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日本初?ワクチン慎重派・推奨派が一堂に会した「超過死亡討論会」の参加報告


こんにちは、医師・医療経済ジャーナリストの森田です。

6月22日、おそらく日本初であろうワクチン推奨派・慎重派が一堂に会した「超過死亡討論会」が開催されました。 



いま、ワクチンの効果や副反応をどう考えるのか、専門家の中でも意見が別れている状況です。( 中には正反対の専門家の意見も多数あります。)

この状況に対して、一般の方々からは、

「ネットで言い合ってても埒があかないから、直接討論してくれ」

という要望が多くありました。ですが、なかなか実現していませんでした。

それが、今回「超過死亡討論会」と言う形で実現したのです。

主催が、ワクチンに比較的中立的な「Think Vaccine」の家田さんだったことも、今回の討論会が可能になった大きな要因だと思います。
議題がストレートに「ワクチンの是非」でなく、「超過死亡」だったのも良かったかもしれません。


僕も呼ばれて参加したのですが、全体としてとてもいい会議でした。
(アゴラ主催の池田信夫さん、常連の永江一石さん、小島勢二先生もいらっしゃいました)

ネットやSNSで自分の主張を展開するだけだと、ついつい言葉が鋭くなってしまいますが、慎重派も推奨派もこうして顔を見ながら意見を言い合うだけで、非常に冷静に議論が出来る。ということが分かっただけでも今後の展開に期待出来ます。

なにより、今回の議論の内容がとても深く、素晴らしいものだったと思います。


議論の中の、その一つ一つの単語の意味や内容を深掘りし、この動画の内容を漏らさず全部理解できたら、もうそれだけでその辺の医師に負けないくらいの知識量になるのではないだろうか?と思えるほどです。


個人的に新知識として勉強になったのは以下でした。(あまり本論とは関係ないのですが…)


○グーグルのワクチン情報統制アルゴリズムにより、アゴラのアクセス数はコロナ前の1/3に減った。


あまり知られていないのかもしれませんが、Googleは「ワクチンに否定的な情報」を検索結果に殆ど表示しないようにプログラムしています。また、YouTubeは、どんなに正確な情報でも「ワクチンに否定的な情報」は削除しています。これは明らかな情報統制です。

僕のユーチューブ動画も、10本以上削除されました。
なので今は情報統制のないニコニコ動画に移行しています。
驚いたのは、先日僕が脳外科医にインタビューした動画。
ニコニコにアップする前に、脳外科医本人に確認してもらおうとYouTubeで限定公開(アドレスを知ってる人だけが見れる)したら、限定公開なのにたったの5分で削除されたのです…。森田のチャンネルはずっとAIが見張ってるんでしょうね(^_^;)。

アゴラはワクチンに否定的な情報も肯定的な情報も、両論載っている稀有なメディアですので、Googleさんの方では気に入らなかったのでしょう。で、検索結果に表示しないというやり方で、バッサリやられたのですね。僕も一時検索エンジン最適化(SEO)について頑張っていた時期があったのでよく分かりますが、これはもう死活問題です。

池田さんには、Googleの情報統制に負けないで頑張って欲しいです。



ちなみに、この情報統制は決して国家ぐるみのものではなく「一企業の利益」を目的としたものです。なので、「企業の勝手だろ」と言われればそれまでなのです。
ただ、インターネット検索や動画サイトがここまで一般化し、ほぼ社会インフラの域までされてるこの状況で、企業の良いように情報を制御してしまうというのは、倫理的にも(おそらくその企業にとっても)良いことではないと思います。


○同じ事象を観察しても、論者次第で全く異なる2つのグラフを提示することが出来る。



永江一石さんと小島勢二先生のお二人が、全く同じテーマでグラフを提示されたのですが、それが全く違う結論になっていたのも興味深かったです。

横軸に「ワクチン追加接種者数」
縦軸に「超過死亡」

この条件で、小島先生が提示されたのがこちら、右肩上がりで「ワクチン接種すると超過死亡が増える」ことが示唆されるグラフです。



一方、永江さんの提示されたのがこちら。きれいな右肩上がりにはならず、「ワクチン接種が伸びても、超過死亡はあまり変わらない?」という風に読めます。


どちらが正しいのか、と言う議論はさておき…。

この2つのグラフを見ると、論文やエビデンスというものは、扱う時期や、対象データの選定などで、いろいろなものが作れてしまう、というのが良く分かります。

先程、GoogleやYouTubeが情報統制をしているということを書きましたが、小島先生によると、超有名な医学雑誌でも「ワクチンに否定的な論文」は掲載されないことになっているようです(医学雑誌にもスポンサーがついているので)。

有名医学雑誌に掲載されることは医師の出世にとって最重要案件ですので、そこを目指す医師は、なるべく「ワクチンに好結果」になるようなグラフや論文を出してしまうことになるでしょう。

やはりここにも「企業の利益」が大きく影響しているようです。


あと面白かったのは、

○ワクチン推奨派の永江さんも中村先生も今最新のワクチンは打っていない。


○会の参加メンバーの多くが、弱毒オミクロンに対してワクチンが有益だとは思ってない(家田さんは異議あり)。



なお、僕は所要により途中で退室しましたが、(2時間予定が3時間半に伸びたので…)
退室前に「アジアと欧米では被害がぜんぜん違う」というデータを提示した意味は、会の流れとして、世界各国のワクチン接種状況や超過死亡などを比較して共通性を見出し、そこから日本の超過死亡を考えよう、という思考が多かったのに対し、

「欧米とアジアでこれだけ被害が違うのだから、人種や地域や民族などで新型コロナに対する免疫反応が全く違っていたと考えるのが妥当だと思う。なので、他国のデータから類推して日本の状況を考察することにあまり意味はないのでは?歴史上でも現在でも、地域によって感染症の流行や免疫反応に大きな差があるというのは普通にあること。」

と言いたかったのです。

時間がなくてそのまま退出してしまいましたが…(^_^;)


以上、日本初?ワクチン慎重派・推奨派が一堂に会した「超過死亡討論会」の参加報告でした。



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夕張に育ててもらった医師・医療経済ジャーナリスト。元夕張市立診療所院長として財政破綻・病院閉鎖の前後の夕張を研究。医局所属経験無し。医療は貧富の差なく誰にでも公平に提供されるべき「社会的共通資本」である!が信念なので基本的に情報は無償提供します。(サポートは大歓迎!^^)