『超越論的敬虔論/超越論的経験論』

新しく制作した『超越論的敬虔論/超越論的経験論』をアートブックフェアに出品します。価格がとても安価のため、本の外装形式はかなり簡素なものとなります。本の内容は、情報化社会、AI、シンギュラリティ、キャンセルカルチャーなどの現代の問題にあわせて、ドゥルーズ・フーコー・デリダの哲学をアップデートさせたものです。また、他にもこれまで制作したアートブックを四冊出品しています。

『超越論的敬虔論/超越論的経験論』 全40頁

第一章 「読書における生成変化と忘れられた他性」
ドゥルーズの無人島論や「ノマド」概念を用いつつ、安易な哲学的概念や(コミュニケーションしてないのに、していることにする)コミュニケーションが流行する情報化社会における問題に対抗するため、読書における生成変化、あるいは、真摯な読者が経験する読書の時空間のあり方を示した。読書に秘められているが、忘れられている時空間の他者性とは何か。

第二章 「ポイント・オメガ:フィクションと対抗的な〈外〉の思考」
フーコーのフィクションについての考え方を基にしつつ、AIやシンギュラリティの問題が本当はどんな考え方に従っているのかを明らかにした。また、それに対抗するような機械やコンピューターとの創造的な共働作業を提案した。妥協無く機械的であることと、フィクションの徹底化について。

第三章 「超越論的敬虔論/超越論的経験論」
拙論「キャンセル・カルチャーと情報化社会における他者性の問題
——『超越論的な赦し』という概念から——」に加筆修正をしたもの。とくに追加部分では、「信じること」や宗教をいかに脱構築するのかを後期のデリダを参照しつつ明らかにした。現代情報化社会のテクノロジーがもたらす言語行為による新たな「信じること」と、そして、「超越論的経験論」を新たな他者性をもたらす「超越論的敬虔論」に変化させていくための試み。

訂正

P.2 目次で第一章が抜けており、「読書における生成変化と忘れられた他性……p.4」を追加。

P.37 註2の「参の」を「参照」に修正。


港まちアートブックフェア2023

「本」を中心にアーティストやデザイナー、出版者の作品や活動を紹介し、鑑賞者と出会う場を作ることを目的に名古屋の港まちで開催している「港まちアートブックフェア」を今年も開催します。

2023年7月6日(木)–9月16日(土)
11:00–19:00(入場は閉館30分前まで)
会場|Minatomachi POTLUCK BUILDING 3F:Exhibition Space
休館日|日曜・月曜・祝日
入場|無料
企画|Minatomachi Art Table, Nagoya [MAT, Nagoya]
主催|港まちづくり協議会


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