見出し画像

取材のノウハウⅡ-4

今回は、[相手に興味を持ち、肯定する]です。

わかってくれている、と思ったら、誰にも話してなかったことまで、
打ち明けてもらえることがあります。

たとえ自分の心の中では「そうかなぁ」と疑問に思っても、いったんは無理してでも、うなずきましょう。そして一通り聞き終わってから「あの部分、もう少しお尋ねしたいのですが」と、ニュートラルに振り返るのです。

その場で「お言葉ですが、私はそうは思わない」など反論するのは愚の骨頂。だって、あなたは議論をしに来たのではなく、お話を伺いに来たのですから。

中でも最悪な返し方がひとつあります。これはひょっとしたら会話で熱くなった経験がある人なら、1度はやってしまった、言ってしまったことがあるかもしれない絶対的な禁句。それは、

「あなたに比べれば、●●なんかはもっと・・・」

というフレーズ。

具体的な事例を挙げると、ある人が仕事のつらさを嘆いていたとして、その人に対して、「あなたに比べればカンボジアの子どもたちはもっと大変ですよ。私は実際に見てきたことがあるから・・・」とか。

言われた方は、良くてカチン、場合によってはキレるかもしれません。いえ深く傷ついて、心を閉ざすかもしれません。だって、つらさや悩みに絶対的な目盛りなど無く、すべては個人個人が感じる相対的なもの。「比べれば」をやってしまうと、理論上では悩みを肯定してもらえるのは世界でただ一人になってしまいます。そんなトーナメント戦、勝ち抜きたくないですし。

また、ある経営者の方にこんなことを言われたこともあります。スローガンやミッション・ビジョン・バリューを作成する際、私は当然のように「では社員の皆さんにインタビューをさせてください」と申し出たところ、急に不機嫌になり、私の話だけでまとめてくれ、と。

聞けば、過去にライターが社員インタビューを行った際、聞かれた方のモチベーションが思いっきり下がってしまったとのことでした。理由は、考え方や意見を否定したから。なんでそんなライターを招き入れたのかはさておき、相手の気持ちをいったんは受け止めることの大切さを痛感させられました。

では、本日はこの辺で。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?