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プロからアマチュアまでRAW現像や、銀塩フィルムでの仕上がりを再現して楽しめるDxO社の新製品「PhotoLab 5 / FilmPack 6」

写真撮影は好きだけど、RAWでの現像は面倒そうでできていない、そんなデジカメユーザーも多いのではないだろうか。自分もそんなユーザーの一人でRAWでの撮影・現像に興味がありつつ、手軽なJPEG撮影で済ませてしまうというのが常であった。

RAWの現像で最も有名なソフトウェアとして真っ先に名前が上がってくるのはAdobeのLightroomだろう。Lightroomの費用は月払い980円とお手軽のように見えるけど、提供されているのは年間プランの月々払いのみなので、途中解約をすると違約金が発生する。途中解約をすると、残りの契約期間の50%の支払いが必要なため、よく写真を撮影するような夏休みや年始などの休暇シーズンにだけ契約して使うといった使い方ができない。

カメラメーカー各社は無償で製品購入者向けにRAW現像もできるソフトを提供していたりするが、カメラを買い替えたりしてメーカーが変わるたびに違うソフトを運用するのも面倒そうなこともあり、結局RAW撮影には本格的に手を出せずにいる、そうしたユーザーも多いのではないだろうか。

今年10月21日に最新版がリリースされた写真処理ソフトウェアDxO PhotoLab 5(PC版およびMac版)はサブスクではなく買い切りのライセンスとして提供されている。Elite版の通常価格が21,900円、Essential版が13,900円だが、いまはなんとBlack Fridayセールで半額で提供されている(11月26日現在)。30日間無償で利用できるデモ版も提供されているので、RAW現像に取り組んでみたかったというユーザーにとって利用してみるのもよいだろう。

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(DxO PhotoLab 5と後述のDxO FilmPack6はhttps://shop.dxo.com/ja/にてオンライン販売されている。買い切り価格での提供が嬉しいというユーザーも多いだろう)

Adobe Lightroomのようにサブスクリプションが必要なく、DxO PhotoLab 5 ESSENTIAL版は2台のコンピュータ、ELITE版は3台のコンピュータにインストールが可能となっている。

実際に試用をしてみると、DxO社の標準の補正プリセットを適用するだけで、とても手軽に効果の高い画像補正と処理を利用することができる。いくつかの作例を交えながら紹介したい。

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(標準で用意されてる補正プリセット。手軽に補正効果の恩恵が得られる)

筆者が明治村で撮影した写真などでの補正を確認してみたところ特に暗所面での色調がしっかりと補正されているのが確認できた。こうした画像の現像や補正には、DxO社のDeep Primeテクノロジーと呼ばれる人工知能が活用されており、数百万枚の画像を使ったディープランニングにより強化されている。PhotoLab5では新たに世界中のユーザーから要望が多かったという富士フィルムの独自RAWデータフォーマット.RAFにも対応したほか、JPEGデータの画像にももちろん活用することが可能だ。そのためデジカメで撮影したJPEG画像はもちろん、 iPhoneやAndroidスマホで撮影した画像をより魅力的に加工するのにも有効活用できる。

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(明治村の旧帝国ホテルの中央玄関部の内部。右側の補正された後の画像では、暗部の色調などがはっきりと確認できる。)

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(明治村に移築された古い学校の講堂の内部。右側の壁の窓枠の色調が、補正された右側の画像では鮮やかに描写されている。)

PhotoLab 5では、さらに部分調整を行うための多くのツールが提供されているが、筆者のようなアマチュアでも、便利ですぐに使えると感じたのが、EXIF情報のメタデータとキーワードを階層化しながら入力、編集できる機能だ。

撮影した写真を色々な人に見てもらいたい、活用してもらいたいと考えるユーザーは多いだろう。PhotoLLab5ではキーワードを階層化しながら写真に関連するキーワード情報をEXIFに追加することができるため、撮影画像を写真共有サイトや写真販売サイトなどに登録した際、キーワードによる検索で見つけられやすくなる。同じ趣味を持つ他のユーザーとも関連するキーワードを通じて、より繋がりやすくなるだろう。

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(キーワード情報を手軽に追加、編集することができる。階層化しながら管理できるので、例えば建物の名前や建築家の名前を、英語表記、日本語表記でそれぞれ整理しながら登録したりすることができる。)

さらに今回、DxO社からPhotoLab 5と同時にFilmPack 6という製品が発表されているのでこちらの製品についても紹介したい。FilmPack 6は銀塩フィルム風の質感に写真を加工してくれるソフトウェアで、PhotoLab 5と連携しながらはもちろん、単体でも活用できる製品だ。デジタルカメラでアナログカメラの味わい、フィルムの仕上がりを手軽に楽しむことができる。

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(FilmPack 6では銀塩フィルムならではの仕上がりを手軽に楽しめる。右側は明治時代の写真家日下部金兵衛風の仕上がりを適用している。)

Elite版ではKodak Tri-X400、Polaroid 690、Ilford HPSといった有名なフィルムを含む84本の銀塩フィルム、ESSENTIAL版では46本の銀塩フィルムの本格的な仕上がりを再現することができる。その中には富士フィルムのNeopan 400やKodak Ektachrome 100 VSなどすでに製造中止となったフィルムも含まれる。

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(デジタルだからこそ、異なるアナログフィルムによる仕上がりの違いを手軽に楽しむことができる。右側はすでに製造中止となったモノクロフィルム、富士フィルムのNoepan 1600風の補正を選択。報道写真でみたような味わいがある。)

今はもう入手することが難しいフィルムの効果を確認したりできるのはもちろん、現像費用をかけずに様々なフィルムによる仕上がりの質感の違いを確認できるのはデジタルならではの恩恵だ。各フィルムの特徴についての解説が用意されているので、それぞれの銀塩フィルムの個性を学びながら、仕上がりの違いを楽しむことができる。

また銀塩写真初期の時代から現代までの銀塩写真の仕上がりを時代ごとの解説つきで再現できるタイムマシン機能や、人気の高い富士フィルムのX-Seriesデジタルカメラのフィルムシュミレーションを再現したモードも用意されている。X-Seriesユーザーでなくても手軽にX-Seriesのデジタルカメラを扱っているかのように写真を仕上げることができるのは嬉しいポイントだ。

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(富士フィルムのカメラのデジタルカメラユーザーに人気のフィルムシミュレーションを、他のデジタルカメラやスマホユーザーでもフィルム調の効果として楽しむことができる。)

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(カラーの画像をモノクロフィルムIlflord Pan F Plus50の仕上がりを適用してみる。とてもシャープなコントラストが気に入ったので調べてみると非常に評価が高いフィルムだった。実際に様々なアナログフィルムを使いわけるのは大変なので、こうした発見があるのが嬉しい点だ。

DxO FilmPack 6(PC版およびMac版)はESSENTIAL版が8,500円、ELITE版が13,900円の価格で提供されているが、こちらもPhotolab 5と同様にBlack Friday Saleで半額で提供中(11月26日現在)。

手軽にデジタルカメラの画像で様々な銀塩フィルムの仕上がりを楽しめるFilmPack 6はプロフェッショナルユーザーはもちろんのこと、銀塩フィルムを使ったことがないライトユーザーにこそとても魅力的な製品だろう。

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