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取材初心者さんを襲う「罪悪感」

昨日はこんな記事を。

超かいつまんでいうと、見聞きした「いいなあ」と思うことを素直に「いいよー」と伝えるのが一番、というお話でした。

今日はその見聞きする段階、取材時のお話をば。

聞いたことは全部書かなくていい

これ、過去のnoteにも書いたんですが、大事なのでもう一度書きます。特に、取材初心者の方へこの言葉を捧げます。

「インタビューで聞いたこと、全部書く必要ない」です。

よく聞かれるんです、新人ライターさんに。
「いっぱい話してくれたから、書かないと悪いかなあって…。たくさん話してくれた時、どうしてますか?」と。
いい人だ…。取材につきあってくれた相手に対して、書かないことへの罪悪感を覚えていらっしゃるんですよね。確かに、相手の時間をいくら頂戴しても気にしない人ってのは、ちょっと無神経だなー、とは思いますよね。

ただわたしが思うに、むしろ全部書いちゃだめだと思っています。その方がインタビューさせてもらった方に悪いからです。聞いた情報は、書き手が「どこをどう伝えたらわかりよいかな」と編集しなくちゃいけないから

事実をねじ曲げろ、という意味では決してありません。広告、特に長文は読んでもらえないケースがほとんど。こうやって書いてるわたしのnoteだって、取材や長文作成時にスゲー困ってる人の目に止まって、やっとこ読んでもらえるかどうか、ってとこだと思います。

そやってせっかく読んでくれた時に、無駄な情報伝えてる場合じゃない。

よく話は長いけど、まったく面白くない人いますよね。大体の場合が、話の結論わかんないし、状況説明多いし、起承転結がない文章でも同じです。伝えたい情報を伝えるために、際立たせるためは、削るに限る。それをできるのは、取材をしたインタビュアーだけなんです。


誰に伝えたいか、で削る情報は変わる

ただし、間違えやすいのが、“書き手自身にとって”いいなあ、と思うことを残すパターン。そうではなく、読み手が「いいなあ」と思うだろうなあ、ということを残すべき。だって、広告を読んでほしいターゲットは書き手のような人物とはかぎらないから。
わたしは自分の書くべき文章を読んでほしい人、伝えたい読者が「20代前半の独身フレッシュなOLさん」なら、47歳ですが図々しくも憑依します
仮に伝えたい読者が、還暦を迎えて定年退職したオジサマでも、バイト掛け持ちして青春しているバンドマンでも。
完全には理解できないかもしれませんが、理解しようとします想像します、彼らの服装、食べ物、お財布の中身、毎日の景色を。

その上で、取材で拾ったたくさんのネタの中から、彼らがいいとおもってくれるであろう情報を拾う。読んで欲しい人たちにとって「いいなあ」と思えるネタを選りすぐる。それが広告取材を仰せつかったライターの役目なのかな、とつくづく思う次第です。

とどのつまり、取材はおもしろいよね、って話です。

ではまた

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