hiruと申します。記事をご覧いただきありがとうございます。前回に引き続き、公開初日に観て参りました『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の感想・考察をまとめていきたいと思います!一回書き出すといろいろとまとめたいことが出てきてしまい、長くなってしまいそうでしたので複数回に分けております。
 この記事を見つけて、ご覧頂いているということは皆さんも既にシン・エヴァを最低でも1回以上鑑賞されていると思います。皆さんはエヴァの呪縛からは逃れられましたでしょうか?最長で約25年…。尊敬します!
私のエヴァの呪縛は約12年でした。あなたのエヴァの呪縛は何年ですか?

 さて、本題のシン・エヴァの感想・考察に入っていこうと思うのですが、まずは前回の感想・考察の記事をぜひご覧下さい!

--------------本編ネタバレ有り【ここから】--------------











 前回は、:Qのストーリーから直接的につながる、旧友のトウジ・ケンスケ(以下、適宜「ケンケン」)達との再会、「第三村」での生活、アスカ・アヤナミレイ(仮称・以下、「黒波」)との交流、シンジくんのPTSDからの復活、ミサトさんと加持さん、「:Q」以降の14年の間にあった出来事などを主に紹介していきました。1回目のシン・エヴァ鑑賞でもここらへんまでは、自分が一体何を観ているのか、どういうことになっているのか、こういうことだったのかなど、色々と理解しやすい範囲だったのではないかと思います。これ以降は新しいワード、新しい情報などが飛び交っていきますので、出来る限り1つ1つ、個人的な感想と一緒に紹介していきます。

【中編①】シンジくんのヴンダー再搭乗、ヴィレの計画、マリとの(ほぼ)初会話

 「第三村」で黒波との別れを経験し、精神的に成長を遂げたシンジくんは、ヴンダーに乗って父ゲンドウを止めると決意し、ヴンダーに再搭乗します。ただ、この黒波との別れもゲンドウ君が仕組んだみたいな雰囲気が醸し出されましたので、シンエヴァ前半~中盤は映画を観ている我々はずっと、ゲンドウ君の手のひらで踊らされているのです。
 シンジくんがヴンダーに戻る=:Qの「何もしないで」のあの感じになるんじゃないかと思っていましたが、やっぱりそういうフラグが立ってしまいました。ヴィレが駆るヴンダー本来の目的については、リツコとミサトさんが話していたとおり、地球に存在する生命の出来る限りの種の保存であり、これは加持リョウジの願いでもありました。:破で登場した海洋生態系保存研究機構ともリンクしますね。赤くなってしまった海を科学技術で何とか本来の色に戻すというこの研究機構が、ヴィレの前身なのでは?というところです。こうした加持さんの本懐のために、ずっと頑張り続けていました。かっこいいです。
 
 ヴンダー搭乗後で印象的なシーンと言えば、シンジが入れられた小部屋?での、アスカ・マリ・シンジの三者面談だと思います。ここでアスカが「:Q」で「私が何であの時殴ろうとしたか分かる?」とシンジに聞きました。うわお!ここで聞くのか!と思いましたね。これに対しシンジくんは、「あの時アスカを助けることも殺すことも選ばなかったから」というような感じで回答していました。ここで私が思ったのは、シンジくんがこう回答できた直接的な理由は、シンエヴァ前半での色々な通過儀礼を経て成長できたおかげではないということです。シンジくんのこの発言から、

1.「:破」のvs第9使徒のシーンでは、アスカを殺すことが選択肢の中に(一応)入っていた。
2.「:Q」でアスカと再会して殴られかけた時には、気は動転していたものの、心の奥底では何となくこの理由には自分で気づいていた。

 上記2つが分かるのではないかと思っています。通過儀礼前までのシンジくんは、自分自身と向き合えていないのでこうした事実をハッキリと口に出して言えていなかっただけで、自分自身の責任や使命と向き合った通過儀礼後のシンジくんは、本当はこう思っていたという事実をハッキリとアスカに伝えることが出来たのではないかと思っています。
 これこそ、「僕は、僕の落とし前を付けたい」という決意を示すシンジくんの第一歩です。「涙では自分しか救えない」と言ったシンジくんは、黒波との別れで思いっきり泣いて自分を救っていたんですね。

