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創業ストーリー #3

こんにちは、深澤です。

創業ストーリーの続きをお話させていただきます。

シニア向けのフリーペーパーを思い付いた後は、まず情報収集です。そもそもそういった冊子に興味があったわけでもないし、ライティングも編集もグラフィック・デザインのことも何もわかりませんでした。しかし幸いなことに知人から、地域でフリーペーパーを発行している方を紹介してもらうことができましたので、制作の流れや配布、広告営業など一通りお聞きすることができました。

ビジネスモデルはとてもシンプルなもので、誌面に掲載する広告収入が主な収益源です。他に考えられるとすれば、誌面を活用した通信販売でしょうか。コスト面もシンプルです。大きなところはグラフィック・デザインの費用で、私にはデザインの知識も経験もないので、それについては外注するしかありませんでした。

冊子の印刷代は意外にもたいしてかかりません。大量に刷れば1冊あたりの単価はかなり下がりますので、設置場所の増加に合わせて部数を増やします。しかし、コンビニやドラッグストアなどによくフリーペーパー用のラックが設置してありますが、そこに置かせてもらうには結構な費用がかかります。ですから、お金のない私は無料で置かせていただけるところを地道に開拓していきました。

いずれにせよ、誌面の内容が価値あるものでないと読者も広告主もつきませんので、コンテンツとデザインに時間をかけて注力しました。コンテンツは、主に地域情報と介護情報と決め、まだ介護は必要ではないけど、それに備えておきたいという人に楽しく読んでもらえる内容を目指しました。

ただし、いかにも高齢者のためのほんわかしたイラストで文字を大きくするようなものにはしたくないと考えました。なぜなら、私はそれがとてもダサいなと思っていたからです。どこか高齢者を幼児扱いして馬鹿にしてるなと。ですから、読みやすさも大事ですが、オシャレに感じられるデザインで制作していました。

この事業は、福祉用具専門相談員としてサラリーマンをやりながら、勤め先の会社にも許可をいただいた上で、空いた時間でずっと行っていました。しかし、読者はある程度ついていたのですが、広告が全然取れず収益に結びつきませんでした。運転資金も個人資金だけでやっており、2年ほど経ったところでそれも底を突きそうだったので撤退を考えていたところ、運よく新たな道が現れました。

なんと知人を通して、介護情報誌を出している東京の出版社から、雑誌のリニューアルへのオファーが届いたのです。編集長が私たちのフリーペーパーのデザインを見て気に入ってくれたそうです。すぐにオファーを受けたいと思いましたが、私にはこの頃一つ問題を抱えており、すぐに決断できませんでした。

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