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わたしの3月11日。

これは、日々薄れてしまう記憶を書き残したものです。
あの日を今も苦しく思う方は、先を読まずに閉じてください。

今年ももうすぐ、3月11日がやってくる。
2011年のあの日、
わたしはいつものように会社にいて、
徹夜仕事に備えて準備をしていた。
15時になったらおやつでも買いに行こうなんて、
考えていたかもしれない。

いつもと同じ金曜日。
明日もきっといつも通り。
そう思うことすらない日常の中で、
わたしはあの地震に放り込まれた。

みんなのスマホが一斉に鳴っても、
つい数日前にも同じことがあったから
また鳴ってる、くらいにしか思わなかった。

その瞬間。

地面が震えて、揺れて、うねり始めた。
隣の席の同僚と、抱き合いながら
室内がぐちゃぐちゃになっていく様を
ただ見ていた。

逃げるどころか立つことさえできず、
ひたすら地面を滑り揺られながら、
見ていることしかできなかった。

非常口の扉を開けると外は吹雪で、
「もう3月なのに」
そう思ったことだけ覚えてる。

あの街を出て、もう何年たっただろう。
今も愛すべき第二のふるさと。
わたしは今日も元気に生きていて、
あたたかい部屋で安心して暮らしている。

でも、明日も同じ穏やかさが続くとは限らない。
だから今日を、心を込めてたのしむ。

あの日々を、一緒に過ごした大切な人たちが
変わらず元気に笑っていたらとてもうれしい。


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