 そして最終作にして、シンジくんのマリとの(ほぼ)初めての近接での会話です。「胸の大きい…」という自信満々な自己紹介は非常に傲慢ですが、事実なので何も言い返せません。初見の時は、まさかここからマリENDになるとは思ってもいませんでした。さすがに予想できないです、、だってほぼシンジくんとは初対面だと思ってましたし…。それでいてアスカにも「姫~^~^」とか言ってイチャついているので、マリはもはや人たらしですね。

 さて、エヴァの呪縛を受けて身体的特徴に成長はないが、髪だけは伸びるということで、マリがアスカの髪を切るシーンもありました。シンジくんは14年の間初号機の中に閉じ込められていたので、US作戦後にサルベージされた時には恐らく「:破」の時のままのシンジくんが出てきたのだろうと推察できます。「:Q」もおそらく劇中全体で2~3週間ぐらいしか経っていないので、シンジくんは髪を切らなくても良かったんですね。

 ここで「髪だけは伸びる」という要素を出したということは、どこかで必ず使われるんだろうなとはずっと思っていました。「チェーホフの銃」というやつです。案の定、終盤でこの設定は再登場することになり、また1つ大きな感動や驚きを私達にもたらしてくれています。ありがとうございます。

【中編②】ヤマト作戦

 ヤマト作戦は、千年パズルみたいな形をしたネルフ本部withニアサー時に地表に出てきた富士山を引きずりながら南極へと移動する黒き月を追いかけつつ、ネルフ本部内にある「:Q」で2本のロンギヌスの槍をぶっ刺したままに止まってしまった第13号機の再起動を阻止する作戦です。
TV版・「:序」でのヤシマ作戦、映画『シン・ゴジラ』でのヤシオリ作戦に続く「ヤ」で始まる新たな作戦名が登場しました!

黒き月が「ドガーン!」って音を立てながら富士山を引きずるシーンはさすがに笑いました。南極に行くためには富士山上空を通らないといけなかったのでしょうか?あそこは笑うシーンだと思ったんですが、皆さんいかがでしたでしょうか…。

「フォースインパクトの不可逆的阻止」「儀式のトリガーとなるエヴァ第13号機の無力化」という二大目標です。ここでのヴィレの切り札は、13号機と言えど、エヴァに打ち込んでしまえば無力化出来るという「強制信号停止プラグ」でした。

ヤマト作戦からは、物語のテンポが非常に早くなります。ヤマト作戦のシーンを簡単にまとめると…

1. 宇宙まで上がり、種・種子の保管ユニットを放出。大気圏再突入。
2. セカンドインパクト爆心地である旧南極エリアへ。L結界鏡面を航行。
3. 戦艦 vs. 戦艦 の第1戦目。その間に鏡面から結界内へ侵入。
4. エヴァインフィニティの大群を抜け、戦艦 vs. 戦艦の第2戦目へ。その後エヴァMark.07群 vs. アスカ・マリが開始。
5. その後ネルフ本部への誘導弾発射。誘導弾による第13号機の露出後、アスカ・マリがネルフ本部内に侵入。
6. 新2号機、強制信号停止プラグを打ち込めず
7. ネルフの戦艦が何故か戦線離脱。戦艦のアンテナらしきところから光の翼が出現。黒き月が2本の槍に姿を変える。アナザーインパクトが判明。
8. ヴンダーが冬月先生の罠にハマり、4番艦に両翼を大破されてしまう。
9. アスカが左目から使徒封印呪詛柱を外し使徒化。裏コード999を使用。
10.「やったか!?」の場面で第13号機が再起動。新2号機が倒されてしまう。アスカ、オリジナルのアスカと邂逅。
11. ヴンダーにMark.09が取り付き、「:Q」でのように青色の有線ケーブルでヴンダーを乗っ取る。
12. ヴンダーが航行不可となったところへ、ゲンドウ君が甲板へ降り立つ。
13. ゲンドウ君、ヴンダーの初号機を強奪。使徒化したアスカを贄として、アナザーインパクト(アディショナルインパクト?)を起こすべく地獄の門からマイナス宇宙へ。
14. Mark.09を捕食したマリが、8号機でマイナス宇宙へ行ける権利を獲得。シンジくんを連れて共にマイナス宇宙へ。

おおよその流れは上記のような感じですね。この間にも様々な名シーンがありました。それらを少し掘り下げてみたいと思います。

◆2. セカンドインパクト爆心地、穢れなき世界?
→何を言っているのかよくわかりませんでしたが、L結界に居続けてしまうと自分のATフィールドが保てなくなりLCL化、コア化するようです。L結界の中を航行できるのも、加持が作ってくれたアンチLシステムのお陰と言っていましたね。

◆3. 戦艦 vs. 戦艦は、庵野監督がやりたかったこと
→「:Q」から画面のアスペクト比がシネマスコープサイズになったのは、ヴンダーなどの戦艦を思いっきり描きたかったから、というのをどこかの記事で観たような気がします。庵野監督の作品TVアニメ『ふしぎの海のナディア』でも戦艦のバトルシーンが出てきますし、ヤマト作戦という作戦名からは、TVアニメ『宇宙戦艦ヤマト』がどうしても思い出されます。これらをモチーフとしているのかは定かではありませんが、画面の幅を取る戦艦どうしのバトルは、シネマスコープサイズの方が描きやすいし、描き切りやすいんだろうなと思いました。

◆6. 第13号機にいたオリジナルのアスカともう1人
→これ最初見た時は全く分からなくて、何で第13号機の中にオリジナルのアスカがいたんでしょうか? エヴァだからと思えば納得は出来るんですが…。そして、もう1人。第13号機の中には「:Q」で取り残されたままのカヲル君が残っています。首チョンパされてしまいましたが。4月11日の舞台あいさつの中では、オリジナルのアスカと対峙しているシーンで実は「もう1人の影」があると前田監督がおっしゃっていました。全然気づかないですよ…、そんなの…。もう1回観るしかないですね。
 「:序」=「Evangelion:1.0」等の劇場版は、DVD等のパッケージ化の際に修正・ブラッシュアップがかけられ、バージョンが「Evangelion:1.01」「Evangelion:1.11」等になり、劇場で観たものではなくなってしまうんですよね。もちろん、ブラッシュアップされるのはすごく良いことなんですが、劇場でしか見られない今だけの「Evangelion:3.0+1.0」を出来る限り目に焼き付けていきたいです。

◆12. 人を捨てたゲンドウ君。目からビームを出すゲンドウ君。
→ネブカドネザルの鍵を使って、人を捨てたとミサトさんに言わしめたゲンドウ君。脳みそを拾うシーンは、富士山を引きずる黒き月に次ぐ笑えるシーンだったと思います。脳みそを拾うシーンは、4月11日の舞台挨拶で前田監督が「良く残ったよね、このシーン」と仰っていて、綺麗なものが好きな庵野監督のお眼鏡に叶うシーンとなったのではないかと思いました。
 確かに、脳みそを拾うという行為そのものがもう人外のそれで、ゲンドウ君の怖さ、狂気、純粋さを強く感じました。そして、使徒と同じ音・威力を出しながら目からビームを出すゲンドウ君。バコーンとヴンダーにビームを当て、初号機を回収し、使徒化したアスカを取り込んだ第13号機と一緒にマイナス宇宙へと向かいました。

◆13. マイナス宇宙
→ここから先は、ゲンドウ君とシンジくんの精神世界であり、私達がこれまでに見てきた『新世紀エヴァンゲリオン』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の記憶ツアーでもあります。ロンギヌス・カシウスの槍を武器に、全世界の人間を人質に取った壮大な親子喧嘩が本格的に始まっていきます。
 とは言っても、マイナス宇宙なんて急に言われても分からないです。
この置いてけぼり感がTV版のエヴァ、旧劇場版のエヴァのような感じがして、意味わからないけど楽しいなあ、意味わからないけど面白いなあと思いながら観ていました。




今回は、これで以上にしたいと思います。物語としてもここからはマイナス宇宙でのシーンが続きますので、ちょうどキリが良いところかなと思っています。次回でシンエヴァの感想・考察を終えられるように頑張って投稿していきます。

それでは、また次回お会いしましょう。ありがとうございました!

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